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⑼『揺れる花火』
⑼『揺れる花火』
㈠
揺れる花火であるが、そもそもが、花火は夏に見るものだろう。しかし、線香花火など、冬の公園でも、出来てしまうのである。それはともかく、実質的に、訳の分からない構造で、しかししっかりした、揺れる花火よ。
㈡
揺れる花火は、奇跡の塊の様であって、しかし、上空で華やかに彩られるのであるから、確かに、不可思議な構造ではある。何か、美しさを追求した結果、畢竟、それは芸術足りえたのだ。いや、足りえたではない、芸術なのだ。
㈢
揺れる花火を、どうか人を惑わさないでくれ、という言葉など、本来必要ないのである。無関心で居たければ、無関心で良い。しかし、揺れる花火は、人を無関心ではいられないように、巧妙に実存しているのであるから。




