14週目.もつ鍋とキムチチゲ鍋
部屋の寒さで目が覚めた。
さすがに12月中旬の朝は寒かった。
「あー寒い。でも今日は出かけないと」
俺は身支度を済ませ、家を出た。
街は完全にクリスマスムードだった。
「寒いな。今日は牛タンと一緒に取り寄せた鍋セットだから、大きい鍋買わないと」
俺は電車に乗り、ショッピングモールへ向かった。
▽ ▽ ▽
ショッピングモールの中もクリスマス一色。
「ケーキの予約はもう済ませてるから、来週は大丈夫でしょ。今日は鍋とヤリネ用の食器類と3人へのプレゼントを買わないと」
俺は食器売り場に向かった。
「うーん。ヤリネはコータと居ないことも多いから、出来るだけ頑丈のやつがいいよね」
俺はヤリネ用の食器を選んだ。
「箸の使い方も学んでほしいから、箸も買うか。あと大勢で食べる時用の大きい皿も追加で買っておかないとな」
俺はヤリネの食器と鍋を2つと必要になりそうな食器類を数枚購入し、おもちゃ売り場へ向かった。
「うわー人気だな」
おもちゃ売り場には超兵器戦隊アームズのコーナーがあった。
「ユイが持ってるのはハンバーガーのおまけだから、もうちょいちゃんとしたやつあげないとな」
超兵器戦隊アームズのコーナーを見てみるが、いろんな種類のおもちゃがあった。
「ピンクポイズン・ブルートーピード・イエローレールガン・グリーンバイオってヒーロー側が物騒だな」
ぬいぐるみやソフビなどいろいろなグッズがあった。
俺はソフビのレッドホーミングの人形を購入し、プレゼント用に包んでもらった。
正直、プレゼントが転送されるかわからなかったが試す価値はあると思った。
次は文具売り場に向かった。
ヤリネにはいい万年筆をあげようと思ったが、どれがいいかわからないので店員さんに任せた。
店員さん曰くインク吸入式の物らしいので、大量にインクを買っておいた。
「いやー万年筆ってだいぶ高いんだな」
俺は支払いを済ませ、酒売り場へ向かった。
学生時代からの決まりで、コータとは残るものを渡さないと決めていた。
酒とか飯とか使えるものをあげないと意味がないという貧乏学生時代に決めた約束だ。
「ビールとワイン?あとは日本酒か」
俺は目に付いた良さそうな酒をカゴに入れ、支払いを済ませた。
そして最後に今日の鍋に必要な具材を買いに食料品売り場に行った。
「メインの具材はセットについてきたけど、野菜や豆腐はさすがについてなかったから買わないと」
今日の鍋用に豆腐やキャベツやニラなど鍋の具材を買い込んだ。
▽ ▽ ▽
家に帰るとタブレットの画面が光っていた。
[ゲームをスタートできませんでした。本日のプレイは終了いたしました]
「え?まじ?」
ゲームは通知が来た時にスタートできないとダメなようだ。
「まあしょうがないか。このことはあとでコータにも共有しておこう。よし、今日の飯を作るぞ!」
俺はキッチンに向かった。
今日のメニューはもつ鍋とキムチチゲ鍋だ。
取り寄せたら、5種類ほど入っていた。
「具材もついてくるし、正直やることないな。米炊くか」
俺は米の準備をし、コータからの連絡を待った。
▽ ▽ ▽
トゥントゥルルン♪トゥントゥルルン♪
タブレットが鳴った。
「よーし」
俺は緑の受話器マークを押してビデオ通話にした。
「ユーサク!大丈夫なのか?」
タブレットからコータの声が鳴り響いた。
「え?」
「昼にゲームのアプリをタップしたのに、お前が来ないから!」
「あーすまん。買い物行ってたんだ」
「あータブレットをもってなかったのか」
「そうそう。なんか通知を一回逃がすとその日はゲームが出来なくなるみたいなんだ」
「それはきついな。今後は何時くらいに呼び出すか決めとかないとダメだな」
「そうだね」
俺とコータが話していると、ユイが口を開いた。
「ユーサク!今日のご飯はなに?」
「今日は鍋だよ」
「なべ?」
「まあ楽しみにしてて。辛いのと辛くないのがあるから、辛くないの食べてね」
「はーい」
ユイは今日も天使のような笑顔だった。
「じゃあ、ちょっと準備してくる」
俺はキッチンに向かった。
今日買ってきた野菜を切っていく。
「3人共結構食べるから、こういう単純作業がなかなか大変だな」
俺は今日買ったアルミの大鍋にスープを2種類入れて具材をぶち込む。
もつ鍋にはキャベツとニラを入れ、チゲ鍋には豚バラとキムチとキノコ類や様々な野菜と豆腐を入れた。
火をかけてタイマーをセット。
待っている間にテーブルに食器や飲み物を置く。
「雑炊できるように、米と卵も用意しておくか」
俺は米と卵をテーブルに置き、今日買ったヤリネ用の食器も準備した。
「ユーサク!まだかー」
タブレットからコータの声が聞こえた。
「ちょっと待ってくれ。あと少しでできるから」
「腹減ったぞー」
「そういえばミノタウロスのタンはどうだったんだ?」
「あー。牛タンみたいだった。脂身が少しあるし、ものすごい量があった」
「そうなんだ、俺も食ってみたいな」
「ははは。こっちからも送れるといいんだけどな」
ピピピピ!ピピピピ!
「おっ。出来たみたいだ」
俺はキッチンに向かい、火を止めた。
鍋敷きをテーブルに置き、鍋を置いた。
「転送!」
テーブルの上のものが光ってなくなった。
カウントダウンが始まった。
「おー!モツ鍋とキムチ鍋か」
「ユイにはモツの方を食べてもらって。キムチチゲの方は少し味見して、食べれるか確認して」
「わかった!」
「あとシメ用にもつ鍋には麺、キムチチゲには雑炊を用意したから」
「ユーサク!最高だな」
「まあな。そういえば来週クリスマスだから期待しとけ」
「え?そっちクリスマスなのか?」
「そうだけど」
「こっちの世界にも四季はあるみたいだけど、こっちは春くらいだぞ」
「時間経過は同じなのに、そこらへんはずれてるのか」
「そうみたいだな。ユーサクがいつも部屋着だから気付かなかった」
「コータ達の服もわかりずらいわ」
俺とコータが喋っているとユイが口を開いた。
「ユーサク!食べてもいい?」
「いいよ。赤いのは辛いから、少し味見して食べれそうなら食べな」
「はーい!」
「ヤリネ用の食器も用意したから使ってね」
「え?私用ですか?ありがとうございます!」
「じゃあ食うか」
「「「いただきまーす」」」
3人は鍋を食べ始めた。
「おいしー!」
「ユイ。辛いの大丈夫?」
「辛いの美味しいよ」
「そうか。辛いの得意みたいだね」
「うん!」
ユイはニコニコしながらキムチチゲ鍋を食べていた。
「ユーサク。来週なんだけど」
「悪いなコータ。来週と再来週の料理は決めてあるんだ」
「そうか。楽しみにしてる!ゲームはどうする?」
「時間をある程度決めないとなー」
ディスプレイは真っ暗になった。
「あーゲームの時間決めれなかった。まあ来週は忙しくなりそうだから、ゲームしなくてもいいか」
俺は自分用のもつ鍋の準備を始めた。
別作品の投稿もしています。
一緒に読んでもらえると、本作が少し面白くなると思います。
良ければ読んでください。




