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プラトニックラブ 私のダビデ

作者: hiromic

あの日、あの子に出会わなければ!

私の人生を変えてしまったマサキとの運命的な出会い。

私の人生は、全く、波乱万丈の連続である。

今回が、3度目、そして、今迄で、正に、一番、波乱万丈…


これは、全て、事実なんで、小説じゃなくて、ノンフィクションだと言う方が、正しい。


生きているダビデ像のような青年に恋をした。

それも、いい歳こいてプラトニックラブ…

笑える…?

そう、思いたいのは、本人だけで、結局、

若い男に騙されて貢いだだけの話だろうと、人は、云うだろう。

だけど、彼とエッチしなかったのが、

唯一の自慢。

私達は、度々、同じベッドで眠ったが、そんな下世話な事をする気には、ならなかった。

眺めているだけで、満足だった。

マサキ、私のダビデ、彼の肉体は、本当に美しかった。

顔も私好みのしょうゆ顔、綾野剛似。

髪を眉まで下ろしていると、神秘的なホスト顔、オールバックにすると、スポーツマン顔になる。

そんなマサキが好きだから、彼の窮地を救いたかっただけ、彼が、ホストになったから、

ホストになった彼に貢いだ結果になっただけ。


後悔は、全くしてないと言ったら嘘になる。

大金を投入し、持っていたクレジットカードを何にいくら使ったかも分からない程、

デタラメにきりまくって、彼の売上に貢献したのだから…

ただ、どこかで、こんな歳で、また、恋をして、あ〜やっぱり、彼が好きだと、涙をハラハラ流せる自分に変な誇りのような気持ちを抱いている事も否めない。

孫も出来、琵琶湖のほとりに終の住処もきまり、穏やかな老後なんだろうなと云う未来に実は、なんて、退屈なんだろと、密かに抱いていたとんでもない贅沢なワガママに罰が当たったのか、希望がかなったのか?


現役警察官の実の息子に、こんな馬鹿げだ事をやるのは、もはや尋常の域を脱っしていると、精神病院に医療保護入院迄させられた。

警察官なので、そこら辺の事は、詳しい。

最初は、心療内科に通院しようと、

イケメンの先生のいる綺麗な病院に連れていかれたのに、翌日、正に騙されて、入院設備のある別の病院に連れて行かれ、留置所のような独房のある部屋に24時間施錠で監禁された。

留置所には、お世話になってないが、

留置管理課にも勤務していた息子が、

ウチの一時預かりと同じ作りだと言っていたから、そうなんだろう。

確かに所謂、躁状態、何でも出来る絶頂感に囚われては、いたと思うが、こんな所に入れられなければならない程、

私は、異常者なんだろうか?

嫌だと、大騒ぎしたが、数人の看護士に囲まれ、逃げ出す事は、困難。

もっと、大暴れでも、したら、拘束器具でもつけられそうだったので、諦めた。

今迄の人生で、一番屈辱的な瞬間だった。

勿論、息子は、私を心配してだろうが、

母親を良くも騙して、こんな最低の 場所に閉じ込めやがってと云う恨みと云うか悔しさは、一生消えないだろう。

ただ、息子も、私を監禁してから、駐車場で泣いたそうだ。

そりゃ、泣けるだろう。

あんな所に母親を入れなきゃならなくなって、平気なら、その方が異常だ…


看護士は先生に絶対服従で、色々、段階によって、細かい規則がある。

そうか、人間一人、社会から抹殺するには、殺人じゃなくても、この手があったのかと、マジで、そら恐ろしくなった。

今、ここから、逃げ出すなら、ターミネーター2の主人公のサラかなんかのように、

大暴れして、施錠を開けさせるなりするしかない。

それは、とても、無理そうだったねで、服従するしかなかった。

服従する。

そんな状況、人間、そうそうお目にかかる状況では、ない。

一応、人権云々は、守られていて、

不服のある人は、「横浜こころの相談室」

なる所や弁護士には、電話は、かける事は、出来た。

私は、すぐにそれらを利用したが、結局、

時間がかかり、それを待っている間に、

もう、良いだろうと、一ヶ月ほどで退院となった。

そう、異常者だったんだろう?

