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24週目.ゲームオーバー

「エリアヒール!」

俺は気絶しているみんなを回復させている。


怪我が凄いのはサイルバルタンとカヌマとセヌイだった。

一応近くで気絶していた悪魔族も拘束しておいた。

仲間だったら、後で謝ろう。


「うっ!」

ゴフェルの目が覚めた。


「大丈夫か?」

「ああ。ジャジャはコータが倒してくれたのか?」

「ジャジャ?」

「アクアプリズンスネークのことだ。島に居ただろ?」

「あー!なんか大量のウルフ型のモンスターにやられて消えたぞ?」

「ウルフ型?まさか!サイルバルタンはどこだ?」

ゴフェルは焦って周りを見渡した。


「サイルバルタンならここだよ。カヌマとセヌイと一緒に倒れてたから回復しといた。ものすごい怪我だったから焦ったぞ」

「近くに、近くにヴィルダーグは居なかったか?」

「ヴィルダーグ?こいつ?」

俺はサイルバルタン達と一緒に回収した悪魔族を指差した。


「ああ。そいつだ」

「こいつは何なんだ?」

「今回の襲撃の首謀者、嫉妬の悪魔ヴィルダーグだ」

「え?それでなんでこいつはボコボコにやられてんの?」

「たぶんだが、サイルバルタンが倒した」

「まじか?サイルバルタンが?」

「ああ。大量のウルフ型モンスターは憤怒の悪魔の召喚獣なんだ。だからコータが見たウルフ型はそれのはず」

ゴフェルはなぜか少し嬉しそうだった。


「まあ憶測じゃわからないし、みんなが起きたら確認しようぜ。敵さんも全員拘束してるからさ」

「ああ、そうだな」


俺は再度みんなに回復魔法をかけた。


▽ ▽ ▽



みんなが目を覚ました。


ユーサクも目を覚ました。

無事でまじで安心した。


「ユーサク!大丈夫だったか?」

「ああ。モンスターも悪魔族も結構倒したから、力にはなれはずだ」

「助かったよ!」

「さすがに悪魔族は粘着弾で拘束しただけだけどな」


やはり人に近いものを殺すのには抵抗があったみたいだ。

ユーサクが俺のように異世界の常識に染まっていないことに、俺は少し安心した。

「うん!ユーサクはこれでいい!」


俺はユーサクの方をポンと叩いた。

するとユーサクの身体は消えていった。


「え?あれ?どういうこと?」



▽ ▽ ▽



「ゲームオーバー!ダメージ量が一定値をオーバーしたので、『ディフィバース』の使用を終了しました。マスクを外しても問題ありません。また次の金曜日にお待ちしております」

アナウンスが流れた。


俺はマスクを外した。


「最強ではなかったのか」

俺は痛みを感じない身体だと思い込んでいたので、戦闘中に相手の攻撃を避けずに受け続けていた。


「最後はコータに倒されたみたいになったなー。にしてもあの倒され方はダサすぎる!」


時計を見てみると、結構な時間異世界に居たのにマスクを被り始めた時間から変わっていなかった。

「これなら仕事をしながらでも問題なく異世界に行けるな。『ディフィバース』は中々いいものだな」


ソファーにもたれかかる。

自分の手が震えているのに気付いた。

興奮していて気付いてなかったが、やはりモンスターを倒したり悪魔族と戦うことに恐怖を感じていたのかもしれない。



▽ ▽ ▽



「コータ。ユーサクはどこに行ったんだ?」

ゴフェルは俺に問いかけてきた。


「うーん。たぶん時間切れで元の世界に戻った」

俺は心配ではあったが、問題があった場合はクソ女神が出てくるはずだ。

それにあの消え方は、悪い消え方ではないはずだ。


「そうか。サイルバルタンが目を覚ましたから話を聞こうと思うのだが、コータも来るか?」

「ああ。行こうかな」


俺とゴフェルはサイルバルタンの元へ行った。



サイルバルタンとカヌマとセヌイの怪我はちゃんと治っているようで安心した。


「それで、何があったか話してくれるか?」

「は、はい!」


サイルバルタンは自分の身に何が起きたかを話し、カヌマとセヌイはヒーローの話をするかのように『憤怒の悪魔』を使ったサイルバルタンの話をした。


「なるほど……。意識はあったんだな」

「はい。ありました」

ゴフェルは何か納得いってない様子だ。


「前任の憤怒の悪魔は、サイルバルタンと同じように日常でスキルや魔法が使えなかった。だが激怒したときにだけ魔法やスキルが使えた。だが意識はなく、激怒した対象を完全に破壊するまで暴れ続けたんだ」

