表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

アーケアの村

「… 九十八 九十九 百!」

 村の広場で一人素振りをする少年がいた。彼はただひたすらに毎日権を振り続けた。毎日百回の素振り、これだけは雨の日も欠かさずに続けてきた習慣である。

「お、シクロじゃないか。修行の帰りかい?」

「うん!おじさんは?」

「畑で野菜を収穫してきたところだよ。そうだ、今日はたくさん取れたから少し持ってくといい。」

「いつもありがと!」

 このアーケアの村は全ての村民を合わせても十九人しかいない。だから村人同士の仲はいいし、みんな助け合って生きている。




「おかえり、シクロ。ご飯できてるわよ。」

「ただいま。マイトおじさんが野菜くれたよ。」

「あら、ありがたいわぁ。」

「じゃあ、俺汗かいたから着替えてくるね。すぐ戻ってくるから待ってて!」

 そうして俺は着替えをし、駆け足でリビングへと降りて行った。いつもは母さんと二人で晩御飯を食べているのだが今日は違った。母さんと誰かの話し声が聞こえる。

「なんで父さんがいるの!?」

「そりゃお前の誕生日が明日だからだよ。明日は成人の儀でいないだろ?だから今日祝おうぜ。」

そうなのだ。うちの村では十五歳の誕生日に成人の儀を行う。実はアーケアの村には結構な歴史があって、神話の時代から祀られている石碑があるという洞窟に祈りをささげるというのを太古から続けてきたらしい。この洞窟というのがまた遠くて朝早くに出なければならないのだ。

「あぁ、そういえばお前に土産があるんだ。誕生日のプレゼントだ。」

そういって父さんは布に包まれた長いものを取り出した。

「王都で打ってもらった剣だ。ソルライト鉱石を入れてもらったから軽くて丈夫だぞ」

「まじで?!ありがとうっ!明日はこの剣持ってくよ。」

「おう。がんばれよ。じゃあ飯食うか!」


ー食後ー

自室にて

 (成人の儀には危険が伴う。でも俺は今まで欠かさず鍛錬を積んできた。必ず成功させる。)

そんな思いを胸にシクロは眠りについた。そう、明日どんなことが起こるかも知らずに...

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