セーフハウス
「おー?完全に入れたかな?」
無事完全に扉の中に入ることができた。とりあえず部屋の中を慎重に歩きまわってみると他の部屋に続いてそうな扉(スライド式)が2つほどあったがひとまず後で確認することにして一番気になっていた端にぽつんとあるパソコンに警戒をしながら近づいていく、パソコンの目の前に来ると電源が入ってないのか真っ黒な画面が確認できた。
一応コンセント(ちゃんと電気が繋がっているのだろうか)にコードがささっていた
「っと。電源はこれかな?」
このままだと動かないようなので電源のスイッチっぽいものを見つけたので押してみるとパソコンが立ち上がる
「こんなところでもWindowsかよ」
こんな場所でもWindowsなことに少し安心を抱きつつ完全に起動するのを待つとアカウントを作成して下さいと出てくるので普段使っている設定を打ち込むと少々お待ちくださいという案内が画面に映ったまま動かなくなった
「うーん……待ってる間どうしようかなぁ。」
そのまま待っているのも暇なのでほかの部屋に繋がってそうな扉を確認してみようかなと思い立ち上がる
「よし!開くかな?」
少し気合いを入れスライド式の扉を開けていくと陶器で出来た造形物があった
「てかトイレじゃん……」
恐る恐る開けてたのがバカらしくなりながらほかの扉も開けてみるとお風呂(脱衣所もある)と寝室(ダブルベットが一台)の計4部屋?に分かれていることがわかった。
元の部屋に戻るとパソコンの画面が普段見慣れている青い背景の画面になりアプリが勝手に入っているのか何個か見たことのないウィジェットがある
「なんのアプリだろ?これ?」
一番左上にあるウィジェットに矢印を合わせクリックすると
【名前 】サトウ マコト
【レベル】1
【性別】男
【力】 12
【魔】 30(+30)
【体】 11
【速】 10
【スキル】
セーフハウス Lv1
――――――
あの時みたステータスらしきものが現れたが力とか速とかはなんとなくわかるが魔とは一体なんなのだろうか?
ゲームなどでは魔法を使うためのエネルギーとかなのだろうが自分にそんなエネルギーがあるとは思えない。
それにこの横の+30というのもなんなのだろう ?魔も30あるのでその値なのだと思うのだが何故30増えているんだろう?などいろいろな疑問が浮かんでくる。
文字の部分に矢印を移動させるとクリックが出来そうなのでダブルクリックをしてみた。
【力は対象に物理的な影響を及ぼす行為の最大値を数値化したもの】
なんか簡単な説明みたいのが出てきた。とりあえずほかの項目も見てみようと思い矢印を動かしていく
【魔は魔法を行使する時に使う。魔の強さや量の最大値を数値化したもの】
【体は物理、魔法に対する耐性を数値化したもの】
【速は身体の動かせる速さの最大値を数値化したもの】
魔がやはり良く分からないが他のものはなんとなくわかった。
人の運動能力などを数値で見ることが出来るのはなんかとても不思議な感じがするがこれが俺のステータスということだろう。
平均がどれくらいなのかが分からないので比べることは出来ないが魔の数値を見ないことにすれば大体10くらいが平均だろうか
そんな事を考えながらスキルの欄にある一番気になっていたセーフハウスの文字がある場所に矢印を持ってきてクリックをしてみる
【セーフハウスのスキルは異空間に部屋を作ることが出来る。
異空間にはスキル所持者本人か登録した者しか入ることが出来ない。
その他、部屋の改造、増築、モノの交換、仲間、武器の召喚をGの消費によりすることが出来る。Gは魔物を倒した際に得る。
また、ステータスの確認やレベルが上がった際に数値1を自由に振り分けることが出来る。
魔の数値に30の補正。
セーフハウスの維持時間は12時間で一度発動した場合維持時間後12時間使うことが出来なくなる。スキルLvが上がるごとに維持時間が1時間増え、1時間使えなくなる時間が減る。】
