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交戦準備と~初心に帰って?~


「俺の持ち物、ね……」



昨日の今日なので武器なんて碌なものしかない。

つーか銃とかどっから仕入れてきてんですか皆様。

…俺が例外ってのはわかってるけどさ。


「携帯、ピアノ線、ナイフ数種、電動ガスガン、万能ツールに巨大な布ってとこ?」


これ終ったら即効で色々買い揃える。決定!

昨日までこの学校の真実もなにも知らなかったんだ、しょうがないだろ?

ナイフとガスガン持ってただけマシだ!

だから胡散臭そうに見つめないで下さいますか?井上さん。


「アンタ、ここについて難易も知らなかったのよね」

「そうだけど?知ってたら入学拒否するなりもっとそろえるなりしてたからな」


面倒だけど。それでもせめて楽しむ努力はした…かもしれない。


「じゃあなんでナイフ持ってるの?それにピアノ線にガスガン…」

「それは…」


なんでかって?なんでだろうな。

ナイフは基本脅し用。なんだかよく絡まれるんだ。

一応女なのに大人数でよってたかって…まったくひどいったらありゃしない。

ガスガンは前世でサバゲーやってたことがあったからなんとなく。

ピアノ線は断言しよう。サボリ用だ!


なんて、そんな理由を言えるはずもない。

一番最後はまだいいんだよ。セレクト理由はロープより丈夫で隠しやすかったってだけだし。

でも二番目はダメだ。

前世なんてどこの電波だって思われる。

なんて思われてもいいんだけどここでまた指示に従ってもらえなくなると面倒だ。

…アレ?でも全部任されても面倒じゃん。

四面楚歌?いや、使い方が違う。


「趣味」


誤魔化されてくれるとは思わない。

いくらなんでもそこまで馬鹿じゃないだろう。…いや、そもそも馬鹿でもないんだけどな?多分。

だからそこに込められた意味も汲み取ってくれ。


「…ま、そこまで手の内を明かせとは言わないわ」


ありがとうございます?

ま、でも言いたくないって悟ってくれたことには感謝する。

ここでツッコンだこと聞いてきてたら今後一切信用できないとこだったよ。

なんでも話してなんでもたずねて。秘密が一切ない信頼なんて、逆に信用できないだろう?

少なくとも、俺はそんな奴だ。


「あーこれからどうすっかね」


偵察してきた範囲…つまり気軽に行動できる範囲にあの金色達はいた。

移動している可能性もあるが出会いたくない。

というか正直いってここから自発的に動きたくもない。

向かってくる奴を相手してやるだけで充分だと思ってすらいる。


潰した敵の数は関係ないのだから当然だ。

量より質。…なんて偉そうに言ってみるが実際にはどちらにせよ面倒だろう。

つまり結局同じこと。そして我が相棒は出来ることなら戦って、倒したい。

まあつまり、そういうことだ。


「さて井上さん」

「何?」

「ちょっと耳を貸して腕を振るってもらおうと思って?」


でも俺はマジになったりしない、できない。

この程度のことに本気になれるというのなら今頃、前世でもやりがいを感じていただろう。

理由を、目的を見つけられただろう。

全て面倒にしか思えなくて、何にも対して何か抱くことがなくて。

あったのはただ面倒でも嫌いな退屈を紛らわすために楽しむという趣向だけ。

今俺が真面目に考え、行動し、提案するのも『楽しむため』に他ならない。


記憶がなくなれば変わっていたかもしれないが生憎俺は記憶持ち。

意識もそのままに無気力に娯楽だけを求める人生を生きている。

別にな対して何か感じたりしないけどさ。


「あのさ―――しかけね?」


自分について再確認。

無駄な思考を頭に廻らせながら、それとはまったくって別の言葉を口にする。



これ以上ただの面倒を許容するのはごめんだ。

初心に戻って後先考えずに色々無駄をしてみましょうか!

でも慎重に、いい標的が見つかればの話だけれど、な?

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