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「なんでよ!」
タタは父親のハルザの執務机の手をついて身をのり出した。
「なんで私がカラットへ行かなきゃなんないのよ。こないだパオルで良いって言ったの父さんじゃない!!」
学校から帰っていつも通り空へ出ようとしたタタを父の部下が呼び止めたのだ。
いわく「おやっさんがよんでます」
仕方なく父、ハルザの元へ顔を出したタタへハルザは爆弾を投下した。
「タタ、おまえちょっくらカラット行ってこいや」
空中世界オーヴ。はてなき海の上を太陽を中心に空に浮かぶ島々が回る。
人々は島に集まり複数の島からなる国を形成していた。
そのうちの一つ空中都市国家カラットは3つの浮島とより小さな端島からなる国だ。
1の島カラット、2の島スメラ、3の島パオル。島の名前はそのままその島上の街の名である。
「いやよ、カラットなんてあーんな御高くとまった能なしどもの巣窟」
「意外と住めば違うかもしれないだろ」
「そんなわけないでしょーが!父さんが毎日いってることじゃない」
「そうだったか?」
「そうよ!!」
髭面をとぼけてポリポリ。がっしりした長身にボサボサの髪。なんでこんなくたびれ親父がモテるんだろう。
心のなかで毒づくもののタタは父親が大好きだ。そして尊敬している。だから・・・。
「とにかく、もう決めたんだ。タタ、おまえはカラットの高等院へ行け」
どんなに抗ってもハルザのこの言葉でタタのカラット行きは決定事項だった。