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粋な男になりたい男

作者: 松山 隆史

いつからだろうか

こうやって帰るたんびにコンビニのビニール袋片手に帰って来て何を話す訳でもなく

手を洗って、顔を洗い、

それから倒れ込むようにしてソファに座り込む

こんなことしてかれこれ3年。

一人暮らしを始めたばかりの頃はそんなこと思うことなどなかった。

もっと楽しい一人暮らしが送れるんだと思ったし、彼女なんかを家に呼んで…

そんなことばかり思ってた。

でもそんな思うように人生は行かないとさ


いつものように無造作に置かれたリモコンを手に取りピッという音とともに画面に光が灯る

こんな時間にやってるテレビなんざ面白いものなんかありゃしねーよ、と思ってた。

いつも帰りは12時前、別にテレビが好きな訳じゃない

でもそれがなぜだか日常のルーティーンみたいになってこの呪縛からはもう抜けられない体になっていた。


そんなテレビからあるものが流れてきた。


「北高の反撃はここまで悔しくもここまでここで北高甲子園から姿を消します」


夏の高校野球のハイライト番組だった。

もうこんな時期か…

そう思った。

俺もいつだったかこう熱くただただひたむきに一つの目標に向かって燃えている時があったのに、いつからこんなんになっちまったんだろ


ここ最近は仕事が張り詰めてなかなか一息つく時間すらなかった。

社会人一年目にして挫折をあじわった。


こんなはずじゃなかった。

俺が思い描いてたのは…


その時スマホの着信音がなった。

同僚からだった。


今から飲み行くけど時間ある?


またかよ…コイツら飲んでばっかりだな。

そう思った。

てきとうに


ねーよ


って返しといた。


俺は一人暮らしを楽しみたかったんだ。

コイツらみたいなのじゃなくて、ほんとに有名人みたいな、いわゆるリア充っていうのか?そんなのになりたかったんだ。


くだらないと思いつつ普段からつけてるスマホの日記をつけようと思った。


これは高校一年生ぐらいからずっとつけてきた日記だ。


部活の記録なんかを書いてるうちに、それが習慣になって高校卒業してからもずっと書き続けてきたんだ。


もうこんな時期か…

そう思った。

俺もいつだったかこう熱くただただひたむきに一つの目標に向かって燃えている時があったのに、いつからこんなんになっちまったんだろ


ここ最近は仕事が張り詰めてなかなか一息つく時間すらなかった。

社会人一年目にして挫折をあじわった。


こんなはずじゃなかった。

俺が思い描いてたのは…


その時スマホの着信音がなった。

同僚からだった。


今から飲み行くけど時間ある?


またかよ…コイツら飲んでばっかりだな。

そう思った。

てきとうに


ねーよ


って返しといた。


俺は一人暮らしを楽しみたかったんだ。

コイツらみたいなのじゃなくて、ほんとに有名人みたいな、いわゆるリア充っていうのか?そんなのになりたかったんだ。


くだらないと思いつつ普段からつけてるスマホの日記をつけようと思った。


これは高校一年生ぐらいからずっとつけてきた日記だ。


部活の記録なんかを書いてるうちに、それが習慣になって高校卒業してからもずっと書き続けてきたんだ。


今日もぱっとしねえ日だった。

一体あの頃の情熱は何処に行っちまったのかなあ。

そう記した。

パラパラって今までの日記を振り返ってみた。

4月7日

今日は就活初日!

頑張ろう!ここから先いい人生が待ってるはず!

なんだか笑えてきた

何書いてんだ俺、

バカじゃねーの

もっとページをさかのぼった。

10月24日

大学生活も大詰め!

最後ぐらい楽しんでやる!

ろくに単位とれてねーけど


一昨年とその一年前か?

就活始める一年前だな


まだ社会に出る前の自分がどれだけのんきだったか思い知らされる。


この時の俺は夢に向かって全力だったな。

そんなことを思い返す。

でもこのあと就職できて死ぬほど嬉しかったっけ。


もう少し頑張ってみるか。


そう思った俺がこの何年か後で課長にまで出世するのはまだ少し先のお話。


つまり人生何処に分岐点があるか分からない。

それを見つけ出してくれるのは、もしかしたら過去の自分かもってこと。まだ少し先のお話。


つまり人生何処に分岐点があるか分からない。

それを見つけ出してくれるのは、もしかしたら過去の自分かもってこと。

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