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「ミーシャさんっ!」


「もう!エンディミオン様ったらミーシャでいいって言ったのに・・・。」


キャッティーニャオンラインにログインすると目の前にミーシャさんがいた。


このキャッティーニャオンラインでは、ログインした際は前回ログアウトした場所から開始となる。


ということは、ミーシャさんもオレと一緒にログアウトしたということだろうか。


「待っててくれたんですか?」


「当たり前でしょ・・・。だって恋人なのよ。一緒に過ごしていたいし。」


ミーシャさんはそう言って照れたように笑った。


思わずオレもつられて照れてしまった。


「・・・ちょっとぉ。そこ、いちゃついてないでくれるかな?」


ミーシャさんと互いに赤面していれば、そこに割り込んでくる声があった。


誰だよ、オレとミーシャさんの時間を邪魔するのは!と思って振り返るとそこにはマコッチがいた。


「マ、マコッチ・・・。」


「どうもー。マコッチです。エンディミオン様の唯一の友達です。よろしくお願いしますねー。お姉さま!(優斗の唯一はあたしなんだからね!)」


マコッチはそう言って笑顔でオレとミーシャさんの間に割り込んできた。


「えっと、あの・・・ミーシャといいます。エンディミオン様の唯一の恋人です。よろしくお願いいたします。(この子もしかしてエンディミオン様のことが好きなのかしら。でも、残念ながら私がエンディミオン様の恋人なんだから。)」


最初こそいきなり登場したマコッチに驚いていたミーシャさんだったが、マコッチに対して笑顔で接している。


でも、二人ともとてもいい笑顔なのになんだか少し雰囲気が怖いような気がする。


どうしてだろうか。


二人の間にバチバチッとした火花が発生しているような気がするんだよねぇ。


「ねえ、お姉さま?エンディミオン様とパーティー組んでるんだよね?あたしもパーティーに入れてくれないかな?鍛冶師だけどそれなりに強いよ?(入れてくれるよね?ね?)」


マコッチがオレたちのパーティに入りたいと言う。


できればしばらくはミーシャさんと二人だけのパーティーがいいんだが・・・。


そっとミーシャさんに視線を向ければ、ミーシャさんは困ったように微笑んでいた。


「・・・エンディミオン様がよければ、私は構いません。(エンディミオン様の唯一の友達なら邪険にできませんし・・・。本当はエンディミオン様と二人だけがいいのですが・・・。)」


そうだよね。


ここでダメなんて言えないよね。普通は。


ちょっとダメって言って欲しかったとは思うけれど仕方がないだろう。


「マコッチ、オレたちは恋人になりたてなんだから少し遠慮してくれよな?二人っきりでいたいんだよ。」


「まあ!(エンディミオン様ったら!!もう。うれしいことを言ってくれるんだから。)」


「そ、そんな。そんな、エンディミオン様・・・。(なんで、なんで優斗、あたしも一緒がいいのに・・・。どうしてポッと出の女のことをそんなに大切にするの?あたしとの友情は・・・?)」


嬉しそうな顔をするミーシャさんとは反対に泣きそうな表情をするマコッチ。


「マコッチ。そんな泣きそうな顔をしないでくれ調子が狂う。パーティーは違ってもマコッチが大事だってことには変わりはないんだから。」


マコッチの元気を取り戻すように精いっぱいの慰めの言葉をかける。


って、オレなんかすっごいくっさいセリフを言ったような気がする。


まずかったかな・・・。


チラッとミーシャさんを見ればとても微妙な顔をしている。


やっぱりオレのセリフはくさかったか・・・。と、オレはがっくりと肩を落とした。


が、ふとマコッチの方を見ると目をキラキラさせてこちらを見ていた。


あれ?


マコッチには有効なセリフだったのか?


「わかった!じゃあ今はパーティーに入れてほしいなんて言わないね。でも、落ち着いたらパーティーに誘ってくれたらうれしいな。あたしずっと待ってるからね!」


マコッチはとたんにニコニコし始めるとそう言ってどこかに行ってしまった。


いったい、マコッチは何をしに来たのだろうか・・・?







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