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魔の島についてから



さて、私はまず服を着替える事にしました。

なるべく動きやすくて軽い服が良いです。 


この島では、砂浜の上を歩いたり、茂みの中を分け入ったり、海へ入ったり、山を登ったりしますから。


「綿の花、出てきて下さい。」


呪文を唱えるとすぐに綿花がニョキニョキと出てきました。綿の実から綿を少しとり、手の平へのせます。頭の中に、動きやすい綿の膝丈ワンピースと歩きやすい靴をイメージし、息を吹きかけます。


「風と水の精霊様、私の身をお清め下さい。そして大地の恵みの神様、どうか私に服を下さい。」


私が精霊や神様にお願いをすると、汚れた髪と体は清められ、イメージ通りの膝丈ワンピースと靴が出てきました。


「ありがとうございます。」


私はお礼を言い、マンドラゴラ達とこれからどうするか話し合いました。


キュキュキュ、キュキュ。


うん、うん、なるほど。マンドラゴラ達は、この島で基本は自由に暮らすけど、たまに遊びに行くから、好きにしてて~だそうです。


つまり、ここで一旦解散という事でしょうか。ちなみに私が呼んだら、マンドラゴラ達の誰かが来てくれるそうです。


マンドラゴラ達のそういう自由なところ、私は大好きです。


いつの間にかマンドラゴラ達が皆んなどこかへ行ってしまったので、私は住処を探すことにしました。


「あら、新しい子?こんにちは。わたしはメデューサよ。宜しくね。」 

  

急に呼びとめられて振り向くと、とても美しい女性が立っていました。


メデューサって言ってましたね。確か王都で本を読んだ時には、頭が無数の毒蛇になっていて、目を見ると石に‥‥


「ならないわよ。目を見ても石にならないし、海の神のポセイドンと浮気してもないし、女神アテナの怒りもかってないから。」


「王都の本の事をよくご存知なのですね。」


「本当に失礼よね。きっと、上の二人の姉さん達が、変な話を広めたのでしょう。常に私の美しさに嫉妬をしてたから。」


「メデューサ様、挨拶が遅れました。私はカテリーナと申します。マンドラゴラ達の誘いを受けて、この島で暮らす事を決めました。宜しくお願いします。」


「カテリーナ、宜しくね。私の事は、メデューサと呼びなさい。私に会いたければ、ここへ来るといいでしょう。」


「はい。」


メデューサは、とても気さくでサバサバした女性でした。上の二人の姉?そう言えば、メデューサは、ゴルゴン三姉妹の末っ子でしたね。


まあ、それぞれ家庭の事情とか色々ありますからね。あまり気にしないでおきましょう。


そう言えば、あのレガシー第一王子はどうしているかしら?確かご兄弟に優秀な第二王子のケイン様がいらしたけど。


第二王子のケイン様はとても優秀で、お人柄も素晴らしいと評判でしたわね。それに公爵家のご令嬢のエリザベス様と婚約されてました。


これだけ聞くと、第二王子のケイン様のが次の王様に相応しいわね。


レガシー王子は、ミチル令嬢と婚約できたのかしら?結局王様のあとを誰が継ぐのかしら?


まぁ、私にはもう関係ありませんけどね。


さて、山へ行って住処を作りましょうか。ベッドにキッチンも欲しいし、楽しみです。




その頃お城では‥‥


「レガシー、お前勝手にカテリーナ嬢と婚約破棄して国外追放しただと!馬鹿者が!」


「父上、あの女は聖女ではありません。我々は、あの女と教会に騙されていたのですよ。


あの女は、ミチルのように手の平から光を出したり、虹を作り出したり出来ませんよ。」


王様に事の顚末がばれて、レガシー王子が叱られておりました。


「レガシー王子、我々が王家を騙したなどとは酷い言い様です。王様、我々教会側はレガシー王子とミチル令嬢に騙されていたのです。」


教会側は、王子のいきなりの手のひら返しに憤っておりました。


ミチル様は‥‥プルプルプルと震えてレガシー王子にしがみついているだけです。


王様は頭を抱えながら、言いました。


「お前達は何も知らないのだという事がよく分かった。カテリーナ嬢は、正真正銘の聖女だ。彼女本人は自覚していなかったが、この国に結界を張って外敵から守ってくれていたんだ。しかも、大地の神や自然の精霊達に愛され、様々な恵みを受けていた。


この事は教会側が知る前に、すでに私の守護神から聞いて知っていたのだ。


彼女がいなくなった途端、この国は作物もこれまでのように育たなくなってしまい、土地も荒れてきてしまった。


彼女の恩恵は計り知れない。だからこそ、王家で大切にしてやりたかった。


そして願わくば、レガシー王子と結ばれて産まれた子供にこの国を任せようと思っていたのだ。」


王様は、教会の面々やレガシー王子、ミチル令嬢がポカンとした顔で呆けているのを見て、深いため息をつきました。


「はぁっ、お前達にはもう付き合いきれん。これからの事はケインとよく相談しよう。」


「‥っ父上!」

「王様!」

‥‥プルプルプル「えっ、レガシー様が次の王様じゃないの?そんなぁ。」プルプル‥‥


「黙れ!お前達はもうその顔を私に見せるな!出て行け!」


こうしてレガシー王子とミチル令嬢、教会の面々は、それぞれ身分を剥奪され、平民へ降格されたようです。



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