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第三十一話 製麺所を作ろう

ここでの主食は主にパンで、日本人の俺としては、たまに蕎麦とかうどんが食いたくなる。もちろんラーメンとかも大好きだ。蕎麦はときどき作っているけど、うどんとかラーメンは作っていない。

特にうどんはグルテンを出すために蕎麦より力が要るからだ。

そこで閃いたのが水車小屋をもう一つ作って、そこを製麺所にしようと言う事だ。

小麦は畑で栽培しているので問題ない。


思い立ったが吉日。製麺所造りに着手した。ネットで生地作り用のミキサーを調べてオリハルコンで作った。これは錆に強いからというか、素材がこれしか無かったからだ。


水車の回転は一定だから、攪拌の回転数を変えられるように5段階の変速ギアを付けてみた。

これで粉への水回しは緩やかに。そして攪拌。捏ねとだんだん強くしていくことが出来るはずだ。

特にうどんはコシが大事だから、力強く捏ねる必要がある。

延ばしと麺きりは手動の物をネットで買う事にした。こいう時は本当に便利だと感じる。

それにラムちゃんが来てくれてから、地球のゴミを処理してくれるから気兼ねなくケットで色々な物を購入している。


うどん作りにもベンチタイムと言うのがある。25度~40度位で捏ねた生地を休ませるため、温泉と水で温度調整が出来る室を作った。これは酒蔵の麹室と同じ作りにしてみた。


最後に水車を作り、ミキサーと連動させたら完成だ。早々にうどん作りだ。


水車小屋で小麦をやや細かめの中力粉になるように製粉した物をミキサーに入れ、塩水を加え混ぜていき、水が回り固まって来て生地にツヤが出てきたらベンチタイム。30度程にした室に入れ1時間ほどお休み頂く。その後もう一度捏ねるが、ここからは手作業で最終的には丸く形を整えて、再び15分程のベンチタイムとる。


いよいよ製麺機の登場だ。本来なら麺棒で延ばして切って行くが、残念ながら俺には体力が無い。魔法で延ばすって手もあるが、ここは機械を使う。


出来上がったうどんの半分を風魔法と火魔法を使い急速乾燥して乾麺にしてみた。空間収納が無くても保存が出来ると言う事は売りに出す事も出来る。それはみんなの反応を見てからだけどね。


「ラムちゃん。お願いなんだけど、ここを掃除してもらっても良いかな?終わったら美味しいおうどんを食べさせてあげるから」

『美味しいおうどん? お掃除する~ 美味しいおうどん。ノゾミ。約束だよ』

「うん。約束するよ」


ラムちゃんが掃除をしてくれている間に打ち立てのうどんを大量のお湯で茹であげる。

つゆはネットで買っておいたしょう油とかつお節だけの釜揚げうどんを精霊様達にお供えをしてからラムちゃんと一緒に堪能する。


『ノゾミ~ おうどん美味しいね』

「ラムちゃんお掃除ありがとう。たくさん食べていいからね」

『うん。たくさん食べるぅ~~』


「なにを一人で食べているんですか?」

「新しい食べ物みたいですね」

「今朝から何やらしていたと思ったら、これを作っていたんですか」

「まさか麦粉でこれを作ったんですか?」

「とにかく我々にも食べさせてください」


いつの間に集まっていた男連中から矢継ぎ早に言われ、みんなで食べることになった。

「なんですか。この長さは……」

「モチッとした食感がたまらんね」


男性陣の反応は良かった。そこに女性陣や子供たちもやって来きてから生のまま残して置いた分だけでは足りず、乾麺まで茹でることになった。


初めて食べるうどんに女性陣も大喜びで食感や味だけでなく、パンより食べた感があると好評。

子供たちも気に入ったのか沢山食べていて、結局、乾燥させたすべてのうどんも無くなった。

だけど、乾麺させたうどんの食感や味も悪くなく、生麺より多少は香りが落ちる物の大体の予想と変わらなかったことが確認できたので善とした。


「ノゾミ殿。この乾燥させたうどんですが、村の特産に出来ませんか」と村長が言ってきた。

いつの間に来ていたのかぜんぜん気が付かなったが、「出来ますよ」と答えて置いた。

問題はどうやって量産をして行くかだ。製麺機を増やすのは確実だな。


翌日から女性陣が中心になってうどん作りが始まった。乾燥用の網板を何枚か作り天日干しで乾燥させたてから一人分150グラムずつ束ねて木箱に詰めて行った。これを村のお店と行商人に売る予定だ。それと、サルサ村の新しい特産品として王宮にも献上した。


「ノゾミ殿。国王陛下のお言葉を預かってきました」とラベルさん。

『此度のうどんは美味である。お酒と言いうどんと言い、良い働きをしておる。褒美を取らせたいが。望みはないか』との事です。

「これからの事も色々な物を作っていくつもりで、いちいち褒美は貰えませんので、気持ちだけ頂きましたとお伝えください」

「さすが、ノゾミ殿だ。そういわれると思っていましたので、ノゾミ殿は受け取らないと諫言(かんげん)しておきましたよ」

「ありがとうございます」


褒美は余分だけど、陛下も喜んでくれたようで何よりだ。


だけど、やはりうどんにしょう油は欠かせない、ネットで買う方法は楽だけど、村の産業としてしょう油作りも悪くないかも知れない。なにしろ大豆の麹も塩も有る。味噌も作ったら……大豆が足りないか……。


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