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21週目.初めての寿司

先週、『メッセージ』でユイとヤリネに全力謝罪をした。

すると「いままで食べたことない美味しい料理を食べさせてくれたら許す」という『メッセージ』が来た。


俺は悩んだが高級寿司にすることにした。

そのことをコータに相談したら、「最初っから天井は駄目だ。段階踏もうぜ。そしたら感動があるはず」と言ってきた。

なので今回は100円回転寿司で持ち帰りをすることにした。


店は家の近くに無く、電車に乗らないといけなかった。

「昔はよく行ってたけど、最近は行ってないなー」


電車に乗って、スマホで店のHPを見る。

「マグロとかイクラとかサーモンはユイ好きそうだよな。ヤリネは最近幼児化してきたけどだいぶ大人だからなーアジとかタイとか好きそうだよな」


HPを見ていると見覚えのあるものがあった。

超兵器戦隊アームズとのコラボ商品があるようだ。

[レッドホーミングマグロ!ピリ辛な大人な味!]

マグロの漬けをちょっと辛くして、食べるラー油が乗っかっているようだ。

「これもユイに買ってあげるか」


俺は買うものを決め、目的の店へ向かった。


▽ ▽ ▽


家に帰ってきた。

今回も大量に購入した。

少しサイズが小さめなので、多めに買って正解だろう。


トゥントゥルルン♪トゥントゥルルン♪


タブレットが鳴った。

「よーし」

俺は緑の受話器マークを押してビデオ通話にした。


俺はすぐに謝った。

「ユイ!ヤリネ!この間はごめん!」


ディスプレイにはユイとヤリネが映っていた。

「今日のご飯がおいしかったら許してあげる」

ユイはツンツンしていたがかわいかった。


「えーっと、まあ簡単には許さないですけどね」

ヤリネもツンツンしていたが、何か様子がおかしい。

「ヤリネ?ごめんな」

「は、はい。いえ、料理を食べるまでは許しません」

ヤリネの目が俺の後ろの方をきょろきょろ見ていた。


「ユイー!俺のこと嫌いになっちゃった?」

「なってないよ!違う、なってるよ!」

ユイも様子がおかしい。後ろをきょろきょろ見ている。


「おい。コータ出てこい」

「ん?ばれた?」

コータがディスプレイに現れた。


「さすがに1週間後まで怒ってられないから、ちょっと演技指導を」

「いらねーよ」

「でも2人の新鮮な姿見れたろ?」

「ユイのツンツンはかわいいけど、ヤリネはだいぶ大人だぞ?やらせるな!」

「ははは」

コータの悪ふざけに付き合わされた2人も笑っているから許してやることにした。


「さーユーサク!早く飯を!」

「わかったよ」


俺はケトルでお湯を沸かしてお吸い物を作り、寿司が入ったトレイをテーブルに置いた。

「転送!」


テーブルの上の物は光って消えた。

そしてカウントダウンが始まった。


「おいしそー!ユーサク!これってマグロ?」

ユイは前に食べた漬けマグロを覚えていたようだ。

「そうだよ。マグロに赤いのが乗っかってるだろ?」

「牛丼にかけたラー油!」

「そーそー。それがレッドホーミングのお寿司だよ」

「えーレッドボーミングが作ったの?」

ユイは目を輝かせた。


「いやレッドホーミングをモチーフにしただけなんだけど、なんて説明すればいいんだ」

コータが助け舟を出してくれた。


「レッドホーミングがお寿司だったらこんなのかなーって料理人の人が作ったお寿司ってことだよ」

「そうなんだー!レッドホーミングが作ってくれたのかと思った―」

コータはこういう気遣いは出来るんだよな。


「じゃあ食べようか。いただきます!」

「「いただきまーす」」

3人は寿司を食べ始めた。



「ねー僕も食べていい?」

「「え?」」

声の主は女神クシカーロだった。


女神はいつの間にかコータの後ろに立っていた。

ユイとヤリネは寿司を持ったまま止まっている。


「おい。何しに来た?」

「えー冷たすぎ!またお手伝いをしてもらおうと思ったのにー」

「もう強制なんだろ?」

「まあねー。てかこの服どう?」

女神が来ているTシャツにはレッドホーミングが描かれていた。


「ユイちゃんが好きみたいだから買っちゃった。どう?どう?」

「うるせークソ女神。次はどんな時代に行くんだ?」

「え?」

俺は驚いた。コータは今回もタイムトラベルすることをわかっていたようだ。


「ちょっと過去に行ってもらうよ」

「そこで何をすればいいんだ?」

「え?乗り気なの?僕嬉しいーなー!」

女神はぴょんぴょん飛び跳ねた。


「うるさい。早くいえよ。ドジ女神」

「えーひどーい」

「早く言え」

「わかったよ。そこに行ったら、気になる男性がいると思うからその人の手伝いかな?あと気になる男の子と女の子に出会うと思うから、その子達を鍛えてあげて?自然にね」

「俺達の素性は言っていいのか?」

「うーん。男性には言っていいよ。子供にはダメ―!その時代の冒険者として接してね」

「はぁー。アバウトすぎてめんどくさいな」


俺は女神とコータが話しているところに口を挟んだ。

「俺はどうすれば?」

「ユーサクにも頑張ってもらいたいから、料理はいっぱい用意してほしいな」

「いっぱい?」

「うん」

「なんでです?」

「あと新しいアイテム送っとくから!」

「説明してくださいって!」

女神は俺の質問をスルーして話を続けた。


「ん?あーそのうちわかるから」

「なんですかそれ」

俺は頭を抱えた。


「今回は俺とユーサクだけか?」

「うーん。どうしようかな。ユイちゃん連れて行ってもいいけど、偽名で生活するならいいよ」

「なんだよそれ。めんどくさすぎだろ」

「そんなことないよ!だって成功するはずなんだもん」

「ん?成功するはず?」

「だって過去に行ってるんだよ?結果を僕が知らないわけないじゃん」

「じゃあ全部教えろよ」

「教えてもいいけど少しでもずれたら、今の時代の状況変わるけど責任とれるの?」

女神からものすごい圧を感じた。

さすがのコータも黙ってしまった。


「僕はコータもユーサクも自然にやる方がいいと思うんだ―」

「わかったよ」

「じゃあいつ出発する?」

「ユーサクの料理の準備もあるから来週の金曜でいいと思うんだけど、ユーサクはどう?」

「わかった。それまでに用意する」

「じゃあまた来週来るね!ばいばーい」

女神が消えた。


するとユイとヤリネの声が聞こえてきた。

そしてディスプレイは暗くなった。


「またなんかややこしいことになった。大量の料理か」

俺はネットですぐに注文できるものはないか探そうとパソコンに向かおうとすると、テーブルの上に見知らぬものが現れた。

見知らぬものだけど、俺はこれをよく知っていた。



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