原典
リアンが牢獄の執務室に戻った。両腕に抱える程度の白い箱を持っていて、それをゆっくりと木製の机の上に置いた。重かったからか、ふう、と息を吐く。
この部屋にいるのは限られた人間だけだった。私と辺境伯、リアン、エリカ、そしてジャック・ターナー。ターナーは牢から出されていた。さすがに原典を牢で見るわけにもいかないとして、辺境伯が許可したのだ。
みな、箱を取り囲むようにして座っている。ターナー以外の表情は大体一緒で、難解な芸術を見るような顔をして箱を凝視していた。箱は磨かれた白い石で出来たもので、全く平面だ。凹凸がない。
外は夜の帳が下りている。開いた窓からは、夏にしては冷ややかな空気が入ってきていた。
「これが原典か?」
辺境伯が尋ねるとターナーは首を横に振り、箱を触り始めた。目に見えない少しの切れ目を見つけ、それを順番に押し込むのを繰り返すと、箱の一部が開く。仕掛け箱だったらしい。
中から出てきたのは、また箱だった。土産物の自鳴琴程度の大きさで、乳白色であり、布製か革製のように見える。いくつかの異なる素材が使われていて、質感の違いで作られた格子柄が連なっていた。いわゆる、木画の手法だろう。
「この箱は、神の御母カレーディアの頬と額を貼り合わせて作られていると言われています」
ターナーによって、ゆっくりと蓋が外される。
「……本じゃない」
エリカが呟く。
中に入っていたのは、首飾りだった。
紐は、艶がある。亜麻色だ。装飾部分は円柱型をしていて、ちょうど人差し指ほどの太さと長さ。上下に金の装飾が施されており、文字とも紋様とも取れるものが、柱をぐるりと一周するように彫られているが、非常に細かくてあまり見えない。金の装飾に挟まれて硝子室がある。中にあるのは、赤褐色の塊。
「これが原典なのか……? 想像と随分違う……」
私が問うと、ターナーは頷く。
「原典には2つある。1つは紙藺で出来た本状の原典。敢えて言うなら読みやすくしたもので、詩と共に絵が描かれている。歴代の教皇が肌身離さず持っていたが、実のところ、本状のものは使徒ザネリが作った副書だ。そしてもう一つは、大元と言うべき聖遺物。それが、首飾り状の原典だ。紐は神の頭髪で、硝子の中には神の血が入っている」
「何故、そんなものを持っている? 教皇の養子とは言え、正教軍予備役の中尉で、しかも普段は文官、それもたかだか代筆役だろ」
そう言うと、ターナーは困ったように頭を掻いた。
「そうだね。詳しく説明したいところなのだが……、情けない話、私にもよく分からないんだ。本来であれば原典は、大白亜にある廟の奥深くに眠っているはずのもの。存在を知る者すら乏しい」
大白亜にある廟とは、馬廟の事だろう。地下深くにあり、幾つもの扉を経て、そこにある。教皇か王くらいしか足を踏み入れることを許可されていない。
「よく分からない、とは……。理由もわからず原典を持っているってことか?」
「確かに私は、原典を読みたいという不純な目的でクリストフ五世に近寄り、裾を引っ張って、拾ってくれと懇願した。それは9つの時だったかな」
ターナーは、こう続ける。
貧しい農村に生まれた彼には、原典が何なのかはよく知らなかったのだという。ただ、神が書いた本だという事だけは知っていたから、これに神の生活や思いが記してある、つまり日記や手記のようなものなのだと幼きターナーは思ったそうだ。
彼は歳の離れた姉と2人で暮らしていたらしい。両親はどこに行ったか知らないと言う。
ある日、姉に熱が出た。うなされる姉は、神と話をしたと度々言っていた。
やがて姉は死んだ。
純朴で幼いターナーは姉と神は一体何を話したのか、どうしても気になった。そしてそれが、原典に記してあるのだと勘違いした。
