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護衛は必要ありません。私は暴風令嬢ですから!  作者: 夏風
第1章 公爵家の暴風令嬢!
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第1話 私は暴風令嬢と呼ばれています

いきなりの新タイトル……勢いって恐い……

 ここはアスタリオ王国の首都『ハイロマーシュ』の街中の一角。

 そこに見れば、高貴な身分の人間だとすぐにわかる少年と少女、その護衛が身構えていた。

 彼らの眼前には明らかに敵意を自分たちに向ける男たちがいて、悪いことに囲まれている。


 「王太子殿下とご令嬢は我らの陰に!」


 ――王太子殿下

 王太子が市井を視察に出たところを狙われたようだ。

 視察中の王太子に同伴しているのだから、令嬢とは懇意なのだろうか。


 男たちが一斉に王太子に向かってくる。

 それに対して護衛たちも黙ってはいない。各自がしっかりと敵を抑える。

 そこを王太子がマナを使ってサポートしようと集中すると、死角に隠れていた一人が、護衛の隙間を抜いて王太子に迫る。


 「殿下!」


 その男の姿を認めた護衛が声を発するが、完全に反応が遅れた。

 凶刃が王太子に迫る。

 そこへ――


 「殿下危ない!」


 殿下の脇に控えていたドレス姿の令嬢が、向かってくる男に対して跳び蹴りを見舞っていた。

 男は予想していなかった令嬢の跳び蹴りに全く反応できず、それは男の顔面に芸術の如く鮮やかに決まった。


 令嬢は視察のためブーツを履いており、ヒールのように踵が鋭利なものでなかったため、顔面に風穴が空くことは無かったが、鼻の骨が砕けてはっきりと変形し、みっともなく鼻血を垂れ流して気絶していた。

 令嬢はサッと立ち上がると、王太子へと振り返る。


 「殿下、ご無事ですか?」


 その声は淡々としており、微塵の動揺も感じさせない。この状況ではそれに安心感を覚えるところだが、王太子は首を押さえたまま、片膝をついて蹲っている。

 そんな彼を見て、令嬢の頭の中に疑問符が浮かび首を傾げる。

 王太子は痛む首を押さえながら、何とか顔を上げて令嬢を睨む。


 「お前に殺されかけたわ!」


 ドレスで跳び蹴りをしたため、王太子の横を高速で抜けた際にスカートの裾が顔に引っかかり、思いっきり首を捻ったようだ。

 だが、彼の言葉が終わるのを待つことなく、令嬢は次の敵へと向かっていった。その光景を見た王太子は、憤慨した様子で足を踏み鳴らしていた。


 その後、王太子を狙った不埒者どもは瞬く間に制圧された。

 ズキズキと痛む首を護衛が持ってきた濡れたハンカチで冷やしながら、王太子は険しい顔で令嬢を見る。

 その視線に気づいた令嬢がスカートの裾を上げて優雅にお辞儀する。


 「殿下、御身がご無事で何よりです」


 淡々とした抑揚のない言葉からは、彼女の感情を全く感じさせない。

 その言葉を聞いた王太子は俯くと、ワナワナと肩を震わせた。

 首を押さえていたから痛むのだろうことは察していたが、他にもどこかケガをしたのではないかと、令嬢が思った時だった。


 「この暴風令嬢がー!」


 王太子の怒号が街中の一角に響き渡った。

文字数などはかなりバラつきが出ると思います。

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