この歳で、こんな馬鹿な事をやらかしたんだから…


若者に惚れただけのつもりが、それだけじゃすまなくなってしまった。

金が絡んでいるから…

私は、若いホストに狂った愚かな母親として、警察官の息子に精神病院に医療処置入院させられた屑人間に成り下がったのである。

なんと、ドラマチックな人生だろう。


最初の結婚もかなりのものだったが、

今回、二度目の結婚も、とんでもない事は、あったが、私が我慢さえしていれば、

無事に終了するものだろうと思っていたが、無事には、ならなかった。

いや、しなかったが正しいか?

今までで最高調まで、行ってしまったと云うしかない。


ただ、生きているダビデ像のような青年に偶然出会ってしまっただけで、

とんでもない我人生、最大の波瀾万丈になってしまった。


ここまての犠牲をはらった私を、私の生きているダビデ像のマサキは、本当は、どう思っているのだろう…


生きているダビデ像との出会いは、

以下のようであった。

馴れ初めは、正に、逆ナン。


天下の横浜駅の改札で声をかけた、

シックスパックの腹を見せろと…


そんな馬鹿なと思われるだろうが、

その日は、4/25、人によっては、

まだ、肌寒く感じる時期だろう。


そんな日に、

ノースリーブのワンピースを着ていた私と

タンクトップ姿の彼には、

何か通じるモノがあったのだろう。


私は、更年期障害のホットフラッシュのせいか?

電車に乗ったり、セカセカ歩くと汗が出て、ワンピースとお揃いのジャケットを脱いでいた。

マサキも黒いタンクトップ姿では、あったが、小脇にグレーのジャケットを抱えていた。


マサキのタンクトップ姿から見える胸や背中は、よく鍛えられていた。


「貴方、暑いんでしょ?私もなの…‼︎

貴方、きっと、シックスパックでしょ?

お腹見せて?」


そう声をかけてみたら、本当に簡単に

カルバンクラインのLEGO付きパンツが見えるオシャレなシックスパックの腹を見せてくれた。


後に彼にその時の事を聴いてみたら、

何故かは、分からないけど、

私には、見せて良いような気がしたと言う。


私は、何故、声をかけたのか?

わからない…?

そう答えるしかない。

いつも、そんな事をしている軽い女では、決してない。

だから、私は、後に、それは、運命だったのだと、何がなんでも思いたがった…


それで、その翌日、ランチする事になるのだが、マサキの方は、その為に、ひと悶着あったそうだ。


その当時、彼は、友達の彼女の部屋に転がり込んでいて、何とか生活していたらしいが、

私との馴れ初めとランチの約束を聞いて

大激怒され、夜中に部屋を追い出されたそうだ。


そりゃ、そうだ、その子は、夜になるとワインか何か酒を飲み、マサキにエッチを迫ってくる様な子だったらしいから、下心満載なのに、そんな馬鹿な話は、許せるはずもない。


彼がその晩、どう過ごしたのかは、分からないが、翌日、約束の店に現れた。

そこは、駅ビルの中のどちらかと言うと、

圧倒的に女性に人気のヘルシーランチの店で、普通の白御飯以外に十穀米なんかが選べる定食風になっている小洒落た店だ。


前日のタンクトップ姿とは、違って、普通にTシャツ姿の彼は、何処にでもいそうな普通のスリムな若者だった。

着痩せ?着痩せと言う表現があっているのか分からないが、このTシャツの下が、あのダビデ像とは、誰も気づかない…


マサキに好きなモノを頼ませ、彼の素性をさりげなく聞いた。


彼は、その鍛えぬいた逞しい身体でスポーツジムのトレーナーをしていると言っていたが、職場の先輩が意地悪で上手くいっていないと寂しそうに答えた。身分的には、アルバイト。

