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雑談1

雑談って言っても何を話そうかな。

 彼が今読んでるのは、この世界の創造の話。つまり、神話。

 だから、ひとまずそれ関連のことを話そうと思う。


 この世界では神が信仰されていない。代わりに(ぬし)というものが信仰されている。

 それはこの世界の隅から隅までどんな国でも、どんな種族でも必ず(ぬし)を信仰している。


 (ぬし)と神の違いはなんなのか。


 大きな違いとして挙げられるのは、信者がいるか、いないかという点だ。


 神は、信仰する者がいなくなれば破滅する、つまり死ぬのだ。

 信仰する者がいてこそ、神は存在する。だから、誰かがこの神を信じよといって、多くの者が信仰すればその神は存在することになる。


 神はいるかいないかと言われたらこう答えるしかない。


 信じればいると。


 自分で言ってて胡散臭いと思うよ。だから、生暖かい目で見ておくれ。

 とにかく、そう考えれば、信じる者は救われるというのは、あながち間違っちゃいない。

 神は信じてくれてるお礼にその人に幸せを運んでくれるんだから。

 まあ……もしかしたら、それは来世かもしれないけどね。


 一方、(ぬし)は信者がいなくても存在できる。

 誰かの思いから生まれたものではなく、そもそも初めからそこにいた存在。

 それが(ぬし)


 まあ、それ以外はだいたい一緒。


 (ぬし)は太古から無限の存在だと言われている。

 魔法や科学が発達したこの世界にもまだまだ不可思議な現象がある。

 説明のつかないものや理屈は分かっているが証明できないもの。

 一部の者は、いつからかこう言うようになった。


【魔法も科学も有限である】


 太古からヒトの手で生き物を作り出すという研究がされている。それらは、掛け合わせとか品種改良とは全く違う。

 0から始めるのだ。

 母体も卵子もなにもないところから始めて完全なものを作る。

 人造人間の誕生。ちょっと違うけど死者の蘇生。

 最近では、アンドロイドの研究も進んでるようだ。


 ただ、今あげたものは全てこの世界では禁止されている。

 それは、人の手で造り出したモノは(ぬし)の意志に反するという考え方が世界の常識だからだ。


【魂は、ヒトの手で創れない】


 魂……すなわち心がないものを果たして君たちは、ヒトとして見れるかな?

 おとぎ話のように一緒にいれば心が芽ばえるなんてことは、残念ながらありえない。


 たとえ有り得たとして、彼らは相当苦労することになるだろう。


 造り出した親の寿命は有限。それのタイムリミットは、おそらく彼らより早く来るだろう。

 残された彼らはどう思うだろうか。

 それに心を持ったからといって周りがそれを受け入れてくれるとは限らない。


 勝手に動く人形を見たとき、君はその子のことを受け入れられる?


 ディミータのように忌み嫌われる可能性は充分ありえる。


 話が暗くなってしまったね。


 そろそろやめようか。どうせ、そんなことあるわけないんだからさ。


 もう、夕方か…………。時間が経つのは早いね。

 ディミータも本を読むのに集中しすぎて眠ってしまったようだ。


 本当…………眠っている姿はとても可愛いね。

 こんな子を殺そうとするなんてほんと、意味がわからないよ。

雑談1ってことは、2もあるってことなのかな?

あんまり、話すの得意じゃないんだよな…………。

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