守木の桜
意味がわかりにくいです。あと、オチがひどいです、(笑)と言った意味で。
ざぁ……
風が木々の梢を鳴らす、夜の帳が全てを覆い隠す森の中、その桜だけは月光の元神々しいまでの偉容を見せていた。強い風が桜の花びらを散らし、その人の髪を躍らせた。
その人は、微笑んだ。
「桜の花は、何故ほのかな赤みを孕んでいるのだと思う?」
桜の花と同じ色をした髪は、空を舞う花弁と交じり合い、境界を曖昧にさせていた、今にも桜の中に消えてしまうのではないか、とさえ思えた。
しかしその人は確固たる存在感を持ち、花弁のように何処かへ消えはしなかった。
その人は返事を待たずに、話を続けた。
「桜の花の色は本当は真っ白で、桜の下に埋まっている死体の血を吸って花を咲かせているから、こんな色になるのだ。と言う人もいるよね」
ざぁざぁ、相変わらず風が吹いていた。桜の花弁が空を舞い踊っている、たった一本の桜が織りなす、視界一面の桜吹雪。夢なのではないかと、疑ってしまうほどに美しい。
外は嵐なのだ、ここはこんなに美しいのに、嵐は未だに収まらないのだ。
その人は、一人で話し続けた。
「私は思うんだ。桜が人の血を、人の死を。汚れを吸って咲いていると言うなら、桜は汚れを美しいものに浄化してくれているのではないかと」
一面の桜色の中に、青があった。一点の曇りも無い青空のような、色彩だった。振り向いたその人の目は、お日様のように、温かくて、木漏れ日のように優しかった。
こんな荒んだ、酷い時代なのに、この人は変わらない。多少思想が違う、それだけで争う奴等とは大違いだ。この人は、いつまで経っても優しいままだ。
その人は、言った。
「私の夢は、雲の上の青空なんだ」
もはや青空の存在さえ忘れかけているのに、もはや希望を持つ事にさえ疲れてしまうのに。誰もが無理だと言っているのに、誰もが既に諦めているのに、その人は。
そんな夢、叶えられる訳が無いのに。無理をすれば、枯れるのは自分だと解っているだろうに、この人は。
「私にそんな力があるというなら、少しでも雲を払えるよう、花を咲かせようと思うよ」
笑った、笑って言った。
「君は青空を見届けてくれ」
その笑顔が、あまりに綺麗だったから。
希望を持ってみるのも悪くない、と思えた。
ざぁ……
風が木々の梢を鳴らす、朝靄に白んできた森の中、その桜の一枝を手折った。花は真っ白で、枝は真っ黒だった。強い風が桜を揺らすが花弁は一枚も散らない、この枝以外にもう花は無い。
そして、
あの人も、もう居ない。
問題 : 次の文章は本文中のどの部分に挿入するのが最も適切か。
その前後の三字を抜き出せ。(句読点は含まない)
「だからこの辺りを掘り返すと、白骨死体でも出るかもしれない」
「出るんですか!?」
「いや、多分出ないよ」
はっはっはっは、その人は楽しそうに笑った。楽しそうに、実に楽しそうに。そうか、そんなに人をからかうのは楽しいか、貴方だけはまともだと思っていたのに。
「ここ、いろんな物が埋まってるからね。呪物とか、怨念とか、目とか、邪気とか。死体ぐらい探せばあるんじゃないかなぁ?」
からかって言った訳じゃなかったー!? もう言葉も出ない、貴方の笑顔が恐ろしい。
「それは置いといて……」
いいのか、置いといて。もしかしたら足元に死体があるかもしれないんだぞ。正直気になって仕方ないのだが、そう言った事に対する考慮は無いらしい。
解答 : 知らん
続きません
アハッ☆