その頃、私は、まだ、正式に横浜の住人では、なかったので、自宅のあった滋賀県大津市琵琶湖湖畔にある其れなりに全国的に名の知れたスポーツジムの正式会員だったので、

そこのような有名ジムで正社員になれば良いじゃないの?なんて、お気楽に答えていた。


マサキのその美しい生きているダビデ像のような身体が本当は、何処で鍛えられていたモノかも知らずに…


実は、彼は、その時は、国家公務員、所謂、制服組、何処ぞのデブの独裁者が世間を騒がせている昨今、誰でも知ってる市ヶ谷のあの施設で働いていたエリートだったのだ!

とある事件で、謹慎中の身分だった。


本来の職場は、軍隊なら、ネイビー、身分的には、軍曹、高校を卒業して10年、親と折り合いが悪く、住める所があり、働けるという事で選んだと言う。

つまり海自、海上自衛隊。

働きながら、大学にも通ったそうだ。

そして、卒業、今は、修士課程、大学院にも進んだ。

昇進試験も受けた。

受け続けたら、現場でなく、市ヶ谷のあの施設に特Aクラスとやらで、行く事に…


それって、物凄く、エリートで凄い事じゃないの?

私みたいな全くの凡人には、計り知れない事だけど…

ところが、毎日、PCに向かって、機密機密を扱っているのは、かなりのストレスで、

おまけに上司に当る人がかなりの嫌な奴だったらしい。

そこで、事件は、起きたらしい。


彼の部下に当たる奴が、上司への面当てもあり、何か情報漏洩的な事をやらかしてしまったらしい。

生意気な事に、その部下には、妻子がいて、其奴の罪を自分が全部被ったらしいのだ。

そんなお人好しな馬鹿がいるものか?


私も最初は、そう思った。

ただ、彼なら、やり兼ねないようか、そんな雰囲気があった。

その部下どうしてるの?

貴方にそんな事、押し付けて、平気で、ヌクヌクしてるの?

してないよ、してる訳ないさ、とても苦しんで、悔やんで、本当の事、白状するって、

でも、奥さんは、反対で、そりゃ、そうだろう。

だから、俺の思いをついで、下の奴らが馬鹿な事したくなるようなそんな上司には、なるなと、そう言う奴にお前は、ならないように俺の思いをついでくれと必死で説得したって…

結局、その後輩は、辞めてしまったらしい。

連絡も寄越さないらしい…


本当だろうか?

人は、そもそも、そんな話嘘だと言う。

でも、私は、信じていた。

私の知り合った4月は、まだ、正式決定は、出ていなくて、違う仕事に正式に着く事にも出来ず、寮は追い出され、親元にも帰りたくなく、貯金もそこをついた、何かしら、バイトをして稼ぐしかない。

そこで、そんなに親しく付き合っていた訳でもないらしい叔母さん宅に身を寄せて、何か割の良いアルバイトをしようとしていたらしい…


制服組の男は、基本、衣食住の最低限の事は、きちんと出来るし、やらないと気が済まないたち、そんな気質でないと、そもそも、その手の仕事は、出来ない。

だから、さして、親しくもない叔母宅でも、マメに家事をこなす事によって、嫌がられる事なく、置いてもらえていたらしい。


そこらの事情は、後々、徐々に聞いて知った事であり、例のランチの後は、どうしてるの?なんて、連絡を入れると、金は、ないけど、子供の勉強みてあげるボランティアやっている等の返事だったので、優しい真面目青年なんだななどと思っていた。


