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第十九話 サルサ村に帰ってきました

王都を出た俺はスライムを預かるためにメルーサの街に来ていた。そこにはスライム族の族長をはじめ、数匹のスライムが居た。


紹介されたのはジャルラちゃんの末っ子の兄弟で、まだ生まれて半年位らしい。親元から離れるのは早すぎるのではと思ったが、好奇心旺盛なのがスライムだとか。ジャルラちゃんから話を聞いで直ぐに手?触手?を上げたらしい。そりゃ親としては俺を見定めるためについて来るよななどと思いながらも、族長に挨拶をして、おれが作った魚の干物をお土産に渡していたら、日本人3人組も欲しそうな目を向けられ、それなりの量を渡した。


族長にも末っ子を連れて行くことを認めてもらい、早々に名前を付けるよう助言を受けた。その後、冒険者ギルドに行って従魔登録をしたら、連れて街を出られるようになるらしい。


「君の名前はラムちゃんでどうかな?」

『うん、いいよ~。僕の名前はラムちゃん』

『可愛い名前だね』

『ありがとう~』

『ノゾミ殿。ラムを宜しくお願いします』

「こちらこそ、大事なお子様をお預け頂きありがとうございます」


『ラムちゃん。ラムちゃん。ジャルラとまた念話ではなそうね』

『うん』

「ではみなさん。色々とお世話になりました。何か欲しい物が有ればいつでも言ってください。送るか持ってきますから」


お礼のあいさつを済ませると、冒険者ギルドに行き登録を済ませ、そのまま帰路に着いた。



防御魔法の応用を覚えたので、帰りのリルの背中は快適で、リルも本気で走ったせいか翌日にはサルサ村に着いた。


メルーサでの別れ際にプラムさんから村に着いたら役場に寄るように言われていたので寄ることにした。早々に村長室に案内され、相当のお礼を言われた。開拓が遅れていたことでかなり前から領主様から小言を言われたが、国王陛下の私有地になったことで開拓は急がなくて良くなりそりよりも聖霊様やサルサの森を守ることに重点が置かれたことで、これまでの重圧から解放されたと喜んでいた。


移住希望者も今までのような書類提出だけの登録制から、面接方式に変える事で住民を厳選することになったらしい。


「それでですね、その面接官にノゾミ殿を当てる様にと陛下からのお申し付けが有りまして……」

なに! 俺が面接官?? なんで?? どうして??


「陛下の信書によりますと、サルサの森に関する全権をノゾミ殿に一任されたとか。それで森に入っても大丈夫な人だけを選んで住人にせよと書かれていまして、それならノゾミ殿自身が選ばれるのが一番良いのではないかという事になりして……」

「……わかりました。陛下の命では断れませんよね」

「ありがとうございます。それでですね。すでにボルトンさんからの紹介を受けた家族が3組ほど今日到着しまして、面接を待っているのですが……今からでもよろしいでしょうか?」


はぁ~ まだ家にも帰ってないんだけど…… 

至急ボルトンさんを呼んで来てもらう事にした。


「ノゾミ。げんきそうじゃねぇ~か。王都ではどえらい事してきたらしいな」

「それは後でゆっくり話しますから、面接をしないと……」


面接前にボルトンさんから3家族の話を聞いた。ミランダさんと同じ村で育った友人とその兄弟一家だという。戦火が激しくなったことで両親を亡くし、母の最期の言葉「村を捨てて生きなさい」の言葉を胸に村を出て、ミランダさんを頼ってここまで来たとか。


あまり待たせても悪いので早々に面接をすることにした。3家族は兄弟と聞いたので一度に済まそうと思い、提案したら3家族とも承知をしてくれたので助かった。


面接と言ってもこちらが内緒で鑑定をして、不信要素が無ければ十分だ。


初めに自己紹介をして貰った。ミランダさんの友人のメリーゼさんにご主人のスコットさんに娘のアダムちゃん。そして、メリーザさんの兄一家でフロンさんにリーナさん。長男のニト君に次男のサント君。最後は新婚の弟夫婦でゼノールさんにリケアさん。


鑑定で引っ掛かることは無かったので、移住が認められた。


面接が心配だったのか、ミランダさん一家とレノンさん一家も役場に来ていたので、ちょうど良いとこれからの村の運営についてみんなに話を聞いてもらう事にした。


初めに、この村全体が国王陛下の私有地に第二王子が代理で管理をする事に伴い、近く税制が変わること。移住条件が変更されたこと。また、サルサの森とその周辺。周辺とは俺が開拓した土地と、これからここに居るみんなと開拓していく土地にボルトンさんが開拓した土地を含めた土地が特別保護地区となった事で、聖霊様と森を守るために力を貸してほしいことを説明した。


それからボルトンさんから補足で、俺がリーダー的役割と開墾を担当し、他の者で田畑を管理していくこと。また、収穫した農産品で加工品を作り、市場に売り出していく話がされた。すでに第一弾としてワインを作っているので、ミランダさんとレノンさんの家族は納得してくれたが、新しい3家族の人たちは訳が分からないと言った顔をいていたから、落ち着いたらゆっくり説明することにしてみんなで役場を後にした。


ところで、この人たちを今日は何処に泊めようか……今から家は作りたくないしと思っていると、ミランダさんが、「今日は私の家で話明かしましょう」とメリーザさんを誘い、レノンさんがフロンさんとゼノールさんを誘っていた。


やっぱ同郷の人が居るのは良いなぁ~と羨ましく思いながら、よろず屋の人たちを思い出していた。




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