部活後のひと時
あぁ、疲れたぁ…。
二年になっても、筋トレのメニュー減るどころか、増えてんじゃん…。
部活が終わって、制服に着替えても、外はまだ夕焼けを残した空だった。
日が長くなってきたな、もうすぐ夏か。
夏休みも、部活三昧って幸せだぜ!!
でも、雪近とどっか行こうって約束してたんだっけか。
でも、あんま大阪、わかんねぇしなぁ…
空の向こうの飛行機雲を見ながら、明日は雨かな、なんて事やらをボーッと考えてると、
「道成~道成~!部活終わったの~?お疲れ様ぁ!」
って、雪近が、満面の笑みで向こうから手を振りながら走ってくるのが見えた。
「ああ。終わったよ。雪近は?」
「俺もさっき終わったとこ~!道成もかなって、迎えに来たら、丁度ぼけーっと口を開けて突っ立ってる道成を見つけちゃったよ あはは」
げっ。俺、口開けてたのか…最悪だ。
「今すぐ、忘れろ。じゃないと、お前が毎日つけてる乙女な日記マニアと言うことを、全学年の女子にばらすぞ。」
だわわわわ~~と、言葉にならない声で、ダッシュで俺の口に飛びつこうとしてきた雪近を、俺は華麗に避ける。
「もーー!!なんでそんなこと知ってるの?デリカシーなさすぎでしょ!知ってても言わないのが、親友じゃないの~!!」
雪近は、顔を赤くして、スポーツ鞄を振り回した。
あぶねぇよ…。
子供の頃、書いてるのを見た事があっただけだったが、今でもまだ書いていたとはな。
「なら、忘れろ。以上」
行くぞ、と校舎の廊下に向かって歩き始めた。
「はいはぁい。わかりましたよ~」
ふと、足元から視線をあげると、向かいの廊下に、一年の、近藤 涼華の姿が目に入った。
やっと、ヒロインでてきます。
お待たせしました。