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聖女(前)

 

 天に太白(たいはく)が光る。風は南南西から強めに吹いて、木々を揺らしていた。


 焔聖は馬宿で借りた駿馬(しゅんめ)(またが)り、風と共に街道を()ける。主人が言うに、この黒い馬はシュリと名付けられているらしい。


 ニスモはまた1人で旅に出た。だけれど、今までとは心持ちが違う。運命に(ただ)れた心に鬱屈はなく、代わりに淡く煌めく決意と、()()()()()が胸にあった。


 ──正教会を離反して輝聖と共に世界を救うか。もしくは教皇の味方をし、輝聖と対峙(たいじ)するか。


 決めた。答えは、そのどちらでもない。


 まず初めにやらなければならないのは、エリカとかいう少女に、心からの()びを入れることだ。一瞬でも、キャロルの破滅を望み、この子がいなければと考えてしまった、その心の弱さが彼女を傷つけたのだと思う。


 それから、輝聖と対話をしてみるつもりだ。たとえ彼女の強さを前に自分の弱さが際立っても、堪えたい。手を取り合える部分を探して、そうするよう努力する。そして、聖女としての役目を果たす。クララの為に、優しい世界を作る聖女の1人でありたい。


 新しい教えを作ろうとする王の考えは危険だ。だから正教会は離反しない。でも、輝聖を理解しようと挑戦はする。これが答えだ。


 恐らく、輝聖は既に大白亜に到着しているだろうと思う。急ぎ、聖都アルジャンナに向かおう。早く、風よりも早く。


(──クララが笑って過ごせる世界を作りたい。心から幸せだと思える世界を)


 世界から瘴気が消えたら、クララと会うんだ。そして祭りへと繰り出して、今日のように楽しい1日を過ごす。次の日も、その次の日も、自由な日々が続いている。心穏やかなまま楽しく暮らそう。


 実は、やってみたい事が沢山がある。例えば魚釣りをしてみたい。船で沖まで出て、釣れなければ波に揺られて気儘(きまま)に過ごす。他には、各地で劇を見てみたい。そして2人で今日の演目はどうだったとか、あの俳優は演技がどうだったとか、語り合いたい。


 そして、クララには話そう。子供の頃から踊りが好きで、本当は踊り子になりたかった事を。姉と見た劇は今でも覚えている。あれは、恐らくはリュカが生まれる前から存在する演目だ。まだ神が複数いると信じられた時代、古代の女王が葡萄酒の神に()せられて踊り狂う。あの美しさといったら、なかった。私もあんな美しい存在になりたいと思った。


 とにかく、クララと過ごす世界には瘴気も魔物も必要ない。そして私には、それを消し去る力が備わっている。やる事は明白だった。


 芽生えた希望。止まっていた時が動き出した。僅か、自分に変化の(きざ)しを感じる。それは今までにない活力となって、常に青白かったニスモの頬を桃色に染めた。星明かりは髪を撫でて、生き生きと赤の色を輝かせた。


 □□


 教皇領領境(りょうきょう)関所(せきしょ)まで続く坂道の途中。ニスモは異変を感じて馬を止めた。


 門の前に門番がいない。普段であれば門の前には2人か3人か居て、多少の問答があった後に開門、だが、誰1人としていない。


 妙な気がしたので近づくべきか迷っていると、門扉の上、胸壁(きょうへき)で何かがキラリと光った。ニスモは馬から降りて、目立たぬよう身を屈める。そのまま音を立てぬよう慎重に馬を引き、街道を逸れて、木々の陰に隠れた。今光ったように見えたのは、銃口ないしは(やじり)である。


「どういう事……?」


 第一聖女隊と共に大白亜へと向かった時は何の問題もなく領に入れたものだが。こうした封鎖は戦乱の最中か、もしくは大罪人が逃亡した時くらいにしか、例がないものと思う。


「私が倒れている間に、何があった……?」


 ニスモは関所を避け、森を経由して教皇領に忍び込んだ。そこからはまた馬に跨り、原を駆ける。闇に紛れて大白亜へと向かう。


(何故、門を固く閉ざしていたのだろう。アルベルト二世が何者も入れるなと命じたのか)


 手綱を(しご)く。


(関所にいるはずの正教軍も王の命令に従って教皇領を閉ざしたのか。いや、流石に兵も疑問に思うはず)


 正教軍は()くまで正教会の軍である。


(──何かがおかしい)


 ニスモは頭の中で状況を振り返る。


(ヴィルヘルムは『大白亜を護れ』と第一聖女隊に命を出した。私とセルピコはその命を『大白亜を占拠しようとするアルベルト二世を近づかせるな』という意味だと捉えた。そして、私たちは間に合わなかったのだと思った)


 それは本当に正しいのか。他の線は考えられないか。 

(でも、第一聖女隊は勅書(ちょくしょ)が届いてからすぐに王都を発ち、道程にも遅れはなかった)


 ヴィルヘルムが王を警戒して第一聖女隊を動かしたのであれば、(めい)を出す頃合いが遅すぎる。正教軍の長だった将がこのような失策を犯すとは考えにくい。耄碌(もうろく)したなら話は別だが。


(ヴィルヘルムは既にアルベルト二世が大白亜に入ったと分かった上で、私たちにそこを護れと命じた?)


