─2nd─
育成クラスに入り、最初は麻里コーチに教えてもらっていた。
元から育成コースにいた子もいて、その子たちが水城コーチに教えてもらってる。
練習の日にちは増えたが、麻里コーチとこれまで通り毎日楽しくやってた。
試合にはまだ出る予定はない。
ていうか、出れるレベルではなかった。
育成クラスに入って一ヶ月した時、水城コーチから、
「秋の大会に出るぞ」
と言われた。
「でも、このままじゃ出れない」
そんなこと、当時の私にも分かってた。
「今日から俺がお前らの担当のコーチになる」
私と真奈と莉奈とそして一つ年下の紗代。
この4人が水城コーチが持ってくれることになった。
その日から秋の大会まで本当につらい練習が始まった。
毎日のように怒られ、しばかれ、終わるまで返してもらえず……の日々が続いた。
正直本当につらくてやめたかった。
けど、他の3人もいて、私にはそれが支えとなり大会まで頑張れた。
……だが。
私は不安と緊張で前日の夜から高熱を出して寝込んでいた。
平均台はやっと上で出来た後ろブリッチと前ブリッチ。
それが不安すぎて、試合に出たくなくて。
運がいいって言うか……とにかく熱が出ていた。
そして試合当日。
熱は下がることなく、お母さんからは
「試合だけでてそのまま帰る?」
って言う案も出されたが、
「フラフラするからやめとく……」
と私は結局いかなかった。
これまでしてきた苦労が水の泡…だけど、私は不安で行きたくなかったから、行かなかった。
そんなこんなで私の初めての試合は出ず、5年になり、自然に私は選手コースへと上がった。