ナサルの勉強会
「では、まずは、薬草とは何かという所から始めますね。
薬草と辞書で引くと薬用に使用する植物の総称と出てきます。
種類によって使用方法は異なります。
たとえば、このミネルワ学園の森に生えているゴルミスは、上の方の枝を煎じて飲めば大抵の毒の解毒剤になります。
いいですか? 上の方ですよ? 榦や根には、毒が含まれていますからね。
見た目はつるつゆですが、触るとゴツゴツしているのが特徴です。
…………いい質問ですね。ディミータ様。どこから上の方なのか。
そうですね……。
ゴルミスは、3mほどの木です。地面から2mから毒はなくなります。ディミータ様の三倍ほどの大きさです。ですので、ディミータ様の二倍分の高さから上の方です。
上になればなるのほど解毒作用が強くなります。逆に下の方になればなるほど毒が強くなります。
そろそろ、ルギオス様の意識が飛びそうなので先程お渡しした赤い表紙の本を開いてください。
ほら、ルギオス様! 起きてください。
236ページ見分けにくい薬草を開いてくださいね。
はい。最初に載っているこの紫の花、これは、コヌメルと言います。生でも食べることが出来ます。蜜がとても甘く今の時期は、その蜜がたっぷり花の中に溜められています。
そして、下の同じ紫の花。コヌメルは花弁が六つに対し、この花は四つです。ガネハマと言います。軽い毒性があり誤って口にした場合、下痢や吐き気に襲われます。
そんなときには…………はい! ルギオス様! 何を煎じて飲めばいいんでしたっけ?
…………正解です。そう、ゴルミスの木です。ちゃんとディミータ様にお礼を言ってくださいね。
続いて、隣のページのハート型の小さい白い花。フシロと言います。これは、花と根に毒があります。しかし、茎に含まれる液体には、肉の臭みを無くす効果があります。
注意しなくてはいけないのは、これの進化後のクシロです。クシロには棘があり、素手で触ると危険です。棘には、免疫を大幅に下げる毒が含まれています。
免疫とは、体に備わっている病気から守る能力のことです。
くれぐれも触らないように!
気をつけなくてはいけないのは、これぐらいですね。
次は、紫の本の653ページ、食べれる果実を開いてください。
長細い緑の実がコクトレ、丸いピンクの実がスール、逆三角形のようなのがジシールです。正確には、三角錐ですが。
この三つの実は、生で食べれますし取り扱いに注意しなくても大丈夫です。
また、森の至る所に生えているので見つけるのも簡単です。お腹がすいたらこれを食べてくださいね。
さて、説明はこれぐらいですね。
…………勘が鋭いですね、ルギオス様。キノコですか。
キノコは99%が毒キノコです。
よって、絶対に!! 食べないでください! 森で食べれそうなキノコを見つけても食べないでください!
そして!! ルギオス様!! 寝ないでください!!」