 不可解だ。何故だろう。


(可能性があるとしたら、何か別の敵が大白亜に対して攻撃を──)


 (ひらめ)き、ニスモは目を見開く。


(王だ。王に対して、何らかの敵意が向けられていた。それを教皇が知っていたんだ)


 ヴィルヘルムは私に王を護らせたかった? しかし、王は輝聖を庇護(ひご)しようしているから、彼にとっては敵のはず。自身の野望達成のため、老王(ろうおう)には利用価値があると考えているのか、恩を売って懐柔(かいじゅう)するつもりか、王家が混沌とすれば輝聖が存在感を強めると考えてか。今思いつく理由はそれくらいだが……。


(何にせよ、詳しく文に記してくれれば──)


 いや、違う。書けなかった理由があると考えた方が自然だ。


 ヴィルヘルムはアルベルト二世の命により南方へ説法に行った。王はヴィルヘルムを疑っているから、禁軍も同行させているだろう。書簡にも検閲(けんえつ)があるものと思う。


(禁軍に王が狙われている事が知られるとまずかった?)


 教皇が大白亜や魚肚白社(ぎょとはくしゃ)に不在の間、聖女に留守を守らせるのは自然な話だ。南方行きが急な事なら尚更(なおさら)勅書で急がせる必要があるし、検閲を担当する程度の兵ならば納得もするだろう。一兵卒(いっぺいそつ)もまさか王が大白亜を占拠しているとは思うまい。


 だが、大白亜に王がいて、命が狙われていると単刀直入に書いてしまえば、それは大事。一兵卒も焦り、上官に報告するだろう。その後、この勅書が何者かに握り潰されてしまう可能性がある事を、ヴィルヘルムは危惧(きぐ)した。


 つまりニスモが思うに、王に(あだ)なす者は禁軍か、禁軍を率いる事が出来る者、即ち──。


(──王族)


 下克上(レジサイド)だ。国が荒れる。全土で激しい戦も起きるかも知れない。クララが巻き込まれることを想像したら、気が(はや)った。


「急ぐよ、シュリ!」


 馬の首を押し、さらに加速する。馬は力強く地を蹴り、土の塊を弾きながら闇を駆けた。


 □□


 聖都アルジャンナの程近く、緑の芽が出たばかりの麦畑、その古い小屋に馬を隠した。泡を吹く馬の頬を優しく撫でて、ニスモは言う。


「よく頑張って走ってくれた。ここで待ってて。必ず戻るから」


 顔を抱きしめ、鼻に口付けをして別れる。


 聖都に入り、忍んだ。前に来た時と同じで禁軍兵士が警邏(けいら)しているが、正教軍の姿は見当たらない。その事に気を揉みながら、坂を上り大白亜を目指す。


 思っていた通り『大山門』も閉ざされていた。崖を登り、門を経由せずに大白亜へと入る。そして王がいるであろう、カレーディア大聖堂の裏へと回った。(にれ)の木を()じ登り、硝子窓を割る。そして、大聖堂の中へと侵入。


 降り立ったのは2階、ニスモに与えられていた客室であった。セルピコが綺麗さっぱり片付けて部屋には何1つない。(まと)わりつくような静寂の中、ニスモは息を吐いて、汗で頬に張り付いた髪を払った。部屋の扉の先で何か嫌な気配がしていた。


(──香に混ざって、血の臭いがする)


 そっと、扉を開ける。廊下、まず目に飛び込んできたのは下女(げじょ)の亡骸だった。壁に寄りかかるようにして倒れていて、尻の下には血溜まりが出来ている。倒れているのは1人ではなく、少し離れた場所に下女がもう1人と、兵士が1人。状況を見るに、彼女達を逃そうとしたが、ここで追い詰められて斬られたらしい。


 ニスモは軽く十字を切り、兵の側に転がっていた剣を手にする。そして、物音を立てぬよう、王の座していた礼拝堂へ続く螺旋(らせん)階段を、ゆっくりと降りる。


 降り立ってすぐの側廊(そでろう)、大理石の床には血まみれの男が倒れていた。服装を見るに禁軍文官である。前にこの大聖堂へと到着した時に、迎え入れてくれた文官かも知れない。


