~今日もメモリー改ざんが忙しいです~
19時50分
バイクの音が近づいてくる。
「やっと来たかー」
扉が開く。
「悪い。遅くなった」
「お疲れー猫ちゃーん。大丈夫よー」
「ほら、これ」
「やったー!」
「それで男はどこだ?」
「地下の部屋にいるよー」
「尋問するか」
「待ってー先にこれ食べちゃだめー?」
「お前は食べてろ。俺一人で大丈夫だ」
「分かったー。なんかあったらキャーって叫んでー」
「なんでだよ!平気だ!」
「へへへー」
真治は地下に降りていく。
部屋に入る。
男は意識を取り戻していた。
「よう猫田」
「俺の名前を知ってるんだな」
「なにもかも知ってるぜ」
「なぜ鼠太を襲った?」
「俺は何も話さねぇ」
「そうか。別に構わん」
そう言うと真治は近くに置いてある装置を男の前に持ってきた。
「なんだそれは」
「何も話さないんじゃなかったのか?」
男の右手を装置に入れる。
スイッチを入れる。
ウィーン…ガコンッ
「ぎゃー--------!!!」
男が叫ぶ。
「どうだ?指と爪の間に針が刺さる感覚は」
「ううっぅぅうううううーっ!!」
「今はとりあえず親指だけだ。答えれば外してやる」
「ふぅぅううっ。俺はっ何も話さない!!」
「そうか」
ウィーン…ガコンッ
「っああああぁぁぁあぁああ!!!」
「人差し指」
ウィーン…ガコンッ
「ぎゃぁぁああー----!!!」
「中指」
ウィーン…ガコンッ
「うあぁぁああああー--!!!」
「薬指」
「分かった!!!話す!!!俺に分かることは全部言うからやめてくれ!!!!!」
「よし。なんで鼠太を襲った?」
「ハァ、殺せと言われたんだ、ハァ」
「誰に?」
「名前は知らない」
「男か?女か?」
「それも分からない。電話で指示されたが声は変えていて分からなかった」
「なるほど。依頼主の居場所は?」
「それなら聞いたことがある」
「どこだ?」
「それは」
突然男のネックレスが赤く光り出す。
ピピピピピピピピ
真治は急いで部屋を出る。
ドカンッ!!!
爆発音が部屋から聞こえた。
隙間から煙と共に血が流れてきた。
「クソ!仕掛けられていたのか!」
「モグモグ、ふぁいふぉーふー?」
「きゅう、来るな」
「ふぁんふぇ?」
「男は…爆発した」
「ふぁ?!」
「多分ネックレスに盗聴器と爆弾が仕掛けられていたんだ」
「ふぁふぃふぁふぃふぇふぁ?」
「何?」
「モグモグ、何か聞けた?」
「いや、聞けなかった。とりあえずお前を襲った理由は誰かから電話で指示されたからみたいだ」
「そうかーモグモグ」
「あとで片付け手伝ってくれ」
「ふぁーい」
死体を片付け終えた二人は一階に戻りそれぞれの位置に座った。
「あぁ、疲れた…」
「疲れたねー」
「今何時だ?」
「21時20分だねー」
「そうか…少し休みたいな」
「ダメだよー猫ちゃーん」
「ん?」
「権田社長に連絡しないとー」
「そうだった…忘れてた。今から電話するか」
プルルルル、プルルルル、プルルルル
「もしもし?権田社長でしょうか?お待たせしてすみません。CATです」
「あーCATはん!遅すぎますがな!何かあったんか?」
「いえ、私情です」
「そうでっか!じゃあ今すぐ行きますわ!」
「ですが鉱石等はこちらに届いていませんが」
「あーちゃいますちゃいます!今回は個人的にお願いがありましてな!」
「個人的に?」
「わしのお気に入りの物のメモリーを変えてほしいんですわ!」
「なるほど」
「ただし条件があんねんけど!」
「条件ですか?」
「せや!今回の物のメモリーは見ないでほしいねん!」
「なぜですか?」
「人には言えないこともありますやないか、CATはん」
「なるほど。分かりました。では報酬は知っての通り隕石でお願いします」
「少しまけてくれまへんか?」
「いえ、報酬は内容や規模に限らず隕石と決まっています。」
「いかついのーCATはんは!がはははは!」
「では、よろしいでしょうか?」
「こっちの条件も飲んでいただけまっか?」
「はい」
「ほなそれで頼んますわ!今からそっちに向かいます!」
「お待ちしております。それでは」
ツーツーツー
「どうだったー?」
「今回は個人的な依頼みたいだ。メモリーは見るなっだってさ」
「じゃあ‘アレ’使うの?」
「あぁ、使わせてもらおう」
二人は準備を始めた。