その後、一カ月後辺りに連絡してみると、夜の時給の良いアルバイトを始めたと言う。

5/21、私の58歳の誕生日の翌日…

「その店って、私も行けるの?」

「はい、12時からなんですけど…」

「深夜の飲食店か?」

「場所は?」

「伊勢佐木町。」

「じゃ、タクシーで行ってみる、何処目指したら良いの?」

「じゃ、伊勢佐木町のドンキー目指して来て下さい。」


伊勢佐木町のドンキーホーテは、すぐに分かった。

何故か入口前にデカイ水槽があって、その中にマダラのデカいウツボや気味の悪い魚が入っていた。

そこにマサキは、迎えに来た。

白いTシャツを来て、ダビデ像の身体が想像も出来ないようなスリムな青年の出で立ちで…


店は、そこから歩いてすぐだったが、全くの方向オンチの私は、その後も暫く、場所を覚えられなかった。


何軒が店の入っている商業ビルの一つ、同じ系列の店が二軒あり、彼は、本当は、改装中の3階の店の方の従業員なのだか、工事中なので4階のBという店の方での営業だと言う。


そこは、一応、ホストクラブだった。

と、言うのは、ホストクラブと言うと、

イメージ的には、バリッとアルマーニのスーツなんぞを来た男共がはべってる雰囲気なのだが、それとは、ほど遠かった。

所謂、ローカルのホストクラブと言うか、

私のイメージのものは、歌舞伎町や銀座なんかの店なんだろう。

皆、カジュアルな服装で、気取らないリラックスしたムードの店だった。


焼酎の鏡月のボトルを入れて、何か割物を頼んで、ピンクのアセロラとか、ウーロンとか、その他、勿論、色々、アルコールは、あるんだろうけど、よくは、分からなかった。


私は、マサキを既に指名と言う事になっていたから、最初から、そういう料金設定でスタートだったが、初回は、ナント3000円!!

勿論、源氏名だが、イケメンが工夫を凝らした名刺を持って、次は、僕を指名して下さいと、次から次へと、1ダース位、店中の子が挨拶に来る。

正にイケパラである。


私の席についてくれる子の中で何人か親しくなる。

何故、ホストになったのか、聞いてみると、それぞれ訳あり、そりゃそうだろう、健全な家の何の訳なしの子が水商売には、入らない。何らかの理由で金が必要だから、または、親への面当て、親のもっとも嫌がる事をしたくてみたいなのもあったが…


マオと云う子がいた。母子家庭で妹がいて、野球をリトルリーグから一緒懸命にやっていた。スポーツ専門の高校から声がかかり、張り切って行くも、全国から、精鋭揃い、

レギュラー取りたくて、ガムシャラに練習して、肩を壊してお払い箱、学校も辞める事になり、野球だけしてきた少年は、どうやって、この先、生きて行けば良いのか?


そんな事にならないようにスポーツトレーナーだのなんだのサポートの大人がいだんじゃないのか?

それで、マオは、どうしたか?

現場作業員とかやっていたらしいが、それも、意地悪されたりして、そうは、上手くいかない。

まつ毛の長い人形のような綺麗な顔をしている。現場作業員よりは、ホスト向きだ。

名古屋の大きな店で、頑張ったらしい。


アイスペールに高い酒を注いで、それを飲んだら、金を出してやると言われたらしい。

言った客は、風俗嬢のナンバーワンのような子だったらしい。

頑張って飲んだら、一週間、血尿だったらしい。

また、他には、何年間も工場勤務でコツコツ貯めた金を貢いでくれたけなげな40女もいたらしい。


そんなかんなでナンバーワンになったマオは、母親に2800万の建売の家をプレゼントしたらしい。

母の日に鍵だけ送り、後で、家の場所の地図を送ったそうだ。まさに美談。

そんな上手い話、ホストの作り話に決まってる?

