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19週目.牛丼トッピングフルコース

俺はまた地獄の日々を送っていた。

横浜の撮影データの編集に追われて、エナジードリンク生活をしていた。


「よーし、とりあえず今日は約束のあれをデリバリーだ」

俺はスマホをいじって注文を済ませた。

元の時代に戻ったみたいだからヤリネの分も注文しておいた。


「よし。連絡来るまで作業を続けよ」

俺は仕事を続けた。


▽ ▽ ▽


仕事を一旦終わらせた。

「はーこれで2日くらいは休めるぞー」

俺はベットに倒れこんだ。


トゥントゥルルン♪トゥントゥルルン♪


タブレットが鳴った。

「おっ!来たか」

俺は緑の受話器マークを押してビデオ通話にした。


「ユーサク!」

聞こえてきたのはユイの声だった。


「ユイ、元気だった?」

「うん!」

「今日は何してたんだ?」

「今日もモンスター倒してたよー」

「おーそれはすごいね」

「うん!」

ユイはニコニコしていた。


「俺も来週は一緒にモンスター倒そうかな」

「本当?たのしみー!」

今日もモンスター狩りの誘いが来ていたのだが、さすがに仕事が大変だったので断っていた。


「ユーサク。今日のメニューは?」

コータがやってきた。


「今日はお前が頼んでたものだよ」

「頼んでた?」

「トッピングフルコースだよ」

「あー!思い出した!最高だな」

「今日はヤリネは居るのか?」

「いるぞ。そろそろ来る」

そういうとコータの後ろからヤリネがやってきた。


「ユーサクさん。今日は一体」

「ヤリネ、腹減り過ぎだ」

「すみません。今日はなかなか大変だったんでつい」

「そんな大変だったの?」

「はい。ダンジョン攻略中で」

「え?」

俺はディスプレイをよく見てみると、砂漠のようなところに居た。


「砂漠だ」

「はい。コータさん達と遠征で訓練をしていたんですが、たまたまダンジョンを見つけて攻略することになったんです」

「たまたま見つけすぎじゃない?」

「私もそう思います。ちなみに2日前から籠ってます」

「え!食事はどうしてるの?」

「コータさんからマジックバックを貰ったので、それに入れてます」

「あー安心した」


俺とヤリネが喋っていると、遠くからコータが叫んだ。

「ユーサク!牛丼頼むよー」

「わかったよ。少し待ってて」

俺はキッチンに向かった。


セパレートで分けられている牛肉を全部フライパンに入れて温め直す。

白米もまとめてレンジで再加熱した。

ネギ・キムチ・チーズ・生卵・オクラ・とろろ・納豆・高菜・大根おろし・アボカド・醤油・ポン酢・マヨ・明太マヨ・食べるラー油・紅ショウガを皿に盛って、テーブルに置いた。

温め直した白米を器に入れ直し、牛肉を乗せてテーブルに置く。


「うわー。これ最高だな」

ミニサイズの牛丼12杯とトッピングがテーブルに並んだ。

「転送!」


テーブルの上の物は光って消えた。

そしてカウントダウンが始まった。


「うわー選び放題で最高だな」

「これなーに?」

「この米に乗っているのは牛肉ですか?」

「そうだよ。牛丼って料理だよ」

「やった!」

ヤリネは本当に牛肉が好きみたいだ。


「「「いただきまーす」」」

3人は牛丼を食べ始めた。


「やっぱりネギ玉が1番だな」

コータは想像通りネギ玉だった。

「この赤いのおいしー」

ユイはまさかのキムチと食べるラー油だ。

「うーん!このソース最高です」

ヤリネは高菜明太マヨを食べている。


「ユーサクは何が好きなの?」

「それ気になりますね」

ユイとヤリネが俺に聞いてきた。

「俺のおすすめは」

俺がお勧めを言おうとするとコータが叫んだ。


「2人共、ユーサクはセンスがないから聞かない方がいい」

「おい!そんなことないだろ。俺のおすすめはチーズおろしポン酢だよ」

「食べてみます」

「食べた―い!」

ユイとヤリネはチーズおろしポン酢を牛丼に乗っけた。


「どう?2人共」

「美味しいですね!」

ヤリネはニコニコで答えた。

「ユイはどう?」

俺がそう聞くと、ディスプレイは暗くなった。

最後にディスプレイに映っていたのは、ユイの苦い表情だった。


「ユイには合わなかったか」

俺は自分用に頼んだチーズおろしポン酢牛丼を食べた。


▽ ▽ ▽


クシカ♪クシカ♪

不快な着信音が鳴った。

『メッセージ』を開くと、コータから連絡が来ていた。

[ユーサク!今日はゲーム行けるか?]

俺はすぐに返信した。

[仕事はとりあえず落ち着かせたからいけるけど]


クシカ♪クシカ♪

[じゃあ後で呼ぶ!]

[わかった]

俺は『ゲーム』がいつでも来ていいように準備をした。



タッタラー♪ダン!ダン!タッタラ―♪ダン!ダン!


音楽が部屋に鳴り響いた。

「やっぱりね」

俺はタブレットを持ち、【スタート】をタップした。

[10秒後プレイ画面に移行します。プレイ時間は1時間。それでは良いバトルを]とディスプレイに表示された。

カウントが進んで0になると、スマホのバトロワゲームのような画面に切り替わった。


「ユーサク、悪いな」

「どうした?」

「ダンジョンの次の階層に砂漠を泳ぐピラニアみたいなのがうようよいるんだよ。俺が倒すとダンジョンごと壊しそうで」

「なるほど。スペシャル技が1個溜まってるからまかせろ」

「頼んだ」

俺達は今いる階層から階段で降りた。


階段を降り切ると先ほどの階層と同じような砂漠。

「ここにいるのか?」

「ああ。ユーサク頼む!」

「わかった」


俺はスペシャル技のボタンをタップする。

すると画面が小刻みに揺れ始めた。

「デスホーミング!」

ディスプレイからレッドホーミングの声が聞こえる。

弾丸は地面に飛んで行った。


少しするとディスプレイに文字が出てきた。

[累計500キルを達成しました。スペシャル技を使用できます]


再び、スペシャル技をタップする。

「デスホーミング!」

弾丸はまた地面に飛んで行った。


少し待つと、どんどんディスプレイに文字が現れる。

[累計800キルを達成しました。スペシャル技を使用できます]


「すごい倒したな。スペシャル技が無かったら、絶対攻略できないじゃん」


10分ほど経った。

「あれ?キル数が全然増えなくなったな。全部倒したかな?」

「本当か?そのスペシャル技ってすごいな」

「なんかレッドホーミングが実際に使ってた技らしい」

「へぇー。じゃあモンスターが復活する前に下の階に行くか」

「「はい!」」

俺達は下の階層に向かった。


▽ ▽ ▽


それから俺はユイとヤリネの戦闘をフォローしながら進み続けた。


「そろそろ時間だ」

「わかった。だいぶ助かったよ。ありがとう」

画面が切り替わった。

[ゲームが終了しました。キル数511]と表示された。


「あー疲れた。来週もモンスターと戦えるように早めに仕事を終わらすか」

俺はそう言いながらベッドに直行した。




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