8月23日 4
小屋に近づくと、中から悲鳴が聞こえる、やっぱりそういう事かと、隙間から、中をのぞく、女子挺身隊として、旧満州国にきた日本人の女性が、子供を人質に取られ、二人の汚い男に迫られていた
白紙と呼ばれる紙切れ一枚で徴収され、戦争で少なくなった男性に変わり、軍事工場などで強制的に労働力として国に安い賃金で雇われる未婚の女性だ、戦争が終わり、働く所が無くなり、日本に帰る、働いている間に、結婚し身ごもった女性も少なくないだろう、いま、壁一枚隔てた場所で、子供を盾に迫られて、被害にあおうとしている女性も、そんな身の上の女性だろう
俺は、手に抱えた、幼い遺体を埋める場所を見つけながら、スティーブン3世に話しかける、あの女性を助けるのか? 相手は二人、しかも人質として、幼い子供が囚われている、武器に棒でも石でもつかって・・・
『うーん、少し違うみたい』
違う?何が?
『あの女性を助けられなかったから、後悔しているのでは無い様だよ』
どういう事
『あの女性もあの子供もここで殺されちゃうよ、襲っているのは八路軍だよ』
八路軍?
『正吾の記憶では、最低最悪の共産国軍隊。日本人が帰るのを保護しているふりをして、略奪、強姦、人さらい、人身売買何でもやっていた、人の皮をぶった鬼畜だね』
そんなのと、今ここで問題起こしたらまずいだろう
『大丈夫じゃないかな、八路軍は威勢はいいけど、馬鹿で弱虫の集まりだから、逆に、仲間が殺されたら、震えてその話題には触れないと思うよ。』
仲間に報復されないか?
『仲間意識とか無いし、自分の今がよければあとは何でもいい奴らばかりだし、その点は問題ないよ』
よ、よし、じゃ、助けるか…な……
『ちょっと、まってよ、助けられなかったからじゃなくて』
じゃ、なんだよ
『あの二人が殺された後、母親の方をジジィが死姦したことを後悔している』
死…カン??
『だから、このまま遺体を埋めて、何も見ていなかったふりして、汽車に帰る事だね』
…
……
………
うん、見なかった事にしよう・・・それで、俺が助る。あの親子関係ないし…俺は、手に持った小さな遺体を埋める作業を開始した
小屋からは、母娘叫びと八路軍のいやらしい笑い声が聞こえる
俺は、埋める作業を止めた
日本人は、困っている人がいたら助ける!!
『39歳になっても中二病の君ならそういうと思っていたよ』
どうするか、武器になる様な物落ちてないか? 相手二人だから最初に不意打ちを…と、色々方法を考えていると
『手伝おうか?』
目の前に、青く透き通った綺麗な女の子が立っていた…