プロローグ
勢いで書いたので続かないかもしれませんが、頑張りたいと思います。評価していただけたら幸いです。
――魔法少女。
この名称は年頃の女の子には聞こえは良く、一部の人間にとっては夢見のいい魅力を惹きつけたり、憧れたり、その手のモノに妄想や想像を膨らませてくれるだろう。
しかし結局としては魔女という、人の悪しき歴史から来るマイナスイメージの対称でしかない。
――魔女。
俗信では古くからヨーロッパで超自然的な力で人畜に害を及ぼすとされた女性または妖術・魔術の類を行使する存在。
俗信・虚実・疑心が故に多数の女性が嫌疑をかけられ、世俗の裁判や宗教裁判に処断されて魔女狩りに遭っては犠牲となっている。
だが、この物語に於いてその歴史的な意味合いは微塵もないし語る気もない。
――白の魔女 セレネ・メロディズム・リュシエンヌ。
彼女が起こした災厄について、この物語の主人公―神田悠華は語る義務がある。
中学二年生の時、悠華は魔女に出会った。それは突撃とも言える衝撃的な出会いであっただろうし、どうしようもない程の回避できない出会いでもあった。
いずれにしても悠華はこの出会いによって運命を狂わされてしまっただろうし、デッドエンドともバッドエンドとも意味することのできる最悪のストーリーで演じる羽目となった。
その運命を回避できていたとしていても、所詮は誰かがその役を担わせられるだけで、結果としてはもっと最悪な方向に巡り巡ってしまっていたかもしれない。
唯一の救いは彼女の未来が、少なくともハッピーエンドで幕を閉じることができたことか。
――あの日から起きた一連の事件。
こんな形で表現してしまったが、決してあの日から出来事はどの言葉で紡ぎ合わせても形容できない。
認識することも、断言することも、把握することも。
白の魔女の手の上で踊らされた、あの少女、あの仲間、あの友に再会することも巡りあうことも思い出を共有することも現在に至るともはや不可能に近い。
限りなく最低でバッドエンドなハッピーエンド。
それで十分なのかもしれない。
重要なのは結果であって、その結果に至るまでの経過ではないのだから。
日本の文化が起源ではないが、漫画や映画やゲームで語られる馴染み深い、古い概念。
魔女とその紛いもので偽物の魔法少女。
それらが踊り、舞い、織り成した物語を語っていこうとしよう。
――どんなに最悪で不幸であっても終わりはいずれ来るのだから。
遺伝子(GENE)を引き継ぐ者の物語、それが「GENE SERIES」。
最初にして「三番目」の物語が今ここに始まる。