一方で、故郷の農村には神官が出入りしていた。それが、クリストフ五世だ。
王国西部の教会を行脚しながら管理していたので、3節に1回ほどはターナーの故郷に顔を出していたのだと言う。正教会に知り合いなどいないターナーは、何度か見たことのあったこの男に縋った。
「当時、クリストフ5世は神官ジェイデン・ターナーだった。原典など持っているわけがないが、それを知る私ではなかった。だが、彼は素行が悪いことでも有名でね。願いが叶わず私が泣いていると『よし、待ってろ』と言って、数日後にはあっさりと原典を持ってきた」
そして『教皇をしこたま脅してやった』と言って豪快に笑ったのだそうだ。
ちなみに脅しのネタは『藪で聖歌隊の男子のブツをしゃぶっていたのをバラす』といったもので、後ろで聞いていたエリカはドン引きしていた。私と辺境伯が、正教会ではよくある事だとフォローすると、震えるほどドン引きしていた。
少年性愛は火炙りだ。さて、選択肢は二つ。燃やされた上に汚名を永遠のものにするか、大人しく原典を見せて今まで通り教皇を続けるか。彼は後者を選んだ。
しかし待望の原典は、残念ながら日記でも手記でもなかった。それは41の詩で出来ていて、この世界の道筋を示していた。ターナーは愕然とした。こんなものが読みたかったわけではない。
ただ、姉と神の会話の内容は、その後クリストフ五世から教えてもらったのだと言う。それを聞いて、彼は神を敬い、神のために生きることを誓った。果たしてそれがどんな内容の話なのかは、残念ながら私たちには教えてもらえなかった。
「長らく私は本状の原典を、本物の原典だと思っていた。それが違うことを知ったのは、つい半年ほど前だ」
ターナーはある日突然、教皇クリストフ5世に呼び出され、共に廟に赴くことになった。前を行く教皇の歩みは、非常に急いでいるように感じたらしい。
廟に着くとあまり説明なく原典をひょいと渡された。ターナーが『教皇の座を自分に明け渡すつもりか?』と問うと、誰にも渡すものかと首を横に振った。
そしてクリストフ五世は、神聖な祭壇に図々しく腰掛け、喫煙具に葉をぎゅうぎゅうと詰め、魔法で火をつけ、呆れたようにこう言った。我儘な神がお前に渡せと言い張って聞かない、と。
「教皇様って、結構やんちゃな方なんですね……?」
エリカが呆気に取られた顔で問うので、ため息混じりに頷く。
クリストフ五世は、いわゆる生臭坊主だ。整えていない髭に、無骨な顔つき、傷だらけの体と、岩のような手。表情は乏しく、滅多に笑わない。が、冗談は好み、社交的で女好きだった。貧民街から学園に向かう途中、何本も煙草を勧めて来たのを思い出す。どうせしばらく吸えないだろう、と言って。
あの男の鞄の中には、綺麗に磨かれた幾つかの聖具と、酒瓶、喫煙具、煙草葉、謎に分厚い官能小説、フリントロック式の拳銃、それと弾丸が入っていた。拳銃は大変珍しいもので、今はもう作れる者は残っていないとヤツは言っていた。製造の全ては瘴気の中らしい。
学園までの旅はなかなかに過酷だった。途中、魔物や賊が関わった事件を知れば『キャロルの力を知りたい』といって、よく打って出たものだ。
ヤツは祈りの言葉と共に銃をぶっ放し、私は独学で身につけていたひよっこ魔法で応戦した。その時、私の詠唱を馬鹿にされたのを思い出すと、今でも怒りで机を叩きたくなる。私が滅多に詠唱を使わない理由の4割がこれだ。
結局、王都に到着したのは貧民街を出て3節後だった。普通は10日で到着する。馬鹿だ。阿呆だ。
だが、あの男の人間力は本物だった。だから教皇になったと知った時は、特に不思議とも思わなかった。人格的に不相応だろ、とは思ったが。