私は、信じてる。マオならやりそうだっ

て…

その後、母親は、上手く、真面目な人と再婚出来たらしい。だから、自分は、あまり、実家に近づかないようにしていると言っていた。ホストだから。

成人式の話もなんだか、複雑な心境になった。

地元では、野球で高校をスカウトされて行った筈だったのに、成人式で会うと、ホストになって帰って来ました。

おどけて、報告したらしい。

大受けで、写真撮ったりして、大騒ぎだったらしいが、その後、地元の店で飲み明かしたら、電車なんて、ある都会じゃないらしく、マオが全部、タクシー代を出したそうだ。

二十数万円、みんな、感謝しながらも、ホストだからなぁなんて、面白がっていただろう事が想像出来る。


コナンと言う子もいた。

ひょうきんでお調子者で、ちょっと、小狡いとこもあって、彼は、インディーズバントをやっていて、騙されて、借金をおわされたらしい。歌舞伎町にいたらしい。バントみんなでと云う話を一人で返したらしい。

人懐こい可愛い顔をしている。

営業後のラーメンの食べ過ぎでムチムチになって来てしまったのだか、ソフトテニスをやってたらしく、固太りみたいな独特のムチムチ感だった。

その子がだいぶ後になって、私だけに教えてくれた秘密は、どう答えて良いものかわからなかった。

彼のおちゃらけて、明るいけれど、何処か遣る瀬無い感は、これかと思った。


学生当時、ソフトテニスだし、中学時代か?

かなり、強く、全国大会にも出られるほどの実力があったらしいが、その当時、好きだった子は、実は、不治の病、多分、白血病かなんかだったらしいが、彼に気を使い、周りにも、絶対にその事をもらさないように頼んでいたらしい。彼が、全てを知ったのは、彼女がこの世から消えてしまってから…

どうしようもなかった。


その後の彼は、高校時代に土手で初エッチをしていたら、犬に吠えられた話や、

スーパーのレジのバイト先に来るボインの人妻を誘惑してみたり、ひょうきんで少し、悪党なキャラ話をするのだか、それが、私には、返って、辛くおもえたりもした。


トキ君と言う子もいた。

京都出身で、どこか品があって、良いとこのボンらしかったが、父親への面当でこの世界に入ったんじゃないかと思う。

ポツポツ話してくれた内容を総合すると、

彼がまだ、小学生の内に母親と姉は、

父親と折り合いが悪く、家を出て言ってしまったらしい、彼は、後取りと云う事でのこされ、身の回りの世話の為にお手伝いさんが来ていたらしい。

ある日、いつもより、少し早く家に帰ると、

父親とお手伝いさんがカウンターの上で

エッチをしていたらしい。

小学5年生位の男の子にとっては、大ショックだった事だろう…

そのお手伝いさんは、ボインで、子供心にも、それに父親が関心を持っているのは、

感じていたらしい。

母親や姉には、たまに会っていたらしいが、そんな環境で育って、父親の云うなりにまともに育つ訳がない。

父親は、歯科医で跡を継がせるつもりだったらしいが、歯科大には、行かず、建築の方にすすんだらしい。大学は、ちゃんと、卒業したのか、してないのかまでは、分からないが、父親からの束縛をきらい、流れついたのが、横浜伊勢佐木町…

もう、30歳過ぎているので、脚を洗うつもりで、彼女も出来、結婚資金を貯めていたらしいが、次第に彼女との中がしっくりいかなくなり、最後の方は、セックスレスだったりしたそうだか、この女が糞女で、こともあろうが、別のホストに貯めていた結婚資金を貢いでしまったらしい!

最悪のやり方だ。その女なりの理屈があったんだろうが、最悪最低だ。

結婚する前に分かって返って、良かったじゃないと、慰めるしかない。

彼もそう言いながら、私は、見た事ないが、床に転がってしまうほどにベロベロに酔う時があるらしい。心の傷が疼くのだろう。

今は、父親とも、和解してるらしい。

お前が家を出たくなっても仕方なかっただろうと今なら、理解出来ると、言われたって、

遅すぎるだろう!馬鹿親父‼︎


ミナトは、まだ二十歳、全く子供だ、彼の話に出てくるおねいちゃんは、実は、本当の姉でなく、幼馴染で彼女がキャバ嬢になったから、自分もホストになって叱られただの、実の妹も水商売に憧れているが若年性糖尿病だと云うし、どんな家庭に育ったのかと思ったら、父親は、三菱重工だというし、暴力をふるわれていたような話もあるし、一時、暴走族もやっていて、少年院にいれられた事もあると言う。話がメチャクチャ、強がってみせたり、要するに子供なのだ。でも、どこか、人懐くて憎めない。