「なんか色々出来るってことか?」
説明を見ただけだと魔物(俺が倒したヤツか?)を倒すとGというのがもらえてそれで色々なことが出来るみたいだ。
そして一番重要なのがこの部屋の中が異空間という事だろう。自分か許可をした人しか入ることが出来ないってことはこの部屋が安全な場所であるということになる。こんな何に襲われるかわからない場所で完全に安全で休める場所はとてもありがたい
「とりあえずこれがステータスの確認ってことかな?」
スキルの説明文にあるステータスの確認は、このパソコンのアプリとして実装されてるっぽいと思い他のウィジェットも開いてみることにした。
ステータスの確認の1つ下のウィジェットをクリックすると立体的な部屋の間取り図が現れた。 矢印を間取り図に合わせクリックすると今いる部屋の画像になり、周りも見渡す事が出来た
他には左横に購入や廃棄、増築のボタンがある。購入のボタンを押してみると家具や食料、飲料、生活用品などの項目に分かれて品名が書かれており、クリックをすると何個購入しますかと数字を打てるようになり右上の×ボタンをクリックしたらキャンセルになるようだ。
廃棄はものが無いせいか項目はあったが品名が1つも書かれていない。増築のボタンでは間取り図に直接マウスで描いていき、右上らへんに出た完了ボタンを押すとどれくらいのGがかかりますと表示してくれる。キャンセルは購入の時と同じだ。
操作をしていて分かったが右下に小さく12Gと表示されているのがわかった
「これってヤツを倒したからだよな?12Gって水か小さい羊羹一個しか買えない」
食べ物でいうと、かけ蕎麦で50G、カツ丼で150G生活用品だとティッシュで20Gだ。家具などは最低でも1000Gはかかる。ざっと計算しても80体はヤツを倒さなければ家具1つ買えない。
1体に対しても人一人死にそうになっていたのに80体なんて気が遠くなる。食料の為にGを消費することを考えるともっと必要だろう
「命が安すぎないか」
ヤツを1つの命だと考えると1つの命で一リットルの水が一本だけだ。命の値段にするとなんて軽いのだろうと思った。
そのことを考えても仕方がないと諦めながら最後のウィジェットを開く。
「これは」
画面を見てみるとそこには仲間ガチャ、武器ガチャと書かれたボタンがあった
「ゲームかよ……」
突然知らないところに来させられてよくわかんない化け物を殺してステータスやらスキルやら意味のわからないことばっかりでゲームや漫画の中の話のような感じかしていた中、更にゲームの中の機能が出てきた。仲間ガチャをクリックすると種類が2つあって1つは高額ガチャ、もう一つが通常ガチャで高額ガチャはその名の通りGの消費量がすごい、一回のガチャで100万Gが吹っ飛ぶ、通常ガチャは高額ガチャをみると安く感じるが一回10万Gなので今の自分からしたら同じようなものだ。
武器ガチャも同じように高額ガチャと通常ガチャだが仲間ガチャからするとだいぶ良心的な値段設定だった。高額ガチャが50万G、通常ガチャが5万Gで仲間ガチャの半分でガチャが引けるらしい
「ん?なんだこれ?」
ガチャという文字が衝撃的で仲間ガチャと武器ガチャしか見てなかったが右上に小さく初回特別ガチャというのがあったの押してみると新しいガチャ画面になった。
説明文があったので読んでみると高額ガチャ一回を無償でやらせてくれるみたいだ
「タダだしやってみるか……」
無償でガチャを引けるなら引くしかないと思い、一度引いてみることにした。
流れるようにマウスを動かしクリックをすると床が光だし魔法陣のような幾何学模様が浮かび上がり光がどんどん強くなっていく。たまらず目を閉じると強い風が吹き荒れた。
風が収まり目を少しずつ開けると目の前に一人の女性が立っているのわかる。
女性は下に向けていた顔を上げ
「召喚により現界した。貴様が召喚者か?」