第11話 休憩スキル
ルミナス城の訓練施設でマリア王女から魔法の授業を受けている。
残念ながら2人きりではなく護衛も同伴での授業だ。
「休憩スキルを試してみませんか?」
マリアも休憩スキルの効果に興味はある。
女神がチートと言っていたけれど本当なのだろうか。
「あれ?
休憩ってどうやって使うんだろう?」
ふと疑問に思う……
鑑定と同じように念じるのだろうか?
『(休憩!!!)』
何も起こらない……
「何も起こらないですね?」
不安に思っていると、
俺の身体の周りが青く光だしてきた。
「ま、マリア様!」
「クリス、どう?体に変化はありますか?」
マリアも焦っている。
新しいスキルの効果を解明しようとしているのだ。
俺もマリアも平常心ではいられない。
さて、どんな変化があるのだろう。
名前:クリス・レガード Lv.5
MP:50
取得スキル:
休憩 Lv.1
スキル使用によりMP全回復。
使用回数 1日1回
取得魔法:火魔法Lv.1
「マリア様!MPが回復しています!
しかも10増えています」
「クリス、凄いわ……
魔力全回復するには、一日必要です。
それをたった数秒で回復するなんて……」
通常回復に加えてスキルでも回復できる。
ちょっと待てよ?
鑑定結果を見落としそうになったけど……
「ちょっと待ってください…
マリア様、火魔法のスキルが出てます」
「え?基本魔法が火魔法に発展することは、
無いのですが」
名前:クリス・レガード Lv.5
MP:50
取得スキル:
休憩 Lv.1
スキル使用によりMP全回復。
使用回数 1日1回
取得魔法:火魔法Lv.1
たしかにファイアボールの記載が、
火魔法に変わっている。
「マリア様、
やはり火魔法に変わっています」
「クリスのスキル、凄いかもしれません!
私の腕輪をお貸しするので
スキルを見てみませんか?」
どうやら鑑定レベルの高い腕輪は、
鑑定できる項目が増えるそうだ。
「ひ、姫さま、それは国宝です!
他人に貸すなど」
護衛がマリアを止めようとする。
とんでもなく貴重な腕輪なのかもしれない。
「いえ!クリスの人生が変わるのです。
命の恩人に貸しても良いはずです!」
マリアは意外にも頑固だ。
言い出したら聞かないことは護衛は分かっており渋々諦める、
「お、おい!お前、
終わったらすぐに返すのだぞ!
この腕輪は途轍もなく貴重だからな」
護衛がクリスにそう伝えると、
マリアが腕輪を渡してきた。
かなりの魔力を秘めているように感じる。
鑑定……
名前:クリス・レガード Lv.5
MP:50
取得スキル:
休憩 Lv.1
スキル使用によりMP全回復。
使用回数 1日1回
※使用したスキルを休憩使用後に取得可能。
使用スキルの魔力消費が条件。
取得魔法:火魔法Lv.1
「マリア様、今確認できましたので、
メモに書いてお見せします!
後、こちらもありがとうございます!」
「鑑定結果が出て良かったわね」
マリアも笑顔で腕輪を受け取る。
高価な腕輪を借りるのは気が気でなかった。
隣の2人の護衛も凄い形相だったからだ。
「こ、これは凄い結果が出たわね」
マリアは鑑定結果のメモ用紙を見て驚きを隠せない。
「正直、魔術師は才能が必要な職業です」
「儀式のスキルということですよね?」
「そうなのですが……
クリスは休憩により新たなスキルを
獲得出来るのです」
「これは規格外のスキルだ」
護衛の1人が黙ってられず口を挟んでくる。
それだけに凄いことのようだ……
「あなたはこのスキルを使えば、
圧倒的なレベルにまで力を高められる」
「マリア様、たしかにこのスキルは、
規格外ですけど……」
魔力消費を要するスキルであれば、
休憩スキルで何でも覚えられる。
はっきり言って規格外にも程がある。
しかし俺は、休憩スキルの欠陥に気づいてしまった。
それを俺はこれからマリア様に打ち明けていく……
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