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死神冒険者の終末旅行紀  作者: サフラン斎藤
一章-死が全てを分かつまで
1/11

-歴史に埋もれた英雄についての一文-

 フラン。家名はなし。彼女の記録には不明瞭な点が多い。


 冒険者ギルドによれば二流の戦士であり、教会によれば二流の聖職者であり、王国によれば二流の商人であり、そして、王国の近隣諸国によれば特級の悪魔だった。

 フランの生誕は王国南方の森林地帯の泉の隣、このことから別名泉の精霊とも呼ばれた。

 また、生後間もなく教会付の孤児院に身柄が委ねられたとされる。

 幼少期の伝承は聖職者エドウィンに才を見出だされ、冒険者になったとわずかに遺るのみ。

 少しでもこの時代を知っている歴史家ならば、さぞかし頭を抱えることだろう。なにしろ特徴がないのだ。

 当時、町の外に住む者はほとんどが冒険者で、主に生活環境を原因とした諸々の理由で冒険者の子は孤児が多い。

 そして、蛙の子が蛙になるように孤児が冒険者になることはごく自然だった。

 泉での出生についても出典は巷の噂話の域を出ず、敢えて特徴を上げれば彼女は珍しい女性冒険者だったというぐらいだ。

 しかし、あやふやな経歴と裏腹に青年期以降の活躍は目を見張るものが散見されている。

 少なくとも二度確認された龍種の討伐、帝国も参戦した共和国第二次戦役での戦果、また二代に渡る勇者の教育。

 王国に貴重な魔物の素材を惜しみ無く、それも定期的に売り払った功も小さくない。勇者以外の冒険者に対する教育でも優秀極まりなく、冒険者の層を厚くしたとも言われ活躍は多岐に渡る。

 聖なる加護の恩恵による長寿が続く間、彼女の冒険は途切れなかったと伝えられる。

 どれをとっても英雄譚に相応しいものだが、悲しいかな時代が悪かった。

 英雄が乱立する時代だった。目立つところはフランの弟子にあたる破壊の勇者カスケード、龍を根こそぎに滅した伝説を持つ英傑ライドウ、教会直属の死兵の聖歌隊など。  それらの他にも様々な天才や戦闘狂が群れを為していた。

 彼女の居た時代には常に彼女より上手がいた。今ですらいるかもしれない。だが、彼女を越える量の功績を積み上げた者は未だ、いない。



とりあえず顔見せ。各々章がまとまったら投稿する形に・・・・・・したいなぁ。

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