PROLOGUE-プロローグ-
2021年3月4日。市街に熊が出現、民間人1名が負傷したため、銃で射殺。
同年4月19日。山道で野犬数頭が出没、民間人4名が負傷、内1人死亡。野犬計6等を射殺。
同年7月5日。市街に熊数頭が出没、民間人が多数負傷。危険大と判断したため射殺。
あくまで個人的な見解だが、人間は結局、他の生物との共存の道を捨てた。
ここ10数年で何10頭ものペットが捨てられ、殺処分されている。農園で何かウイルスが蔓延すれば、感染した家畜だけでなく、まだ感染していない家畜まで纏めて殺処分されてしまう。人間による世界支配は着実に進んでいる。
しかし、それはあまりに残酷ではないか。人間が支配者として君臨する前、誰がこの地を支配していたか。どれだけの動物の助けがあって人間が生きていられると思っているのか。
そこで考えた。
彼等に、この世界を返すのだ。
今1度、彼等に自由を与える。僕が、そのサポートをする。
小さい頃から動物は大好きだった。でも、人間だけはどうしても好きになれなかった。
「……完成だ」
準備は整った。
僕はこれから、計画を実行に移す。どれだけ蔑まれても構わない。この命がどうなろうと構わない。
僕が、ノアになるのだ。