クリストフ五世と最後に会ったのは、霞竜フィリーを倒した後、正教会により処分がくだって第五聖女隊が解体された時だった。それ以来会っていない。ヤツは日蝕の日にも、姿を現していない。あの時、命令を無視して故郷に赴いた私を見損なったのだろう、と私は勝手に思っている。
辺境伯が髭をさすりながら、怪訝な顔で言う。
「しっかし、こんな大層な物を貴殿に持ち歩かせて、野盗にでも盗まれたらどうするつもりじゃ」
「原典は有るべき所に行きます。盗まれても、紛失しても、例え海の底に沈もうとも、必ず有るべき所へ辿り着く。それは原典自体にも記載されています」
私は原典を指差す。
「……触ってみても?」
ターナーが頷いたので持ち上げようとすると、辺境伯が囁くように言う。
「そ、そっと、そ〜っとだぞ……、リトル・キャロル」
持ってみると、見かけ通りに軽い。顔を近づけ、金に刻まれている文字を読もうとしてみた。それはまるで砂粒を一つ一つ並べて書かれているような細かさで、読もうにも読めない。気を利かせて辺境伯が拡大鏡を渡してくれたが、今度は書かれている言語が分からない。
「悔しいな。言語は勉強してきたはずなのに読めない。私のこれとも随分と違う」
袖を捲って、一部を見せる。原典を元とした絵や紋様、祈りの言葉、呪文が合わさった入墨だ。
「その入墨は、あくまで原典とは別物だ。聖女の体に入れるものとして、使徒ザネリが図案化したものだと聞かされているよ。……キャロル、君は原典の内容をどこまで知っている?」
「原典とは、41の詩だ。原典についての説明が3篇。世界の成り立ちが3篇。魔法の成り立ちが1篇。世界の誕生から今日までの歴史が33篇。そしてこれからの歴史についてが1篇」
いわゆる古代の預言書のようなものだ、と私は理解している。現に原典に書かれている筋通りに、歴史は歩みを進めている。
私の知る限り、詩は簡潔だ。例えば、瘴気が発生した所に関しては、20篇の『海原の上、霧となって病現る』とだけ書かれている。聖女に関する記述の一つ前は狭災に纏わることで『人抗う所、霧迫り五つの国となる』。これが40篇。その後聖女が生まれ、光の聖女が導き、瘴気を祓う。『蝕起きて五人の聖女現る時、世界の太平成る』。これが41篇で最後の詩だ。ここから先は存在しない。
「よく勉強している」
「……私が学んで知った原典と、ジャック・ターナーの知る原典との違いはあるか?」
「あるには、ある。世界の成り立ちと、魔法の成り立ちの部分だ」
ターナーは続ける。
「その部分は正教会の枠を超えて、民衆の間で口承されているからね。それ故に、原典に書かれているものと若干の齟齬が生じている。ただ、大きな違いはない」
「他には……?」
「他は、君が勉強した通りだと思う」
「……だとすると、私に関する記載はないのか」
「うん。腐食の力に関する記述は無い。副書の聖女に関する頁には、4つの元素をもつ少女達と、彼女たちを導く、白い翼を生やした少女が描かれている。あとは魔物たちの死骸と、目が冴える程に真っ赤な海と大地だけだ」
──そうか。原典にも書かれていないか。
思わず少しの溜息が出て、肩の力が抜けた。
「……やれやれ。時折、自分が怖くなるよ。何なんだろうな、私は」
話を聞いていたみなも緊張が解けたのか、そわそわとし始めた。さらに少しの間をおいて、私だけではなく辺境伯にも溜息が出た。
「う〜む。そうか……。何らかあるかと思って期待したのだがのう……。そうかぁ……」
辺境伯が腕を組んで、椅子にもたれた。ぎしりという音が、寂しく響く。
ここでリアンが、焦ったように切り出す。
「しかし、キャロルは石剣を抜いたんです。あれは普通ではないと思います」
