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胃がんって言われちゃったよ。  作者: 魚住すくも
第1部 初めての入院。
6/7

看護師さんの思い出 その一

 1


 とりあえず当面は、ものを食べれないのである。

 というわけで、点滴で栄養を入れないといけないのだが……。


 どうも、腕が痛い。


 ナースコールで看護師さんを呼んだら、男の看護師さんがやってきた。

 あ〜、点滴が漏れているみたいですね〜と、点滴を止めてもらって……そのまま看護師さん、どこかにいっちゃった。


 それから、しばらく待っても戻ってこない。

 え〜、どうしよう。


 だいぶ、長い時間がかかって(もしかしたらまたナースコールをしたかもしれない)女の看護師さんがやってきた。


 ところで、わたしは大抵、点滴や採血は右手でしてもらうのだけど、左手では出ている血管が少なくていつも手こずるのだ。

 もともと右手に点滴が入っていたので、左手にしないといけないんだけど……。


 その時も、失敗されてしまった。


 前にも書いたと思うが、わたしはほんっと〜に針を刺すという行為が苦手なんである。


 一気に吐きそうになって、うがい受けを口のところに持ってくる。幸い、吐きはしなかったけど……。

「大丈夫!?」

 看護師さんが慌てて、血圧を測るとめっちゃ下がっておりました(苦笑)。


 とりあえず一旦落ち着くまで休もうかと言われて、胸を撫で下ろしたのは言うまでもない。


 しばらくしてやって来たのは、恰幅のいい男性の看護師さん。

 この病院、結構男性の看護師さんが多くて、三人くらいいた。

 針刺しにビビるわたしに気をつかってか、気さくに話しかけてくれる。

 やっぱり左腕に入りそうな箇所はなく、

「ごめんな〜、痛いかもしれんけど手の甲から入れさせてなぁ」

 そう言って鮮やかな手つきで、ことを済ませてくださった。めでたし、めでたし。


 2


 で、点滴漏れ事件の前だったか、後だったか忘れてしまったんだけど……。


 わたしの配置されていたベッドは、故障しているとのことでテレビが見られなかった。

 入院したての頃はそんな余裕なかったけど、さすがに少し体調が落ち着いてくると、暇になってくる。


 テレビが見たいと言うと、とりあえず修理の為に人を呼んでくれることになった。

 てっきり外部から電気屋さんでも呼ぶのかなと、おもったら……。


「電気屋さんが来たで〜、なんちゃってやけどなぁ」

 工具を持ってやって来たのはなんと、わたしの左手の甲から鮮やかに針を刺した看護師さんだった!



 実は、壊れているのはテレビ本体ではなくて、何かのコード(電源だったか?)が壁の内側に入り込んでしまっただけだった。

 そのコードを壁から引っ張りだし、テレビ側と繋いだら解決するのだが……。


 なかなかうまくいかない。


 途中、お見舞いに来てくれた父も加わり、なんとか線を繋ぐことができた。


 めでたしめでたし。


 ***


 この看護師さん、すごく気さくな方でとても印象に残っている。

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