表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
護衛は必要ありません。私は暴風令嬢ですから!  作者: 夏風
第1章 公爵家の暴風令嬢!
6/61

第6話 令嬢たちは見た~クラウディアの場合~

 脳筋――その名が決して良いものではないことぐらい、幼い私でもわかっていた。

 噂に踊らされるなんて浅はかだと思う……価値観など違うのに。


 私は『クラウディア』。

 レイチェイン公爵家の娘です。

 我が家は公爵という爵位を賜る中で序列としては3位にあたると聞いています。


 この度、リーシュベルト公爵家が主催する誕生パーティに招待を受け、会場に来ました。

 件の脳筋とは、招待元のリーシュベルト家のことを表しています。

 なんとも不愉快な話です。

 会場の盛り立てるために計算された配色のテーブルクロス。

 種類を豊富に取り揃えられた料理。


 やはり噂などあてにならないものです。脳筋などと呼ばれるような短絡思考ではこのようなセッティングなど、とてもできるはずないのですから。

 それに前に一度だけ目にした彼女は、脳筋とは程遠いものだったことはよく覚えています。


 リーシュベルト家当主の挨拶が終わり、邸の扉が使用人によって開かれると、中から兄にエスコートされて本日の主役フレイスリア様が姿を現しました。

 その姿に会場の誰もが目を奪われているのがよくわかります。


 あら?彼女に花束を渡した男の子……私と同じくらいかしら?初めて見たわ……可愛いわね。

 花束を受け取って微笑を浮かべるフレイスリア様も可憐ですが、私は彼女に花束を渡した男の子のことが気になり、父に尋ねると彼はフレイスリア様の弟のテオドール様だとわかりました。


 少しお話してみようかしら……なんて思った時でした。この場をぶち壊してくれる悪魔が来訪したのです。


 目の前に広がる信じ難い光景に私は驚きで声も出ませんでした。

 しかし、それもその時だけのこと。


 この場の主役であるフレイスリア様の乱れた髪や衣装、周りに心配をかけまいと気丈に振る舞うその姿を見て、私は言い表しようのないほどの怒りが沸き上がってくるのを感じました。


 そして、帰りの馬車の中でテオドール様と一言も話せていないことに気付き、一人落胆するのでした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