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【行間①】 ~失楽園での罰~七つの大罪 Pride (傲慢)
神に反逆を起こした大天使長・ルシフェルの策略は、失敗に終わった。神の象徴は、絶対的な父性。全ての生命達は皆、神の子供。父が我が子を叱る様に神もルシフェルに罰を与えた。
それは、人間界に落とすこと―――
神は、ルシフェルの封印を命じたのだ。人間という鍵をかけ、輪廻という封印をし、千年間の諸国の民を惑わせぬ様に・・・。それがルシフェルの罰だった。
ルシフェルはそれを狂った様に嫌悪した。それは、当たり前のことだ。ルシフェルは人間をもっとも嫌っていたからだ。彼がこんなに落魄れたは何故だ?彼がもっとも愛し、尊敬し、守り刀として尽力つくしてきた神に逆らったのは何故だ?
彼の言葉にならない叫喚は、怨緒の声にも憤怒の声にも聞こえる。
彼は、神に何を望んでいたのだろう。彼の心を理解する者は、誰もいない・・・
彼の願いは届かない・・・彼の思いは届かない・・・
天界に響き渡った嗚咽に近しい叫び声は、悪魔の王と呼べるものではなかった・・・