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色恋route1

ひさしぶりの投稿です。

小説の存在自体を忘れていました。

 かおるとかいうおうぎの友達は随分と無理難題を言ってくる。

 ゲームの中なら攻略法が実在するし、やり直すことだってできる。

 現実は失敗は許されない。一度の失敗で人生が終わってしまうことだってある。

 なぜ現実を攻略しなくてはならないんだ。

 例えるなら動物園の動物は好きだが檻の中に入って触れあうの嫌だということだ。

 でも、授業が始まった今の時間は人が少ない。

 攻略とかする気は全くないが、話してみる価値はあるだろう。

 そう思い例の彼女に近づいてみた。


 「ぷぷぷ、この濃密な絡みつきが堪らないよ」


 なにやら本を呼んでいるようだ。

 声をかけてみよう。


 「君はなに読んでるのかな」


 「堪らんよ~はあはあはあ」


 返事がない。本に夢中で気がついていないのか。

 裏側に回り込んで、本のページを覗き込んだ。

 どうやら彼女は漫画を呼んでいるようだ。

 今のページはキスシーンだった。

 恋愛漫画か、俺が読んだことがあるのは「ときめきワンダー楽園~幸せの甲州街道~」ぐらいだな。

 今時の恋愛漫画とはどういうものだろうか。


 「超exciting」


 彼女はずっと独り言を言っている。真横に俺が座っていても気がついていない。

 どこまで気づかないのだろうか。

 少し実験をしてみよう。

 

 まずはホッペをツンツンしてみよう。


 「ゲイ♂ムはいいねえ~」


 まだ反応は無い。

 次は、ホッペをつねった。


 「攻めもいい。受けもいい」


 なんて人だ。ここまでしても反応がない。

 流石に目を手で覆い隠したら反応するだろう。


 「そういうプレイはあまり好きじゃないよ。晴井君

 「うわああああああ」


 驚きのあまり腰が抜けてしまった。


 「き、気づいていたのかよ」

 「ぷぷぷ、からかってあげようと思ってね。私に何のようかな」 


 「君の名前を教えてくれ」

 「私の名前は色恋 弥生。気軽に弥生と呼んでね」


 彼女は弥生と名乗った。


 「晴井君はこの本が気になるのかな」

 「みたことない本だと思ってちょっぴり興味がわいた」


 言葉を聞いた弥生は目の色を変えた。


 「気になるの? ねえ気になるの? ヤッター同士が見つかったー」


 弥生の風貌が急変した。よほどうれしかったのだろう。


 「そんな晴井君には特別にこの本を差し上げるよ」


 渡された本のタイトルは「夜の野獣覚醒編」

 

 「これってもしかして同人誌だったりする?」

 「おっ晴井君はこれが薄い本だと知っていたんだ。やっぱり、いい筋している」


 色恋 弥生やよいは、恋愛漫画好きだ。

 と、俺は思いこんでいた。

 厳密には恋愛漫画なのだが、ちょっと珍しい禁断の果実的な物だとは、この時気づくことができなかった。 

 

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