「でもゴフェル様、サイルバルタン様はヴィルダーグに攻撃をする前に俺とセヌイを安全な場所に運んでくださいましたよ?」

「そうです!」

「ちゃんと意識があったのか。わからぬ」

ゴフェルは頭を抱えた。


そのあともサイルバルタンは細かいことまで俺達に報告してくれた。


▽ ▽ ▽


ゴフェルと俺は今後について話した。


「それでどうするんだ?」

「ああ。とりあえず今日はこの島で一泊する。明日サイルバルタンとアビールを連れて、魔獣人族を保護している街まで飛んでくる」

「了解!俺はどうしようかな」

「ついてくるか?」

「うーん。それもありかな?」


話していると鍬形族のダザと蠍人族のピロがやってきた。

「ゴフェル様、少しいいですか?」

「構わないぞ」

ゴフェルは頷いた。


「もし可能でしたら、私達に戦闘訓練をしてもらえないでしょうか?」

「戦闘訓練?」

「はい。今回のようなことがあったときに、守られているだけじゃだめだと思ったのです。自衛ができるくらいには戦えるようになりたいのです」

「うーん。そうか」

ゴフェルは悩んでいた。


「あーじゃあそれ俺やるよ!」

俺は自分に向いた楽しそうなことを見つけた。


「ん?あれ?返事がない」

みんなの動きが止まっている。あいつが来ている。


「クソ女神!出てこい!」

俺は大声で言った。



「はーい!」

クソ女神はニコニコしながら目の前に現れた。

「ユーサクは無事か?」

「うん。ダメージが一定量を超えると元の世界に戻る仕組みになってるんだ!だから無事だよ」

「よかったー」

不安だった事が解決した。


「それで、何か用か?」

「ここでのお手伝いはそろそろ終わりかな」

「そうか。すぐに移動するのか?」

「お別れや戦闘訓練もあるだろうから次の石の日にしようか」

「わかった」

俺は頷いた。


「そういえばタイムイーターの繭はマジックアイテムにできた?」

「忘れてたわ。最初に1個作ってそれっきりだ。なかなか難しくて、効果も微妙だ。次までに何とか作れるようにしておく」

「うん!大変な作業だよねー!とりあえずその1個を見せてもらえる?」

俺はマジックアイテム化したタイムイーターの繭を渡した。


「うーん。なるほどね。こういうことが起きるのか」

「どうした?」

「ううん。こっちの話!」

クソ女神に何かをはぐらかされた。


「再生の繭、効果は治癒能力(高)・サイズ自動調整。治癒の代償に年齢が若くなるっていうのがなくなるのが理想だね」

「そうだな。今度はそれを意識して作ってみる」

「よろしくね」

クソ女神は俺に笑顔を向けた。


「とりあえず今日は帰るよー。また次の石の日に」

「ああ」

クソ女神はそういうと目の前から消えた。




「おお!いいのか?」

「ん?」

ゴフェルがいきなり話し出して俺は驚いた。


「虫人族の戦闘訓練をやってくれるんだろ?」

「ああ!任せてくれ。ただ俺もそろそろ帰らないといけない。だから次の石の日までになっちゃうがそれでもいいか?」

ゴフェルは俺の発言で、いろいろ察してくれたみたいだ。


「構わん!ダザとピロもそれでいいか?」

「「はい!お願いします!」」

2人は頭を下げた。


「他の島に戦闘訓練を受けたい虫人族が居たら連れてきてくれ!まとめて俺が最強軍団にしてやる」


俺はこの時代に居られる1週間で虫人族を強くすると決めた。


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