テストの記述問題の水増し(もしくは削減)方法
深夜の駄文シリーズ
○○について、100字あるいは50字以内に答えよ。
学生さんだったころの筆者のまわりには、この手の問題が苦手だという人がそれなりにいたように思います。
さっぱりわからん! という人もいれば、何を書けばいいかはわかるけど文字数を合わせるのがだめ、という人も。
前者については、問題文のどの部分を書けばいいか判断する能力、それを自分なりの文章に組み立てられる能力を身に付けましょう、となるわけですが、後者の場合、適宜単語を置き換えるなどして文字数を自覚的に調節するテクニックを身に付けておくと苦手意識が改善されるかもしれません。
それから、指定された文字数には、だいたい何個くらいの主張を入れられるのかという感覚。
筆者が昔学校で教わって、それ以来おおよその目安にしているのが、「なにかひとつ文章を書いたら約30字、詳しく書こうとすれば50字になる」というものです。
ということは、100字以内にと指定されているならそこに書き込める主張は、丁寧に書けば2つ、詰め込むなら4つであるということになります。
自分が何個の主張を答えればよいかをまず把握(文章題なら、どの段落と段落をまとめようか――みたいな感じで)、主張ごとに使うことのできる文字数をざっくりと分配、実際に文章を作って適切な接続詞などで繋ぎつつ文字数を細かく調節――という流れになるかと思います。
ここで、本エッセイの本題である文字数の調節って、実際にどうやればいいの!? という疑問に行き当たるわけですね。
○○字以内と言われたときの“以内”とは、いったい指定の文字数からマイナス何字までが許容範囲なのか。
そうですね、100字までならだいたいその文字数の1割~10字、200字なら10~20字程度、文字数が多くなると1割ではなくて0.5割以内が望ましいといった感じではないでしょうか。
ちなみに筆者は、解答欄のマス目ぴったり~マイナス3字までが勝ち解答、5字を越えると負け解答だと思っていました。
解答を下書きして文字を数えてそのラインに達していなかった場合、まず何文字水増ししなければならないかを数えましょう。
そして、解答を見直して「読点を挟み込める部分」を探します。
これで足りたならよし、もう一歩足りないなら次に「同じような意味合いで、より文字数の多い接続詞」を頭の中からひねり出します。
例:また→そして、それから
だが→しかし、だとしても、とはいえ
まだ足りない、ですか。では、「○○を」→「○○ということを」としてみたり、「一人」→「ひとり」、「後は」→「あとは」といった様に(これを“ように”と表記してみるのも有りですね)、不自然でない程度に漢字をひらがなに書き換えてみましょう。
もしこれで調節しきれなかったとするなら、おそらくその解答は文字的にではなく内容的に不十分であると思われます。もう一度問題文、自分の解答を見直してみてください。
そして逆に文字数を削りたい場合は、上述の方法と反対のことをして調節すればいいわけですね。なくても意味の通る単語などがあれば容赦なく削ってしまいましょう。
とはいえこれらの方法は、いったん別紙などに下書きをして、文字数を数えて推敲するだけの時間的余裕がある場合に有効な方法です。
では時間がギリギリなとき、そんなときは――
1文約30字の法則、解答欄のマス目が1行何文字なのかといった判断材料から、自分に許された文字数はあとどれくらいなのかを頭の片隅に置きつつどんどん書き込んでいって
書き込む主張が残り一つになった段階になったら文字数に気をつけて文章を組み立て
はみ出してしまったら削る、足りなかったら盛るを、なるべく最後の文のみで行います。
足りない文字数が改善欄の最後の行に引っかかっていた場合には、時間との兼ね合いで妥協するのも可です。
なにをいまさら当たり前のことを、という方も多いでしょうが、もし文字数を指定された記述問題が苦手という方がいて、このエッセイがなにかしら役に立ったなら幸いです。
この水増し(削減)方法、もちろんなろうでレビューを書きたいときなどにも活用できます。
最低文字数に届かないときや文字数をオーバーしてしまったとき、文章をまるごと付け足す、削る前にまだやれることが残っている……かもしれません。