拠点決定~絶対領域何㍍?~
現在、移動中
森の中を駆けてる最中。いや、林か?
そんなことどうでもいいけど
それにしてもすごいな、ここ
「トラップだらけだな…」
「すでに何人か脱落してるかもしれないわね」
まだ開始十数分なのにって?
いやー普通にありえるとおもうな…
トラップの一例を挙げてみると
まず幼稚な落とし穴。避けてみればそこにまた穴。
次にそれを避けて飛べば降ってきた刃物の数々。
更にその刃物たちに紐を切られ土石が頭上飛来。
へたによければまたトラップのエンドレス
よかった。色々なスキル買いあさっといてよかった
『身体能力大幅強化』と『超人並の体力』なかったらすでにアウトだったさ
井上さんも銃背負って動き回ってる割にそこまで息切れてないから鍛えてるんだろうな。
俺のは所謂チートだが
「とりあえず拠点決めねぇ?
あとはぐれた場合の合流地点に、片方が腕章を奪われ片方が生き残った場合の行動とかさ」
「…そうね。拠点もなしに戦闘はさけたいわ。
…とりあえず今はアンタに任せてみる」
いきなり素直って不気味だな…
まあ戦闘は避けたい。俺は遠距離でも近距離でもokだが狙撃となるとなー…
迎え撃つじゃダメなんだ。いやそれでもいいが時と場合による。
発見した時点で至近距離とかだとアウトってのはさっきから散々考えてるし
あれ?こうしてみると狙撃って暗殺の部類に入るのか?
でも俺の暗殺定義微妙だし…所詮十人十色ってことで思考中断!
「ベストポイントは他より多少高くて足場がしっかりしてるところ。
それと他の組の接近が分かりやすいといいよなー…」
高すぎると逆に目立つからな。
他より少々高めの木なんかがいいなー…
足場云々は銃の反動とかもあるからなー。
そういえば…
「その銃の種類って何?」
銃自体の有効射程と本人の狙撃可能範囲(この場合は当てるだけではなく正確に狙った場所を打ち抜けるかという意味)は知っとかなきゃいけねえよなー
適当に楽しみたいだけなんだから人死だすのもどうよってことで。
ま、殺しにくるなら遠慮はしない。してやるワケがない
「ドイツ製の軍用狙撃銃『H&K MSG-90』よ。
装弾数は5もしくは20。有効射程は700m」
「アンタが確実かつ正確に狙える距離は?
あ、ちなみに堅実な数字で頼むぜ」
多少苛ついたようだが頭をふって考えてくれてありがとう
自分で出来ると思ったことなんてあんまり役にはたたないんだよ
特になんでかは知らないが訓練を受けているような人の自己評価は。
本当の戦場においてマニュアルとか言ってらんないし、練習中の結果が出せるハズはないから。
慣れてるとかそういうのじゃなけりゃよくて半分の実力出せたら上等!
当然俺も例外ではないが…普通では少なくとも、ない
「指定したところを確実にってことなら…500…いや、半分以下」
「こういった模擬実践の経験は?」
「悪いわね、ないわ。
そういうアンタは?見たところ、武器もないけど」
睨むな。煩わしい
アンタに模擬とはいえ実践経験があってたまるか
いくら前世の世界とは同じようで違っているこの世界でも、だ
だから最初から期待はしてないさ
少なくともアンタはそんなふうじゃないって分かってて聞きましたしな!
「暗殺しますってやつがあからさまな武器もってるのってどうよ。
姿を見られず、証拠も残さず、瞬殺ってのが理想じゃね?(いやどうだか知らないしそれっぽいこといってるだけですが?それに暗器の定義があやふやだからいろいろ持ってますし?影使いの能力併用してることもあってなんでも取り出せる便利屋状態だしさ)」
副音声はきにしちゃいけねぇよな
でも暗器使いのスキルって便利なのかなんなのか微妙
なぜなら重さは消せるわけじゃないから
「ま、取り合えず…あの木、いいな」
周りから孤立はしていない
でも普通なら他の木から飛び移れる距離にもない(俺みたいな反則は抜きにして)
周りは落ち葉に枝が落ちまくっている。
つまり容易に足音は消せない
高さも上は飛び出てはいないし真下からでも見ないと普通なら外側からは見えない。
しかも枝はしっかりしてるし多いから銃撃った反動だって平気だろう
「幸い他の組が拠点にしている形跡もない。
決定なー」
「……しょうがないか。
いつまでも動き回ってるわけにもいかないし」
体力は消費する神経はすり減らす
たしかにな
さて期間はたったの(今日含め)三日!
タイムリミットは二日後
このまま何もなければ好成績でもないだろうがペナルティも食らわないだろう
まぁ世の中そううまくはいかないし
悪い予感こそ当たるもの
何事もなく?
希望的観測ですね!