「それについては、記録が無いわけではない。500年ほど前、大白亜に突如、生樋嘴の群れが飛来した」
生樋嘴とは、人と蝙蝠をないまぜにしたような形の、体が石で出来ている魔物だ。
「その時、生樋嘴を撃退するために一人の少女が石剣を振るったという話がある。当時、彼女は聖女だと噂されたが、それ以来特に力を発揮することがなかった」
その話なら、私も知っている。当時、その少女が赤い羽織物を纏っていたことから『赤い偽聖女』と呼ばれている事件だ。
「文献によると、その時、彼女は危機的な状況に陥っていた。神が特別に剣を使うのをお許し下さったんだと思うよ」
「で、では日蝕の日に女神像を腐らせたのは、どう説明しますか?」
「元より腐食の力が、特異体質としてあった可能性が高い」
特異体質は珍しいが、ない訳ではない。王国の歴史の中では、透視が出来る者がいたり、空を飛べる者がいた。
ターナーは私を見て、言う。
「実は、原典に腐食の力に関する記載がない事は知っていた。君が思い悩んでいると感じて、実際に見て、手に取れば納得してもらえるかなと考えたのだが、どうかな」
「なんだか、申し訳ないな。気を使わせてしまって」
「根拠は全くないものの……、例えば、原典に触れる事で何かしらの神秘が起きないかとも思ったのだが……」
私は原典を見る。特に変わった様子は見られない。
「その気持ちだけで十分嬉しい。貴重なものを見せてもらった。ありがとう」
首飾りを箱に仕舞おうとした時、辺境伯が不平不満でも言うようにして、腕を組みながらぶつぶつと話し始めた。
「だがなぁ……。リトル・キャロルは、全く普通ではない。生命を操る。確かに特異体質という可能性も否定はせんが、それがどうしても、老人の勘がもうちょい疑れと叫んでおるのよ。聖女が生まれた日に、たまたま体質が覚醒して、たまたま女神像を溶かすなんて事があろうか……」
「生命を操る……?」
ターナーが辺境伯を見た。
「そうじゃ。そうじゃろ?」
辺境伯が私に問いかける。私は煙草を一本出して火をつけていた。
「ん? ああ。私が女神像を腐らせたのは、菌糸だ」
「菌糸……」
ターナーは顎に手を当てて考え込んでしまった。
沈黙が流れる中、私は灰皿に灰を落とす。
30秒ほど経ったろうか。突然ターナーが溜息を吐くようにして、少し呻いた。
「あ、ああ……」
深い呻きだった。例えば、親の死を目の前にして出るような、そんな嘆きにも似た呻きだった。
「そうか、菌糸。あの女神像を溶かしたのは、腐朽菌の酵素なのか。ああ……、全く、どうしてそれに気が付かなかった……。ああ、そうか……。そうだったのか……」
ターナーの瞳が震えて揺れている。顔から血の気が引いていき、青白く変わる。そして狂人のように顔を手で押さえ始めた。
「私の責任だ。原典の内容を知っていた、私の責任だ。取り返しのつかない事をしてしまった。私がその場で菌糸だと気づいていれば、ヴィルヘルムに正教会を握られることは無かった……。神殺しを止めることが出来た……!」
肩で息をしている。一気に汗が出たのか、顎から雫が滴っていて、目の周りに暗く影が出来ていた。乱れた髪の隙間から見える小さくなった琥珀の瞳が、揺れながらも力強く私の目を捉えている。
エリカも、リアンも、黙っていた。言葉など発せない張り詰めた空気がこの場を支配していた。
私も一言も喋れなかった。ターナーの、その酷い動揺の仕方に不安を覚えていた。言葉にし難い、強い不安だ。──今からなにか、自分の運命を変える事が起きる。彼の透き通った美しい瞳が、一瞬にして気狂いのそれへと変貌したのを見て、そう漠然と思ったのだ。
「ヴィルヘルム・マーシャルに正教会を握られたとは、どういう……」
