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23週目.タイムイーターの繭

夜部屋で寝ていると空気が変わった。


「もう来たのか」

ベッドの横にクソ女神が立っていた。


「早めにお願いしようかなーって」

「それで?何をすればいいんだ?」

「うん。その前に紹介したい友達が居るんだ」

「友達?」

「今回のお手伝いはその2人の依頼のようなものなんだ」


女神が手を叩くと、目の前に人が2人現れた。


1人はつんつんヘアで真っ黒な和服を着ている男性。

肌はうっすら青く、角が4本生えていた。


もう1人は白衣にメガネ姿の男性だ。

見た目は人間みたいだが、たぶん2人共違う。


「この2人は神なのか?」

「そうそう。デルマドクアとククーモだよ」


和服の男が前に出た。

「よろしくな!」

もの凄い元気な神様だった。


「…」

白衣の方は全く喋らない。


「それで俺は何をすれば?」

「ククーモ。渡してくれる?」


ククーモが無言で手を差し出してくる。

手の中には繭のようなものが数個入っていた。


「これは?」

「タイムイーターの繭だよ」

「タイムイーター?」

「食べたものの歳や経験や記憶などを栄養にするモンスターだよ」

「え?そんな危ないモンスターが?」

「だいぶ昔に絶滅したから、ユイちゃんが襲われることはないよ」

「そうか」

俺は安心した。


「それでこの繭をどうすれば?」

「繭に魔力を込めて、中に入ると回復する機能とサイズを変える機能を付けてほしいんだ」


俺は疑問に思った。

「ん?これをマジックアイテムにするってことか?」

「うん」

「いままではそっちが用意した人工物みたいなものに魔力を込めてマジックアイテムにしたけど、こんな自然物をマジックアイテムにすることが可能なのか?」

「まあ普通は難しいよ?だからククーモが来たんだ」

「え?」


「ククーモはマジックアイテムにとても精通しているんだ。だから下地は出来てるんだよ」

「じゃあククーモが最後まで作ればいいじゃねーか」

「うーん。そうするとものすごいのが出来上がっちゃうんだよ」

「必要ならそれでいいじゃねーか」

俺はクソ女神に詰め寄った。


クソ女神は俺の目を見ながら口を開いた。

「じゃあ考えてみて。ククーモがこの繭に能力を付ける。能力が強すぎて繭の中に入った人が僕達くらいの能力を持ったりしたらどうする?それに一生壊れなくなる可能性もある。それを国が所有でもしたら最強兵士を量産しちゃうよね」

クソ女神に圧を感じた。


「力の調整は出来ないのかよ」

「コータは自分の力を10000分の1に調整してくれって言ったらできる?10000分の2になったら世界が崩壊するって状況下で」

俺は黙ってしまった。


「そりゃこの世界には僕達が作ったマジックアイテムはいっぱいあるよ。だけどそれらはマジックアイテム化させるだけだからさ、能力はランダムなんだよ。特定の能力を付けようとすると化け物みたいなアイテムが出来ちゃうからね」

「…なるほど」

「だからコータにやってほしいんだけどいいかな?」

「わかったよ。つっかかってすまん」

「いいよー。何で俺がって思っちゃうよね。君にはその権利があるよ。僕はそれを受け止める義務があるし」

女神は少し悲しそうな顔をした。


「次の金曜日までに作ればいいのか?」

「うーん。とりあえず何個かは早めかなー。あとは少しずつ作ってくれればいいから」

「わかった」

「うん!よろしくね」

いつもはむかつく女神だが、毎回何かを頼むときは悲しそうな表情をしていた。



「手伝いについては聞いていいのか?」

「うん。ユーサクにも共有していいから」

「わかった」

女神はいつものようにピョンピョン跳び跳ね始めた。


「まずは長期のほうだけど、ドラゴニュートに出会うからその人を助けてあげて」

「またざっくりだな」

俺があきれていると、ククーモが女神の袖を引っ張った。


「ん?どうしたの?」

「…」

ククーモが大量の水晶のようなものを渡してきた。


「あー忘れてたよ。これもマジックアイテムにしなくちゃ」

女神はベットの上に水晶をばら撒いた。


「これは逆にクク―モが能力を付けてるから、魔力を込めてマジックアイテム化してくれればいいから」

「わかった。それでこれはどんな能力なんだ?」

「これは使った人が想像した空間を作れる能力」

「え?」

「例えば、お城が欲しいって想像したらそこにお城が出来る」

「それこそ化け物アイテムじゃないのか?」

「だからコータが魔力を入れるんだよ。ククーモが魔力を込めたらこの星サイズのお城が出来ちゃうよ」

「そこまでなのか…」

「だからコータお願いね」

「わかった」

俺は繭と水晶をマジックバッグにいれた。



「繭のマジックアイテムはいつ使うんだ?」

「今は練習かな?たぶん1回で完璧なものは作れないから」

「わかった。空いた時間にやるようにする」

「お願いね」


俺と女神が話終わるとさっきまで黙っていたデルマドクアが口を開いた。


「コータ。俺の担当地区の尻拭いをありがとう」

デルマドクアは頭を下げてきた。


俺は神が頭を下げたことに驚いた。

「え?」

「デルマドクア!ややこしくなるからやめてよ」

「す、すまん。でも礼を言わないとと思って。このあとも頼ることになるし」

「デルマドクア!もうややこしくなる!」

女神がちゃんと怒っているのを始めて見た。


これから行くところはデルマドクアの担当地区みたいだ。

そして今後もその地区の問題を解決する予定みたいだ。


「コータ。気にしなくていいから」

「はいはい、わかったよ」

正直、今気にしたところでわからない。


「じゃあ僕達はそろそろ帰るね。いろいろよろしくね」


そういうと神達は目の前から消えていった。




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