表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
獣鬼獣従  作者: 戦風
41/41

後日談 各キャラクター情報



 国立第三柱器学園全学校、そこは日本のとある県の山奥に建つ巨城を指す。ヨーロッパ風の、白を基調とし城の()()は学校として、()()は日本中の神器や獣器たちに様々な任務を斡旋する場として。


 先日の反世界組織……“ノアの方舟”と名乗る集団による大規模な襲撃を受け、甚大な被害を出したものの突如として現れた悪魔による軍勢“元ソロモン72柱”の活躍により世界の平和が保たれた。しかし、その後も様々な事後処理に城の関係者たちは日夜働き続けている。



『……気持ちはわかるがな、いつまでそうして塞ぎ込んでるつもりだテメェは。こっちは猫の手も借りたいぐらいだぞ』



 教員棟の一室、明かり1つない部屋の入り口で腕を組む金髪の男は返事のない部屋の主人に深い溜息を吐いてから腕を組み直す。



『……囚われ、人柱にされた3人の内、怪白美は死亡。常闇は未だに意識不明……匣重は生還したが、精神を病んで実家で療養。


 同情はする。だがな、お前が出来ることは何もなかった。お前よりも遥かに強いアイツらが下されたのに、お前に何か出来たとは思えねぇ。


 ……教え子を失ったのは辛いだろうよ。俺だって、そうなっても可笑しくなかった』



 第十位級 神典 罪区特殊異界学校


 それは今回の襲撃の中でも被害者が多く、凶悪な事件だった。死者は三百を超えて大人も子どもも、遺体すら見つかっていない者が多い。奇跡的に生還したのはたった9人。あまりの被害者数に捜査が難航したものの、謎の紙切れが発見されたことにより被害者の身元の調査は大幅に進んでいる。


 そして、この神典を展開するために犠牲にされた三柱の神の内、1人は死亡。もう1人は未だ意識不明。最後の1人は、目覚めたもののあまりの罪の意識に精神を病んでしまった。



『いつまでも泣いてたって、お前の生徒は帰って来ねぇぞ。


 アズ』



 ベッドの上で、虚ろに締め切られた窓を見つめる男は自分の名前に反応しない。また膝を抱えて泣き始めた男に、金髪の男……火黒は黙って部屋を出ると乱暴にドアを閉めてから立ち去った。


 外で自分を待っていた教え子たちがその後を追いかけ、心配そうに締め切られたドアを振り向いては立ち去る。


 廊下には、愛する生徒を失った男の悲しげな泣き声が響くばかりだった。







 丹小櫓家では、1人の男が自身の兄と対峙していた。緊張した面持ちの弟とは違い、和装の兄の方は黙ったままの弟をいつまでも待つばかり。



『……記憶を、封じられてる気配がする』



 やっと絞り出た弟の言葉に、兄は一瞬だけ目を見開いたもののすぐに無表情に戻る。少し逸らしていた体を正し、しっかりと2人は向き合う。



『して。


 お前はなんとする、海我。当然お前にそれを解く術はなく俺もそれを解く気はない。お前は家を出て、大学に行くはずだ』



 丹小櫓家という特殊な家柄を学ぶことなく、平穏な一般の大学へ。


 しかし海我は、今まで家のしがらみから逃げ続けた男は、首を横に振った。

 


『俺には、丹小櫓家に相応しい神格は備わってない。勉強も……してこなかった。理解したくもなかった。


 だけど、だけど兄貴。


 俺……、おれっ!! 今逃げたら……ダメなんだよ、よく……わかんねぇ。わかんねぇけどさ。もう一度、学び直したい……です。神器にはなれない、だけど……それをサポートする側には回れるはずだろ!?


 頼むよ、兄貴……でないと、俺


 俺、よくわかんないのに……わからないまま、終わりたくないんだよっ』



 世界は確かに傾いていたはずだった。


 それが神によるものだろうと、海我は家柄のせいか気付いていた。しかし……巻き込まれたはずの自分は五体満足で、心には何かが欠けている。


 その違和感に、海我はずっと問い掛けていた。



『雑用でもなんでも、最初から始める!! だから俺に、世界のことを少しずつ理解させてほしい……、


 誰かの、愛した……守った、世界なんだろ……?』



 止まる者がいれば、歩み出す者もいる。


 海我の兄、深海みかいはまさかそれが自分の、あの弟だとは思わず空を仰いだ。頭を下げ続ける弟の頭をパシリと叩き、廊下を歩き始める。


 頭を抱えて呆然とする海我に振り返り、手を招く。



『来い。今からスタートラインに立つなど、お前は本当に愚図だ。


 だが。愚図だが、愚か者と罵らなくて済んだのは幸いだな』






 世界は救われた。


 しかし、平和はいつも何者かの魔の手に晒され、儚く散るものだ。


 とある悪魔に愛され、奇跡を生み出した人間のこの物語を多くの人間が記憶し、その跡を継ぐために立ち上がる


 これは、そんな物語の終わりであり、始まりだった。





“キャラクター紹介と能力、一部称号”


・愛望尊

獣器 斉天大聖

称号 斉天大聖の愛弟子


・羽降たゆた

獣器 悪魔 ライム(ソロモン72柱)

獣器 オーガ (白呪)

神器 事代主命

称号 悪魔の愛し子

称号 翼を得た者


・兵児新食

獣器 愚者

称号 逆を向く者


・卯月千之助

獣器 ガルム

称号 先導者


・夕凪ハヤブサ

獣器 魃

称号 学園最速


・丹小櫓海我

獣器 ケルピー

称号 海の一族の末裔


・十刃笑

獣器 針女

称号 気配り上手


・加州芽々

獣器 ゴーレム

称号 小さな巨人


・魔堂きぐね

獣器 ダンピール

称号 ヒステリック女王


・母上専也

獣器 目目連

称号 ゲームマスター


・火黒穢麦

獣器 空亡


・守郎勝命

神器 ニケ


・床赤路麗

神器 ヘパイストス


・網前微

神器 アパイアー


羽ヶ者(はねがもの)生内(いない)

神器 蚩尤


黒ノ巣(くろのす)像牛(しょうきゅう)

神器 モレク


常闇(とこやみ)魔多羅(まだら)

神器 テスカトリポカ


匣重はこえ希望きぼう

神器 パンドラ


怪白美かいはび待美まみ

獣器 エキドナ


・東骨大強

獣器 がしゃどくろ


・水喰有

獣器 ペルーダ







これにて獣鬼獣従は完結となります。ご愛読いただき、本当にありがとうございました。物書きとしてまだまだ未熟ですが誰かに読んでいただけるのは本当に幸せでした。

拙い作品でしたが、この完結を機にまた新しい作品に取り掛かっています。またあなたに読んでいただけるような物語を目指して精進します。

ふぁーいと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