ターナーは辺境伯の疑問を掌で制して、話を始める。その声はひどく震えて、掠れていた。
「リトル・キャロル……。さっき言ったことを覚えているか」
「え?」
「魔法の成り立ちの部分は、今広く知れ渡っているものと、原典の記載と、ほんの少しの齟齬が生じている。君は、魔法とはどのようなものだと習った……?」
「……火、水、風、土、そして光と闇がある」
「それで……?」
「……それぞれ、『サラマンダー』『ウンディーネ』『シルフ』『ノーム』『スプライト』『リリス』という精霊が司っている。精霊は空間に無数に漂い、目には見えない」
「そうだ……」
「餌は魔力だ。魔力は人間や魔物などの動物にしか作れない。だから私たちが魔力を生み出し、それを分け与える代わりに、彼らの力を借りる」
「そう……」
「魔法は『四大元素』と『陰陽』から成る」
「そこだ……。そこが、原典で書かれるものと、少しだけ、ほんの少しだけ、違う……」
「違うって、どういう……」
「火の魔法、水の魔法、風の魔法、土の魔法は『サラマンダー』『ウンディーネ』『シルフィード』『ノーム』から力を借りるものであり、光の魔法と闇の魔法は、対となる存在を根源に形を成すものである……」
シルフがシルフィードになっている以外、変わらない。名称が古いだけで、同一の存在だ。
「そして、対となる存在とは──」
「つまり、陰陽の力だろ……? 太陽と月。スプライトは太陽の精霊、リリスは月の精霊だ」
「原典では、そうではない」
ターナーは私から目を逸らさずに続ける。
「光は生命の力から生み出され、闇は死の力から生み出される。──魔法とは『四大元素』と『生と死』から成る」
私は目を見開いた。
心臓の鼓動が、強く、私の体を打つ。血潮の音がざあざあと鳴っている。丹田のあたりが、熱い。頭痛までしてきた。側頭部、顳顬の辺りを手で押さえる。
「陰陽は……。太陽と月は……?」
「記述がない。『生と死』の概念は、長い歴史の中で次第に『陰陽』へと置き換わった」
置き換わった? 光の魔法は太陽の熱であり、闇の魔法は月の引力である。これが常識だ。だが、それは置き換わった理論で、本来は『生と死』?
「なぜ、置き換わった……」
「単純だ。その方が、教えとして分かりやすかったからだ。昼は明るく、夜は暗い。人は容易な方向に理解を進める」
光の魔法は雷で敵を穿ち、光柱で敵を焼く。闇の魔法は重力や呪い、血刃で敵を屠る。その根元は本来、『命が生まれようとする暖かな光』と『死が与える悲しみや恨みの闇』だと、そう言っているのか。
ならば、スプライトは『生の精霊』、リリスは『死の精霊』。スプライトが与えているのは生命の力。それを人間が太陽の力だと勘違いして使用している。
私が扱えるのは、生命の力。即ち、光の魔法の核──。
私はこの『生命の力』を複雑で説明がつかないと、自分の中で消化しきれなかった。
しかし、『生命』が細胞の集合体で、魔法的に複雑なものだとしても──。
『水』が酸素と水素の化合物であるように、『火』が物質の急激な酸化であるように、『風』が気圧の不均一であるように、『土』が鉱物の塵と生物の死骸の混合物であるように──。
精霊が司るのなら、基準として成立する。
──まさか。
原典にある翼を生やした少女とは、まさか、今後、菌糸が樹木となったように、より複雑な生命へと力が成長するのか。それが、鳥の翼をも生み出すのか。
全てが繋がった。今この瞬間、私は何者であるのか、何のために生まれたのかを理解した。
「リトル・キャロル。間違えているのは正教会だ。──やはり、君は光の聖女なんだよ」
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