8月24日 1
「おはよう」
と暫く話していない中学生の長男から挨拶された
そう言えば、朝洗面所でジジィからも「おはよう」と言われた様な、毎朝俺からおはようと挨拶しても、無視されるのに
それと、ジジイの体調「良くなってきている」のでは無く「最初から悪くない」様に感じる
トドの化身にジジィの体調を確認したら、ナニソレ?と言われた、いつも飲んでいる不眠症のクスリも無いようだ
ジジィの思い出の中の後悔している出来事を払拭すると、ジジィが変わる、ジジイが変わると、ジジィに関わってきた歴史も変わる、変わる方向は、少なくても悪くない方向に変わる、そして、変わったことを知っているのは俺だけ
と、突拍子もない仮説を立ててみた
その結果、降りるべき駅を通過した、昔からよくある、妄想に入ると周りが見えなくなる、気を付けよう
会社につくと、連絡メールを確認するふりをしながら、出来事をまとめてみた
①.母親にお礼を言わなかった→お礼を言えた
②.男の子を救えなかった→救った
③.死んだ女性を性のはけ口にした→母娘を助けた
うん、これが改変した出来事
こう見るとジジィ最悪だな…いや、ジジィを、10代の若者をこの様な行動に追い込んだ時代が最悪だな
さて、①と②はクリア、でも③は…元の歴史ではあの母娘は死んでいる、殺した二人の八路軍は生きている、俺が母娘を助けたことによって、あの4人の歴史も変わった?どうなるんだろう
そして、青く透き通った女の子、スティーブン3世
スティーブン3世があの形をとると、多分スティーブン3世は俺と会話できなくなる、それに、あの足を切断した能力?
と、色んな事を思っていると、年下の上司、嫌味な井筒課長がいつまで机に座っているのかと、訪ねてくる、「すいません」と慌ててディスクから立ち上がる、課の皆はそれぞれの持ち場に移動している、のこっているのは俺だけだ
しかし、ひどい時代だった、あのような犯罪が、まかり通っているんだからな、と、持ち場についた俺は機械を動かす
暫くすると、事務の女の子、中沢里香に話しかけられる
キター、俺のオアシス、火の鳥ジャパンのミナクルサオリ〇に似ているので、俺は心の中でリカリンと呼んでいる、あと、無音カメラで隠し撮りした写真を何枚か持っている
心の中で万歳しながら平静を装い返事をする、他愛のない連絡事項だけど、このやり取りがあるから俺は頑張れる、一度だけ飲みに行った、会社の新年会だけど
リカリンの後ろ姿を見送りながら、心の中で愛を叫んでいると、機械の要点検のブザーが鳴る、またか、と点検個所に走る
今日は200個生産しないと帰れないんだぞ、機械よ、止まっている場合ではない、と、考えながら走っていたら、何かに足を取られた
気付いたら、暗いベットの上で横になって天井を見上げている、薄暗い中周りを見てみるとボロボロの建物の中
あっ、過去ね
そして裸の女の人が俺を抱くように寝てる
ありがとう神様
『相変わらずスケベだね』とスティーブン3世