02.不思議な空間
区切りがいいところで次の話に繋げたかったので、少し短めです。
目が覚めると知らない場所にいた。この世の景色とは思えない、禍々しいのに何故か美しい、妙に惹かれてしまう不思議な空間だった。
(ここはどこだ?)
(天国か地獄か、それともどちらでもない場所なのか?)
(そもそも俺は死んだのか? 夢を見ているだけじゃないのか?)
パンッ! と頬を叩いてみる。痛みがある、ということは夢ではない。
色々と考えてみたが、答えがわかるはずもない。
(ここで待っていれば、何かわかるかもしれない……)
俺はとにかく何か空間に変化があるまで座って待つことにした。
─────あれからどれくらい経ったであろう。
いくらなんでも暇すぎる。あぁ〜、イライラしてきた。こんなときには吸いたくなる。
「タバコ欲しいなぁ〜」
ボソッと呟いた瞬間だった。不思議な空間に穴が空き、タバコが落ちてきた。しかも、俺がいつも吸っている銘柄のエイトムーンだ。
驚いたが試しにライターも欲しいと呟いてみた。すると、同じように穴が空きライターも落ちてきた。これもいつも使っているラージライターだ。どういうことだ?
とりあえず俺は一服しながら考えることにした。
(もしかすると、俺が欲しいと念じて言葉にしたものはイメージ通りの物が出てくるってことか?)
(いや、そんなうまい話あるわけない)
(でもそうだとしたら?)
(ものは試しだ、言ってみよう)
「ビールが欲しい……」
すると、またしても穴が空き、ビールが落ちてきた。
やはりここは欲しいものを呟けば出てくる空間だ! こんなのやりたい放題じゃねーか!
俺は欲に任せて欲しいものをどんどんと呟いていった。テレビ、ソファー、ベッド、ゲーム、漫画、パソコン、ケータイ、スピーカー、焼肉、寿司、高級料理から駄菓子。その他諸々……
この空間を満喫していた。しかし、気になることが1つだけあった。
「…………イ…ト…ゼ……な……した」
最後に大人なDVDを頼んだとき、謎の声がしたのである。しかし、もう満腹とアルコールで睡魔が限界だ。明日またこの空間を楽しみながら考えばいいだろう。あぁ、死んでいたのだとしてもこのまま生活できるならいいかもな。
俺は数年ぶりに何も考えず気持ちよく眠りについた。
この時、謎の声の重大な意味と、これから起きる大変な出来事を知るよしもなかった。