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テラザウォール  作者: 森國 龍剣
2/14

明けの学校。

流星群衝突の地球規模大災害から、2年。


日本は、壊滅的な被害があった東京から、首都が名古屋へと移った。


東日本の復帰を望むには、まだまだ時間が必要だった。

ゴールデンウィーク明けの学校と、夏休み明けの学校とでは、どちらが面倒で行きたくないだろう…


____・・・そんな事を考えながら、いつもの学校へと続く坂道を、俺はカバンを気だるく持ちながら、歩く。


「おっはよーん!野々村さん!のーのーむらさぁん。」


肩に腕を組み、飛びついて来たのは、幼馴染みで同じクラスの、雪近(ゆきちか) (まつり)だ。

たくっ、朝からテンション高けぇなぁ。

ゴールデンウィーク明けだぞ…。


「だから、野々村って呼ぶなって!俺は野村だっ!」


俺は、野村(のむら) 道成(みちなり)

ここ、新関西中学に通う、剣道一筋!!の2年だ。

熱くなってしまった…。

ゴールデンウィーク明けなのに。


「お前さ、ゴールデンウィーク明けから、何でそんなに元気なんだよ?気が知れねぇよ。

俺は部活以外は、まだ寝ていたいわ。」


そんな俺を覗き込む様にしながら、ニコッと笑い、


「だって、みんなに会える学校じゃん!楽しみに決まってんじゃん!もぅ、俺、道成に会えないこのクソゴールデンウィークが憎かったんだからっ!」


小走りに俺から離れ、俺の足止めをしながら、雪近は言った。


「んなもん、家も近所だし、これから、学校で毎日会えるべ…俺はゴールデンウィークが後2週間は、2週間は欲しかった!!そう、この国に直訴する!」


(あれ、2組の野村君だよね…朝からテンション高い、クスクス)


俺は、雪近のペースにまんまとハメられて、拳を高く上げながら、そう叫んでいた事に気が付き、

ぱっと、手を直し、雪近を避けるように、歩きはじめた。


くそっ、ゴールデンウィークゴールデンウィーク言ってんの俺だけかよ、クソ恥ずかしいわ。


「ねぇーねぇー!道成ぃー。宿題終わった?」


雪近は、何事も無かったかの様に、俺の隣を歩き始めた。


「あ?ん。ったりめーだろ。」

チラッと、雪近を見ると、涙目で、


「どうしよう!!俺、理科の問題全然わからなかったんだよぉ!道成、教えてよぉぉ」


うわーん、なんて嘘泣きを始めるもんだから…仕方ねぇな、こいつのおもりも俺の仕事のうちか。


「なら、教室まで、ダッシュだ!行くぜっ、雪近!!」


それと同時に2人で駆け出し、一気に坂道を登り切った。


5月と言っても、学ランでダッシュすると、汗ばむもんだな。

ハァハァと、肩で息をし、雪近を見ると、


「道成、はやーい!」

と、ケラケラと、笑っていた。


ったく。


はぁ、まだ、夏休みは来ないのかよっ


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