明けの学校。
流星群衝突の地球規模大災害から、2年。
日本は、壊滅的な被害があった東京から、首都が名古屋へと移った。
東日本の復帰を望むには、まだまだ時間が必要だった。
ゴールデンウィーク明けの学校と、夏休み明けの学校とでは、どちらが面倒で行きたくないだろう…
____・・・そんな事を考えながら、いつもの学校へと続く坂道を、俺はカバンを気だるく持ちながら、歩く。
「おっはよーん!野々村さん!のーのーむらさぁん。」
肩に腕を組み、飛びついて来たのは、幼馴染みで同じクラスの、雪近 祀だ。
たくっ、朝からテンション高けぇなぁ。
ゴールデンウィーク明けだぞ…。
「だから、野々村って呼ぶなって!俺は野村だっ!」
俺は、野村 道成
ここ、新関西中学に通う、剣道一筋!!の2年だ。
熱くなってしまった…。
ゴールデンウィーク明けなのに。
「お前さ、ゴールデンウィーク明けから、何でそんなに元気なんだよ?気が知れねぇよ。
俺は部活以外は、まだ寝ていたいわ。」
そんな俺を覗き込む様にしながら、ニコッと笑い、
「だって、みんなに会える学校じゃん!楽しみに決まってんじゃん!もぅ、俺、道成に会えないこのクソゴールデンウィークが憎かったんだからっ!」
小走りに俺から離れ、俺の足止めをしながら、雪近は言った。
「んなもん、家も近所だし、これから、学校で毎日会えるべ…俺はゴールデンウィークが後2週間は、2週間は欲しかった!!そう、この国に直訴する!」
(あれ、2組の野村君だよね…朝からテンション高い、クスクス)
俺は、雪近のペースにまんまとハメられて、拳を高く上げながら、そう叫んでいた事に気が付き、
ぱっと、手を直し、雪近を避けるように、歩きはじめた。
くそっ、ゴールデンウィークゴールデンウィーク言ってんの俺だけかよ、クソ恥ずかしいわ。
「ねぇーねぇー!道成ぃー。宿題終わった?」
雪近は、何事も無かったかの様に、俺の隣を歩き始めた。
「あ?ん。ったりめーだろ。」
チラッと、雪近を見ると、涙目で、
「どうしよう!!俺、理科の問題全然わからなかったんだよぉ!道成、教えてよぉぉ」
うわーん、なんて嘘泣きを始めるもんだから…仕方ねぇな、こいつのおもりも俺の仕事のうちか。
「なら、教室まで、ダッシュだ!行くぜっ、雪近!!」
それと同時に2人で駆け出し、一気に坂道を登り切った。
5月と言っても、学ランでダッシュすると、汗ばむもんだな。
ハァハァと、肩で息をし、雪近を見ると、
「道成、はやーい!」
と、ケラケラと、笑っていた。
ったく。
はぁ、まだ、夏休みは来ないのかよっ