 ニスモは巨大な祭壇へと目を()る。無数の燭台に照らされる玉座の前、何者かが倒れている。鎧を切り裂かれ、助けを求めるようにして右手を前に出し、そのまま事切れているようだった。


「アルベルト二世」


 血溜まりに、王冠。微動だにしない体。


 ──死んでいる。


 ニスモは青い顔で祭壇に寄る。すると、礼拝者用の長椅子に座っていた男が(おもむろ)に立ち上がり、前装式銃(マスケット)を構えて、ニスモに向けて発砲した。そこに人がいるとは考えていなかったニスモは、反応に遅れて肩を撃ち抜かれた。だが血は出ず、バチンと火花が散った後にゴオと火が上った。聖女の体の特異である。


「……そうだな。やはり人ではない。お前達は(けが)らわしい魔物だ」


 男は長身であった。ニスモが見るところ、6(フィート)3(インチ)(190㎝)。燭台(しょくだい)の灯りに浮く細く繊細な髪は、美しく金に輝いていた。声は優しげであるが、太く、低い所に響きがある。


 ──誰?


 ニスモは肩の傷を魔法で治しながら、眉間に皺を寄せてその者をよく見る。


 瞳の色は氷のように澄んだ藍緑色(ターコイズ)、王族の証。凛々(りり)しい顔つきではあるが、どこか哀愁(あいしゅう)のようなものがある。金の髪は背の方でゆるりと三つ編みに垂らしており、青い飾り紐(リボン)がちらりと見えた。金糸と銀糸の刺繍が入った縹色(はなだいろ)胴着(コート)は、大いに返り血を浴びて、美しさも清潔さも失っている。


 ニスモは記憶を掘り起こす。この男を見た事がある気がしてきた。確か、何度か王城に呼ばれた際に、謁見室に同席していたはず。王とは離れて立ち、時折、(さげす)むような目で己ら聖女達を見ていた。その男の名は──。


「──エリック。第一王子、エリック」


「そうだ。覚えていてくれたとは光栄だな、火の聖女ニスモ・フランベルジュ」


 エリックは前装式銃(マスケット)に弾を詰め込み始める。その仕草には焦りであるとか、動揺であるとか、そうした不安定な様はなかった。まるで訓練中であるかのように銃口に火薬と弾を入れ、さり気なく槊杖(かるか)で押し込む。


「まさか、王はあなたが」


「うん、(しい)(たてまつ)った。老いは怖い。これは狂ってしまった」


 弾を詰め終わると銃を構えて、何の躊躇(ちゅうちょ)もなく引き金を引いた。エリックの手元でしゅうと火が吹き、それから弾が放たれる。


「……!」


 ニスモは掌に防護壁(バリヤー)を纏って迫る弾丸を掴んでみせた。2度も銃弾を食らうニスモではないが、しかし、つきんと手が痛んだ。握りしめた拳から、血がぼたぼたと落ちる。様子がおかしい。──硬く握りしめた拳を開くと、青い宝石の弾丸があった。


 それを見て、直感した。この奇妙な弾は、川辺で撃ち込まれた弾と同じだと。


「お前ら聖女は人ではない。魔物なのだ。全てを狂わせ、破滅に追いやる。俺は、聖女をそういうものとして(とら)えている」


 エリックは氷のように冷えた瞳で、焔聖の赤い瞳をじっと見ていた。ニスモはその静かな圧に(かげ)りのない決意を感じ、持っていた剣を構える。──この男、私を殺す気だ。


「聖女はこの世界にとって、騒擾(そうじょう)の元だ。新たなる力は新たなる火種を作る。そして、新たなる不幸を生んでしまう」


 ニスモも決意を固めた。王族とは言え、向かってくるなら容赦はしない。どの道、王を殺したのであれば倒さねばならぬのだ。


 さて、(けん)を切り、動きを止めて、何とか生け取りに出来ればよいが、果たしてどうか。


 エリックは武芸に秀でると聞く。王城で行われた武芸試合では負けを知らないらしい。


「焔聖」


 銃はもう長椅子に置いていて、剣は腰に下げている。短剣などは忍ばせているか、投げ小刀(ナイフ)などはないか。エリックはどう攻めてくる。


「先程から、俺を倒す事だけを考えているようだな。──俺はお前の話をしているのだぞ」


 エリックの見透かしたような発言と、その()てつく瞳に、ニスモの思考は一瞬止まった。


「お前は破滅を作っている自覚がないのか? お前は、お前の運命に巻き込まれて死んだ人間を、忘れてしまったのか?」


「何……?」


「姉であるジャンヌ・フランベルジュも忘れたのか?」


 ニスモは目を見開く。断頭台(だんとうだい)の地獄を思い出した。一瞬で、崩れるように、動揺した。


「王都に来てからも、お前は幼稚(ようち)なままだった。誰も信用する事ができず、いつも孤独でいようとし、周りを不幸にしている。そんな女が世界を救う聖女だと?」


 ──私は、周りを不幸にしている。


 胸に傷を負い、街道で倒れた時に、確かにそう思った。私は炎だから、周りの全てを焼いて傷つけてしまう。だから、死んでしまった方が良いのだと。


「違う……」


 今は認めたくなかった。確かに人を傷つけて来たかも知れないけれど、私はクララに出会って変わろうとしている。上手く表現出来ないが、それがたまらなく嬉しい。嫌いな自分から脱せられる気がして。


