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亡国の高潔花  作者: 因幡白兎
『超人』大戦記
6/9

蓬莱皇国首都・御京 国軍作戦総司令部

 これは、本編の数年前の話である。


 蓬莱ほうらい皇国首都御京みけい内国軍総司令部。

 蓬莱皇国兵部省兵部卿兼蓬莱皇国全軍総帥:山西やまにし慶四郎けいしろう

 蓬莱皇国兵部省陸軍元帥:鷹司たかつかさ三好みよし

 蓬莱皇国兵部省海軍元帥:雁澤かりさわ征一郎せいいちろう

 蓬莱皇国宮内庁第一親衛隊隊長:皇帝ファゥン・ディ

 蓬莱皇国兵部省特異能力兵団総指揮:聖帝宮せいていぐう皇児おうじ少将

 蓬莱皇国兵部省全軍医療課長:輝夜かぐや月光げっこう

 以上六名。いずれも国家の中枢に関わる人物たちである。


「それで、今回の定例会ですが、各者報告は?」


 まず、山西が口を開いた。

 軍事活動定例報告会。通称、定例会。月に二度、各軍の現状や開発の進捗を確認するための会議である。


「我が海軍からは特に。輸送船の襲撃も少ないですし、出兵はありませんから」

「現在、陸軍は広東との抗争を特異能力部隊の力を借り、優勢に進めています。簡単な見積もりですが、ひと月の間に終戦を迎えるでしょう」

「今、鷹司元帥が言った通りだ。特異能力部隊は現在、皇国陸軍と共同戦線を張って広東民国と抗争中。広東に送った部隊は天野あまの叢雲むらくも中佐率いる第三魔術大隊」

「医療の方に関して取り立てて報告することがないかな。使った費用の決済報告書は提出済みだから後で確認しておいて。それと兵器開発の方は順調だよ。新型のミサイルと魚雷、砲台、その他諸々、色々造りたいので、予算の拡張をお願いできるかい? これ、申請書」


 そう言って、輝夜が申請書を渡そうとした時だった。


「失礼します! 通信部より入電! シャーロット、ブリタニア両国が宣戦布告! 現時刻より十二時間後、攻撃を開始するとのことです!」


 会議室のドアが勢い良く開き、伝令が部屋中に響き渡った。途端、全員に緊張が走る。


「了解しました。恐らくですが合衆国は我が国の絶対国防圏であるカイパン島を狙ってくるでしょう。ただちに魔導兵と海軍で、共同戦線を編制し、カイパン島沖に配置。シャーロット合衆国軍を迎撃せよと指令を出してください。次に、現在広東民国に駐屯している陸軍並びに魔導兵各位には広東から我が国へ出港する軍艦を監視せよと伝えてください。


 最初に言葉を発したのは山西だった。伝令に命令を伝え、自席に深く座り直す。


「あ、いや。待て」


 聖帝宮が伝令を制止する。


「作戦変更。俺が直接出るから、海軍は出さなくていい。広東の方は変更なしだ」

「は、はあ。それでよろしいのですか? 総帥閣下」


 伝令は山西に聖帝宮の指示の是非を訊いた。


「……はぁ。分かりました。その指示でお願いします」


 溜め息を吐き、山西は命令の変更を受諾した。

 伝令は恭しく礼をして、会議室から出ていった。


「悪いな、総帥。じゃ行ってくる」

「少将」


 作戦変更の詫びをいれ、部屋から退出しようとした聖帝宮を山西は呼び止めた。


「今回は貴殿の我儘を許容します。ただ、一つ条件が……」

「なんだ?」


 山西は少し間を置いてから、その条件を話した。


「貴殿は国軍最重要機密ですので、あまり派手に動く過ぎないはようお願いします」


 それを聞いた聖帝宮は、しばらく山西と目を合わせた後、


「それぐらい言われなくても分かってんよ」


 不敵な笑みを浮かべ、会議室から退出した。

私は軍事とかそういうことに詳しくありませんので、専門的な知識とか全く知らないですが、温かい目で見守ってください。

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