恐怖の初胃カメラ
とりあえず、当面の荷物を取りに行く前に家に帰った母を待ちながら、胃カメラの順番を待つ。
……なかなか、来ない。
っていうか、おかん、病院に戻ってきたし。
看護師さんが迎えに来た時は、午前も遅い時間だったかなぁ。
車椅子に乗せられて、内視鏡室へ。
「ここの先生は上手いから、多少おえってなっても大丈夫ですよ〜」
……はぁ。
何が待ち受けているかも分からぬまま、内視鏡室に運ばれていくわたし。
普通の胃カメラだったら、胃の泡を消す薬を飲まされたり、ゼリー状のドロドロした麻酔液を喉の奥に効かしたりするんだけど、それもなかった。
喉の奥にぷしゅーっとスプレー、一回きり。
「はい、じゃ、これ噛んでてね」
マウスピースを装着されて、内視鏡がついに……。
おえっ!
おええええっ!!
おえええええええ!!
いやいや、マジで苦しいんですけど!?
口の周りが黒っぽい吐瀉物で汚れる。
まだ胃の中に吐いたものが残っていたようだ。
看護師さんが技師さんに、
「落ち着いて!」と背中あたりをさすられるが、落ち着いていられますかい。
まぁ、終わりかけの時にはようやく慣れてえずくこともなくなったんですが……。
内視鏡検査から帰ってきたら、病室が変わっていた。
はじめての胃カメラでぐったりしていたため、主治医の先生からの説明はひとまず親が受けることになった。
この時得た教訓は、"吐血する前に胃カメラを受けよう"でした。