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18週目.中華食べ歩きセット

「あー酔った」

数日間の仕事が終わってスタッフと中華街で打ち上げをし、酔ってホテルに帰ってきてそのまま寝ていたようだ。


スマホで時間を確認すると1時半だった。

「すこし寝ちゃってたのか」

周りを見渡すと、ベットの上には大量のビニール袋が置いてあった。

「覚えてないー何買ったんだ?」

中身を確認してみた。

ビニール袋の中には、ちまき・胡椒餅・北京ダックロール・胡麻団子・タピオカミルクティーが入っていた。


「うわーたぶん酔って買って帰ったんだよな。明日早く帰ってユイの連絡を待たないといけないから、もうひと眠りして朝こいつらを処理するか」

俺は備え付けの冷蔵庫にビニール袋を入れた。


昨日長文でコータから『メッセージ』が来ていた。

女神の手伝いに俺とユイを関わらせちゃダメみたいで、タブレットはユイが持っているらしい。

ユイの食事だけでいいから、喜びそうなものをと頼まれた。


トゥントゥルルン♪トゥントゥルルン♪


タブレットが鳴った。

「え?はやくないか?」

俺が想像していた時間よりもだいぶ早くてびっくりした。

俺は緑の受話器マークを押してビデオ通話にした。


「ユーサク?」

ディスプレイに映っているのはユイだった。


「ユイーもうそっちは金曜の夜?」

「ううん。金曜日の前の日の夜」

多分金曜日になったばかりの夜中なんだろう。


「ずっと一人で寂しかったから、金曜日になってすぐユーサクを呼んだの」

「そうだったのか。1人は寂しいよな」

「うん。1人じゃないけど寂しかった」

「1人じゃないの?」

「うん。あの子も一緒に居るから」

あの子とは仲良くなったモンスターの事だろう。


「毎日一緒に魔法の練習をしてるの」

「そうなんだ。うまくなった?」

「うん!」

「一緒に居る子は今どこにいるの?」

「寝ちゃって私1人だよ」

「お腹すいてる?」

「ううん」

ユイは本当に寂しくて連絡してきたのだろう。


「じゃあ俺にユイの話聞かせて」

「うん!」


ユイはいろいろと俺に話してくれた。

魔法の何が使えるようになったとか、レッドホーミングをあの子も気に入っているとか、あとサンタにお礼を言ってくれたかどうかも聞かれた。


ユイと楽しく話しているとディスプレイに文字が出てきた。

[食事を送ってください。そろそろ時間切れになります]


