The Beginning of Everything すべてのはじまり
「国取りゲームっていうのはどうだ?」
「おい、なんだよそれ」
「なんだっていいじゃないか?今は私がルールだ」
「ちっ」
2046年5月8日
国家交流会が行われた。
いわゆる国のお偉いさんたちが集められて国の仲を深めるようなものだ。
この交流会の内容は一般的にメディアには報道されてない。
今回は単なる交流会ではなかった。
どうやら近頃、大事件がおこるようだ。
「めんどくせー。」
「んな、神野~おまえは本当に」
片手には参考書、もう片方にはチョークをもった、典型的な『先生』が、生徒の神野こうたのことを怒鳴りつけた。
無理もない。
今日で注意するのは三回目だ。
青林高校。
偏差値70越えのエリート校だ。
彼らは共に『金の卵』と呼ばれていた。
休み時間に隣の席の三鷹めいがこうたに話しかけた。
「今回もきつく言われたわね」
こうたはダルそうに言う。
「本当だよ、何もあそこまで怒鳴らなくてもいーだろ」
「いや、授業中にパソコン開く方が悪いのよ、なにやってんのよ」
「お前にはまだわかんないよーい」
「どうせまたエロゲーでしょ?本当にみっともないわね」
「にししししし」
「あ、そうやってまたパソコンとりだして、また没収されるわよ」
「へん、次はあんなニキビ教師じゃなくて、やさしいやさしい※牧野先生だからへーきへーき」
「あ ひろと、、、後ろ…」 ※英語教師
「ニキビ教師で悪かったな」
背後には、今まさにこうたのことド叱らったばっかの先生がいた。
「すまんな、今日は数学2時間だ」
「あれ?今日何曜でしたっけ?」
「水曜だが?」
「あちゃー木曜だと思ってました、まだ土日まで3日あるのかー、先生も土日好きですよね?」
「こんの大馬鹿があああああああああああああああ」
「なんですか、もう、またPC壊しにきたんですか?」
「いや、お前にちょっと用があってな」
いつもとは違う先生の表情に、こうたは少し困惑しながらも、先生についていった。
二人で少し猫背で歩きながら喋る。
「そういえば先生、来週のテストの範囲ってどこでしたっけ。」
「お前がテストのこと気にするなんて、珍しいな、頭でもうったのか?」
「んなバカな、先生こそ、そろそろ結婚のこととか考えた方がいいんじゃないですか?」
「ん?あー、まー、そうだな」
ひろとは驚いた。いつもなら、もっと感情のこもった言葉を発する先生だが、今日はなにか様子が変だった。もっともそれを言葉にだすほど、こうたもデリカシーのない人間ではない。
「プルルルル♪」
こうたのスマホから着信音が鳴った。
「ゲッ、やべ」
この学校では、電源を切るか、マナーモードにしなければならないのだが、こうたはすっかり忘れていた。
また怒られると思ったが
「どうした?でないのか?」
思いもしない言葉に、こうたは動揺を隠せなかった。
「あ、じゃあ、お言葉に甘えて」
不思議ながら電話に出た。
「もしもし」
「もしもしお兄ちゃん。」
「あ、美咲~、学校にいるときに電話はかけてくるなっていつも言ってるだろ~?」
「いやー今日の帰り、ケーキ買ってきてほしいなーって」
「ん?あー。わかってるよ、父さんの誕生日だろ?」
「さすがブラザー、よくわかってる~料理はまかせて。」
「おう、楽しみにしてるからな」
電話は、妹からっていうのもあって、あえてどこにも移動しなかったが、
その後の先生の、微笑と申し訳なさがつまったような顔は、なにか特別な違和感を覚えた。
「今日、父親の誕生日だったのか?」
「え?あ、そうですね。ちなみに父さんと母さんの結婚記念日も今日です」
こうたは、普段あまり雑談をしない先生から、このような言葉がでてきたのは意外で、戸惑いながら答えた。
「お前から母親の名前がでてくるとはな」
「ん?まあ、たしかに。」
「高1の時のお前からは絶対に出てこなかっただろうな」
「あー、その際はお世話になりました。」
「ん?まあな、でもあの時のお前が、まさかこんなんになるとはな」
「やめてくださいよ、今は思い出さないようにしてるんですから」
「そうか、それはすまなかったな」
しばらく沈黙が続く中、先生が立ち止まり、一つ大きなため息をついた。
先生が立ち止まったところは、普段生徒が出入りすることはない応接室だった。
先生がノックしてはいる。こうたはそれについていく。
中には、なにか見覚えのある方がいた。
「君が、神野こうたかい?」
偉そうに座りながら、一人の男が訪ねてきた。
周りには黒スーツをきた強そうな男がいた。
「え、え~。なんか、すごいですね。こんなん漫画とかでしか見たことないな」
偉そうな男は、少し微笑みながら、スーツの男に指示をだして、呟くように言った。
「君は、政治などに興味はあるかい?」
唐突の質問に対して、こうたは驚きながらも慎重に応える。
「えーっと、興味があるというか、政治のことは、よく知ってるー?みたいな感じですかね」
こうたは背中に、変な汗をかきながらも、着実と質問に答えていった。
腕時計をみながら焦るこうた。
「すいません。はやくしてくれませんか?家族が家で待ってるんですよ」
少し強めの口調になって、先生はこうたに怒鳴った。
「やめなさい!」
ただしこうたは止まらずに
「単刀直入に言ってください。こんなわけわからないところ、連れてきて、回りくどい質問ばかりして」
偉そうな男は厚着を脱いでいう。
こうたと男の目があった。
「あ、あなたは⁉」
「すまなかったね、神野こうた君、ぜひ我々に協力してくれないかい?」




