表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裸の騎士様  作者: 叶 葉
10/22

服がない!10


「リサ!無事か?!」

レオンが声を掛けると縛られて動けないリサが目線だけレオンに向けた。

「レオン様っ」

レオンは急いでリサを抱き上げた。


「シャルロット!私の宮に何の用だ」

カイゼルが睨み付けるとシャルロット姫はあからさまにため息を吐いた。

「お兄様、わたくしたちのような恵まれない顔面の者が心まで卑しくしてどうなると言うのです」

シャルロット姫の肩を隣国の王子は優しく抱いた。

「姫、姫は美しいよ。心も、肉体もね」

姫はくすぐったそうに笑ってからカイゼルに冷たい視線を向ける。

「お兄様、これは言い逃れ出来ないですよ。お父様に、国王様にお話しさせて戴きますからね。沙汰は追って待つように」

カイゼルはブルブルと震えながらシャルロット姫の言葉を聞いていた。怒りに真っ赤になってわなわなと唇を震わせている。

シャルロット姫と隣国の王子は大丈夫だろうか、とレオンは心配になった。

しかし、今はレオンの腕の中でぐったりしているリサが一番大事だった。

「君たち、早くそちらのお嬢さんを連れて帰ってやりなさい」

隣国の王子に促されてレオンとリサ、トワイスは漸く解放されたのだった。













「リサ、大丈夫か?」

トワイスに礼をして別れてからレオンはリサを自室に運んで来ていた。

いくら友人とはいえ、女性の部屋に入るのは憚られるし、何よりレオンが付いていたかったからだ。

リサをそのままレオンのベッドに横たえる。

レオンはベッドの横に置いてある椅子に腰掛けた。

「助けに来てくれたんですね。私、勝手な事ばっかりしたのに……」

レオンは首を振る。

「リサ、気にするな。早く助けに行けなくてすまなかった」

「なんでレオン様が謝っちゃうんですかあ。それじゃあ私、困りますよう」

「何故リサが困るんだ?」

レオンが首を傾げながら聞くと、リサは上目遣いで睨んできた。

「だって、約束を破って一人で城下町に出掛けたのは私なんですよ?おまけにみんなに心配掛けて、レオン様とシャルロット姫様たちにも多大なご迷惑をお掛けして……。それなのに、レオン様が謝っちゃったら私、本当に立つ瀬が無いですよう」

リサはぎゅっと肌掛けを握りしめてレオンから視線を逸らした。

「そうか……。不安だっただろう?今日はずっと付いているから先ずはゆっくり休むんだ。そうして元気になってくれたら俺は言う事はない。……リサが無事で本当に良かった」

レオンはリサの握りしめていた手に手を重ね、額を付けた。


「やっぱりレオン様はずるい」

リサは呟いて目を閉じた。



こうして一連のリサ誘拐事件は一応解決したのだった。


その後、リサはガーネットに泣きながら叱責され、大変な目にあった。

それからアゴのカイゼルも嫡子から外され、王家所有の国の端の領地に追いやられる事となった。まあ、今回のリサの件は切っ掛けに過ぎず、水面下で王子を、廃嫡にする準備は進んでいたとの事だった。

そして、シャルロット姫は正式に立太子され、隣国の王子も婿入りする事が正式に発表された。

カイゼルが居なくなった事を期に正常な判断で人事が下され、益々国は栄える兆しを見せていた———。












レオンはその日、酷く焦っていた。


———これはまずい事になったぞ。


向かう先は一つ。

リサの元だった。



それと言うのも、アゴ王子が今までは城周辺から眉目秀麗な若い騎士や官僚を遠ざけていた事から始まる。

官僚はまだいい。

リサの好みは筋肉系男子だし、生白い官僚たちは射程外だろう。

しかし、とうとう戻される事になったのだ。

周辺国との小競り合いに駆り出されていた見目の良い野生的なリサの好みドンピシャの騎士達が。


リサの全裸魔法が火を噴くぞ———。


レオンとトワイスは戦々恐々していた。

正直見たくないからである。

同じ男の裸体で溢れ返る兵舎など、どんな地獄絵図かと聞きたくなる。


だから急いでリサを捕獲し、なるべく裏方に徹するように釘を刺さなければと探しているのだ。


「リサ!」

漸く目当ての人物を見つけ、レオンは走り寄る。

「どうしたんですかあ?慌てちゃって」

「何を呑気な!こんな所にいるな!騎士団の配置換えがある旨は聞いているだろう?リサ好みの男達がもうじきこの兵舎にやってくるぞ!」

レオンがそう言うとリサはキラキラした目でレオンを見た。

「そうなんですよ、レオン様!やっと私にも春が来たって感じですよね」

「何を呑気な!俺は見たくないぞ!全裸の男なんかもう懲り懲りだ」

えーっ?とブスくれるリサを何とか説得しようとしていると、不意に声を掛けられた。


「レオン!やっと戻ってこれたぞ」

声のした先を見ると、そこには数年前に城から国境警備へと旅立って行った友人、シリウスが居た。

「ま、まずい!」

レオンは咄嗟にリサを抱き締め視界を奪う。

「おいおい、お前どうした?気でも狂ったか?」

呆れるような声を出したシリウスはそれでも整った美しい顔をしていた。

流れるような黒髪、高く通った鼻筋、ギラリと鋭い瞳。目元には色気を醸し出す泣き黒子。騎士として鍛え上げられた筋肉。浅黒い肌。

完璧にリサの理想を体現する男だ。

レオンがリサに合わせたくない男堂々第一位の男でもある。

それは、シリウスが享楽的で奔放な性格をしている事を良く知っているからでもあった。

新キャラ登場です。

時代は筋肉!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