白夜と言うネーミングの子もいた。

漫画に出てる王子様のような綺麗な顔立ちの魅力的な子だった。、

彼は、毎日は、出勤しないのに、何故かナンバーワンだった。何とも言えないカリスマ性からか?他の子達のような、ドラマチックな理由は、なく、昼間の仕事が退屈だったから、ホストになってみたという。

私のお気に入りは、そんな子達で、シャンパンコールと言って、シャンパンを頼むと店中の子が集まってくれて、掛け声のようなコールをしてくれるのだが、その時に一緒に飲むメンツを3人選べるのだが、大体、マサキの他は、上記の5人の中からだった。


じゃ肝心なの私は、どんな人?

何故、自宅のある大津から、横浜に来ているの?

それが、また、信じ難いような事実…

まさに現実は、小説より奇なり…


弟の嫁、アキコが亡くなった。

分かった時は、肺ガンのステージ4…

生前率を見たら、他の癌は、5年生前率なのに肺ガンは、1年生存率しかない

え〜と思って入れるうちに前年秋ににわかってから、翌年の3/19に本当に亡くなってしまった。そこから、私の運命も狂い始める。


当時、私は、大津で父と二人、のんびりと暮らしていた、夫は、岡山に単身赴任中。

その平和を掻き乱した一本の留守番電話、

アキコの母親からのものだった。

「アキコは、入院した、もう、戻って来れない、あんたは、馬鹿親だ」と父を罵しるような内容、びっくりして、弟に問いだだすと、

アキコは、確かに入院中で、予断を許さない状況、アキコの両親は、家にいついて、自分を追い出したいような有様、当時、小学2年生だった姪っ子との仲も引き離そうとしている、との事、以後、この姪っ子の親権をめぐって、裁判沙汰にまでなる。


アキコの両親は、実際、色々とやらかしてくれた、普通なら、病気の娘に代わって、手伝いに来てくれたのなら、有難い事なのだが、

家の中の金目の物を物色して、アキコ名機の貯金をおろしたり、これが呆れる、アキコが入院したのをみて、死んでしまうと、弟のものになると、ATMでは、一日、50万しか降ろせないので、毎日、通って、合計500万をせしめていたのである。どうりで、全然見舞いに来ないと思ったら、金を出すのに、必死だったのだろう。


医療保険の死亡保険金の受取り人を弟から父親である自分 に変更していたり、そんな事は、契約者であるアキコしが出来ないのだが、電話口に母親が出て、本人になりすましたのか、まんまと変更されていた。


アキコが亡くなって、遺体が、葬儀場に運ばれて来たのに、会いに来もしない、後日改めて、考えてみると、葬儀場に行ったら葬儀費用の金の話になるからと、思ったのか、徹底したもので、実際、自分の名前の花輪代も払わず、実の娘の葬儀に1円も出さなかった。


何故、ここまで、金に執着するのか、

これまでの生い立ちや暮らしによるものだろうが、そもそも、アキコの両親がどうやって、暮らしていたのか、皆目、分からない、

父親は、板前崩れというか料理は、上手いのだか、旅館の手伝いとか、何処の会社の保養所の管理人とか、どう考えても、そんなに金になるとは、思えないのだか、現在所有する家が3件目で、ローンなど組める訳がないから、現金で払うとなると不思議で仕方がない。はっきり言って、胡散臭い夫婦である。


このおかしな夫婦から、姪っ子を奪還せねばと言う事で、私が出て行く事になったのだが、まるでスパイのように、弟の家に入り込み、弟を悪く言う夫婦に話をあわせたりして緊張した状態で数日暮らすうちに、精神的におかしくなっていくのが自分でもわかった。