「何が違う。王家には常に正しい情報がある。学園からも忖度(そんたく)のない報告を受けている」


 ニスモは怯えた目で首を横に振った。


「違うっ。わ、私は、そんな自分から変わりたい。変わろうと思っているんだ!」


「変わりたい? 変わって、他人に好まれる人間になるのか? まさか、人に愛されたいのか? そうだとしたら、烏滸(おこ)がましいと思わないのか? お前、自分を普通の人間だと思っていないか?」


「え……?」


「お前などはこの世で最も穢れた女だ。いいや、お前だけではない。聖女全員が穢れた人間だ。俺は、全てを知っているぞ」


 氷の瞳が、ゆらりと揺れた気がした。動揺から鼓動で体が振れて、そう見せた。


海聖(かいせい)の生まれ故郷は滅び、幾つもの尊い命が失われた。隣国カタロニアでは戦士や民が死に続け、陸聖(りくせい)を含む王家を守る。ファルコニア伯爵領では、優秀な少女が次々に殺められて、ついに空聖(くうせい)は聖女の座を手にした。輝聖(きせい)は故郷の人間を殺めた。──そしてお前は、お前を愛していた姉を殺した」


 ニスモは震える手で、もう1度剣の()を握り直した。この男の話を聞いてはいけない。早く、斬りかからなきゃいけない。そう思っているのに、体が動かない。


「これらの犠牲は、全て聖女の為だ。聖女の運命に巻き込まれて、1人1人の人生は(はかな)くなり、全員が不幸のままに死んでいった」


 こんな話、聞いてはいけない。


「──聖女は全てを不幸にさせる。友も、肉親さえも。そして、愛する姉さえもだ」


「違う! 私は、バーダー家に命令されて、仕方なく姉さんを……」


「命令されて仕方がなかった? 王家には常に正しい情報があると言っているだろう。俺は真実を知っているんだよ」


 エリックは冷たい顔で続ける。


「アッテンボロー家の処刑は正教会によって(くら)まされ、多くの者は真実を知らない。だが、その全ては詳しく記録に残っている。処刑された者の名前。その素性。処刑された時間。処刑される前に発した言葉。公爵家の書記官が事細かに記録していたんだよ」


 ニスモは表情を崩す。今にも泣きそうな顔だった。


「午前5時。ジャンヌ・フランベルジュが断頭台の上で言ったことを、お前は覚えていないのか?」


「言わないで……」


「確か、記録にはこう書いてあった」


「お願いだから、言わないで……」


「『どうか神様。お願いです。アッテンボロー家もバーダー家も、みんな殺してしまって下さい。私はどうなってもいいので、地獄に堕としてください』。民と無宿(ナッカー)に寄って私刑に遭い、彼女は茫然自失(ぼうぜんじしつ)のまま呟き続けていた」


「ねえ、やめて……。お願い……」


 景色が蘇る。掠れた姉の声。歓声、風の音。転がる死体、血と糞尿の臭い。曝け出された姉の脚には、股から血の伝った跡があった。


「記録によると、お前はジャンヌを(した)っていた。離れ離れになっても頻繁に会いに行く姿が目撃されていた。バーダー家はそれを黙認(もくにん)していた。お前にとってはジャンヌの存在が生き甲斐だったのを知っていたからだ。そしてジャンヌはお前を()()()にさせる哲学者だった」


「嫌だ……」


 細い首に斧を下した時の、骨を断ち切る感触が手に、そして腕に(よみがえ)る。力を入れても一思いに首を落とす事が出来なくて。何度も振り下ろし、4度目で成せた。歓声も耳に蘇る。喜びの聖歌も聞こえていた。


「彼女が断頭台に上がっても、2人で逃げ仰る事も出来たろう。混乱の最中だからな。手に持つ斧を振るい、魔法を使い、周りを振り切れば逃げられた。でも、お前はそれをしなかった」


「お願いだから、もう……」


 視界が滲む。何とか涙を噛み殺してみようと努力してみる。喉に力を入れて、声を潰す。鼻がつんと痛むが、堪える。


「──お前は、愛する姉が穢されたのを認められなくて、自分の意思で殺したんだろう?」

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