「ユイ。そろそろ時間になっちゃうみたいだけど寝れそう?」

「うん。がんばる」

「じゃあご飯送るから、明日の朝食べてね」

「うん。マジックバックに入れておく」


俺は冷蔵庫から大量に買った食べ歩きの産物を取り出してベットに乗せた。

「転送!」


ベッドの上の物は光って消えた。

そしてカウントダウンが始まった。


「じゃあ明日ちゃんと食べるんだよ」

「うん。ユーサクありがと」

「それじゃあ、おやすみ」

「おやすみー」

ユイは少しさみしそうにしていた。

ディスプレイは暗くなった。


「ユイが心配だー」

俺は心配だったが、どうすることもできずもどかしい気持ちになった。


「もしかしたら『ゲーム』で呼ばれるかもしれないから起きておくか」


俺は眠気覚ましのコーヒーを買いに部屋を出た。




▽ ▽ ▽




ユーサクからのシュウマイ弁当は美味かった。

俺は焼き魚を大量に渡して、ユイと別れた。

来るかもしれないという人を待つために小屋で寝た。


翌朝、起きても誰も現れていなかった。

「あーいつ来るんだ?ユイに寂しい思いはさせたくないのに!」

俺はユイが心配で心配でしょうがなかった。


ユイにタブレットを預ける前に、自分が作ったマジックアイテムの説明を聞いた。

正直よくわからないが、俺が作ったドアは異世界と元の世界を行き来できるドアらしい。

腕輪をしているとドアを通ることができるんだと。

他にもお金をどうこうの話や、近くにいる珍しいモンスターの情報をクソ女神から送られてきていた。

とりあえず記憶するだけ記憶して、来た人間に教えることになっている。



昼過ぎ、俺は魚を魔法で焼いて食べていた。

凄い油が多い魚だったみたいで、焦げまくってしまった。


「あーユーサクの飯が食いてー」

俺が嘆いていると、何か物音がした。


この島にはモンスターは居るがそんな量は多くない。それに森から滅多に出て来ない。

ギギギギ

後ろから音が鳴っていることに気付き振り向くと、ドアから1人の青年が出てきた。


「え?あれ?物置が広くなった?それにあなたは?」

学ラン姿の青年は混乱しているようだ。

「えーっと。説明するからいろいろ混乱しないでほしいんだけど」

「は、はい」

俺は学ランの青年に説明を始めた。


「俺も詳しいことはわからないんだけど、君は日本から来たんだよね?」

「え?日本から来ましたが、ということはここは日本じゃないんですか?」

「うん。ここは日本でも中国でもアメリカでもない。別の世界なんだ」

「は、はあ」

「ここは日本と違ってモンスターもいるし、魔法を使う人がいる」

「すみません。おっしゃってる言葉が分からないんですけど」

「とにかく、日本とは違う別の世界なんだここは」

「わ、わかりました」

学ランの青年は混乱している。


「とりあえず名前を教えてもらえる?」

「一之瀬正志です。15歳です」

やはりだいぶ若かった。


「俺は橘浩太。コータって呼んでくれ。俺はマサシって呼ぶから」

「わかりました、コータさん」

「マサシには選択肢がいくつかある」

「選択肢ですか?」

「この世界に来るのをやめて元の世界で生活するか、この世界と両立して生活するか、この世界だけで生活するか」

「え?」

「今すぐ決めなくて平気だし、途中で変更してもいい」

「わ、わかりました」

マサシはやはり混乱していた。若い子にそんな決断は無理だろう。


「うちの物置に書き置きを残したのはコータさんですか?」

「書き置き?」

「服を機械に入れるなどの指示が書いてあったんですが」

「あー多分それはこっちの世界の神様が用意したんだと思う」

「神様が…そうなんですね」


元の世界の物がドアを通ると消滅をしてしまうから、消滅しないように処理をするマジックアイテムを作らされた。たぶんそれの使い方が書いてあったのだろう。


「この世界に来ると不思議な力を手に入れられるんだ。それの内容を確認してほしいんだけどいい?」

「はい。どうすれば?」

「ステータスと口に出していってくれ」

「ステータス?うわぁ!」

マサシは驚いていた。


「何か出てきた?」

「はい。文字が書いてある触れないものが出てきました」

「お!?鑑定!」

マサシの目の前にディスプレイが現れた。

俺はそれを見てみた。



【名前】 一之瀬正志

【年齢】 15

【職業】 学生

【レベル】 1

【生命力】 540

【魔力】1258

【筋力】 101

【防御力】 98

【俊敏力】 45

【魔法】

闇魔法 LV1

→シャドウボールLV1

【スキル】

○エクストラスキル

 終わりなき学問LV1

 →学友召喚LV1

 →理解力

 →応用力

 →不老不死

○通常スキル

 拳術


「よ、読めないところがある」

「まじ?えーと」

「ど、どうですか?」

「いろいろとすごい。でも『不老不死』か・・・」


これって元の世界だとどうなるんだよ、クソ女神。

いきなり不老不死にさせられた若者になんて言葉をかければいいんだ。

俺は心の底から悩んだ。




あまり更新しませんが、「あまうみろーなん」という名前でTwitterをやっています。

良かったら作者のページにリンクがあるので、フォローしてくださると励みになります。


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