今にして思うと、そんなに深入りしなければ良かったのだ。結局、この時点から、私の精神は、躁状態に転じていったのだった。


その当時、私は、姪っ子の母親がわりになるつもりで、姪っ子も私になついていたのだが、春休みが、終わって、再会すると、事態は、変わっていた。私になついている事を良く思わなかった夫婦達は、なんと、私を泥棒に仕立てていた。


私の寝てた部屋に亡くなったアキコのバッグがあって、私が使った後をみたら、それがなくなっているから、私が泥棒したという筋書き、勿論、そんかバッグなど、存在しない。

私達、大人にとっては、とんでもない夫婦でも、姪っ子にとっては、優しい祖父母な訳なので、私が太刀打ち出来る筈もない。


その後、アキコの納骨に姪っ子を連れて行こうとする私達を避けて、今度は、自分達の家や、親戚の家を転々とし、こちらも、子供を連れて行かれたと、警察沙汰にまでしたが、結局は、親族間のいざこざ、警察がどうこう出来る話では、ない。それでも、警察署の場所を貸してくれて、話し合いが行われたが、深夜におよび、姪っ子が体調を悪くし、その日は、物別れに終わった。

事は、結局、子供をかいせという裁判沙汰にまでなり、勿論、親権は、弟にあるので、姪っ子は、弟のもとに無事に帰ってきた。


結局、私は、出る幕もなく、ちゅうぶらりんの状態だったのだが、今考えてみると、躁状態のマックスで、値段もみずに、大量のものを買い込み、ホストクラブで散財し、破たんへの道を歩んでいくことになる


なんだ〜やっぱり、気の狂ったおばさんが若い子にそそのかされて、散財した話かと言ってしまえば、そのとうりである。


現在、私は、自己破産申請中で、夫に離婚を突きつけられた惨めな状態である。


マサキは、どうしたかというと、伊勢佐木町の店は、辞め、ボランティアをしたり、大学院に通ったりしていて、気まぐれに、私に電話をくれて、会ったりしていたが、結局は、ホストの世界に戻ってしまった。今度は、池袋の店だった。


その店に一度だけ、マサキは、私を招待してくれた、クリスマスプレゼントと称して、

12/25日に、嬉しかった!

店に行く前に、恵比寿のガーデンプレイスに手を繋いで行った、クリスマスのイルミネーションの中、幸せだった。

店では、贔屓の客は呼ばずに、私が独占出来るはずが、一人来てしまい、私の卓には、殆どついてくれる事は、なかった。


マサキは、すっかり、垢抜けて、女の扱いにも慣れた感じ、兎に角、ギューと、ハグすれば、喜ぶという事を発見したのか、ところかまわす、新幹線のホームでも、ハグしてくれ、フレンチキスまでしてくれた、愚かな私は、また、彼への恋心を掻き立てられる。


マサキは、もう、昼間の世界には、戻れないだろう、そうしてしまったのは、私にも責任がある、伊勢佐木町の店で、彼をナンバーワンにしたりしなければ、指名客もいず、ホストでは、食べていけないと、諦めたかもしれないのに、一度、味を覚えた蜜の味は、もはや忘れられないのだろう。


池袋の店は、繁盛していて、一晩で高い酒が何本も出るらしい、彼らが姫と呼ぶお客達は、水商売や風俗嬢だろう、スケベ親父がおとした金がホストクラブに落ちていく、そんな図式だ。

彼が始めたTwitterによると、彼は、現役を辞めて、マネジャーになったらしい。もともと、頭のいい子だから、さらに店を発展させる事だろう。今は、それに夢中な様子。


私への連絡は、「Twitter始めたから、よければフォローして下さい」が、最後のような気がする、もう、連絡は、来ないだろう。

寂しいよ、マサキ、

仕方ない、これ以上、私に出来る事は、ない、身体に気をつけて頑張るんだよ、それしか言う事は、ない、私とマサキの物語は、ここまで、さようなら、マサキ…


これは、全て、実話です。

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