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言の葉に乗せる2
どんなにあなたを励まそうと、食べきれない豪華な言葉を並べても、
飢えた心はまんぷくにはならない。
ひと握りの疑いすら払しょくする、
触れ合う肌のぬくもりが一瞬で癒してしまう。
本当ならば言葉なんていらないんだよ。
言葉なんてクソッタレで分からずやで、いつも想いとは裏腹だから。
この願いがまっすぐにあなたに伝われば。
河のせせらぎに流す言の葉は、重ければ沈んでしまう。
想いが誰かの重荷にならないように、せめてもの慰めになるなら。
言葉はいつか独り歩きを始める。
傷つけ争い見下し合う世界で、ベタで革新的なセリフが求められるから。
言葉なんて心に響かない、言葉なんて何も変えられない。
でもそれじゃ淋しすぎるから、言の葉に精一杯の想いを託すんだよ。
想い想われて世界が廻るのなら、
あなたの胸にすがりつき思い切り甘えたい。




