前代未聞の大災害
2053年、地球規模で起きた、
『流星群衝突大災害』
世界各地で、大きな被害が出た。
流星群とは、地球に辿り着く前に燃え尽きる場合が殆どであるが、
この災害の際は、小惑星規模程の物が宇宙から降ってきて、
大気圏で燃え尽きる事なく、地上へと落下。
落下地点からは、物凄い衝撃波と、爆発が起き、
残念ながら、世界人口の3割の命が失われた。
日本では、関東、特に東京の被害が凄まじいもので、
東京及び関東全域では、避難勧告が出た。
その避難勧告は、避難命令へと変わり、2年経った今でも解除されていない。
世界的な災害の為、各国、自分の国への復旧だけで手が追いつかず、
発展途上国などでは、未だなんの復旧活動も行われないまま。
遺体などの捜索すらされてない所が、殆どである。
東京へは、自衛隊が今もなお、遺体などの捜索活動及び、倒壊建物の処理などの、作業で追われているが、
未だに、遺体が発見されていない人が多いのが現状である。
野村達も、流星群衝突の際には東京に居た。
産まれた頃から、東京に住んでいた、野村と、雪近は、
流星群衝突の際に家族を失い、
親戚などのお陰で、今の大阪に住むことに至っている。
____・・・「ねぇ、道成。今の東京、どうなってるのかな・・・。」
教室の窓から、どこかを眺めながら、
雪近が、俺に問いかけてくる。
「さぁな。あんま、考えたら、またお前、調子悪____っ」
俺の言葉を遮って、
「やっぱ、やめ!
でも、いつか帰りたいね。
僕らの故郷にさ。」
振り返りながら、作り笑顔の雪近に、
俺は何も言葉が浮かばず、
「____あぁ、そうだな。」
と、一言返す事が精一杯だった。