当選してしまった…
2030年、今日の日本を代表する週刊誌。
週刊ツライデーが9月末に世界初のタイムトラベルをする現役女子高生に独占インタビュー。
「おめでとうございます!世界初、四次元式時空旅行船ゲンナイタイムエクスプレスの体験者に貴方が選ばれました!」
「1月15日、午前9時くらいかしら、まさかと思って何度も見直したんです。 」
彼女は、くりっとした大きな瞳を輝かせながら、まるでついさっきの出来事の様に取材班に語ってくれた。
「だって私がですよ!こんなどこでもいそうで、学があるわけでもないしー、ましてや、運動神経が良いわけでもないんですよ。」…
「 おまけに私、まだ高校生じゃないですかー!いやもう、これにはほんとびっくり。」
2030年1月15日、世界が驚愕した。
竹橋高等学校1年3組鳩羽みづき。
彼女は世界初のタイムトラベラーに選ばれてしまったのであった。
「あっ、ちなみに現段階で、どこの時代に旅行しようとお考えですか?」
「それはもちろん!大正時代ですよ!」
彼女は張りのある声で公言した。別に誰も彼女が大正時代を選ぶ理由なんぞ分かるまい。
「堀川秋晴に会いに行くんです!あの"水草"を書いた、堀川秋晴に!」