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偉人の翼~皇帝ナポレオンと名もなきマリー~  作者: トムさん


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第10話 血塗られた産室と、透明な揺りかご



テュイルリー宮殿の奥深く。


マリーの身体を苛んでいたあの泥のような気怠さと、頭蓋を内側から腐らせるような不調の正体が、『病』などではなく、彼女の胎内に宿った『新しい命』の脈動であると悟るまでに、そう長い時間はかからなかった。



(ああ……そうだったのね。私の泥の肉体が、壊れたわけではなかった)



蝋燭の火が揺れる静かな自室で。


マリーは、自らの平らな下腹部に、氷のように冷え切った両手をそっと押し当てた。


目を閉じ、意識を深く深く沈めていくと、動物たちのざわめきの奥底で、たしかに、トクトク、トクトクと、小さな小さな、けれど決して消えることのない熱を帯びた命の鼓動が聞こえてくる。


愛する神様が、この恐ろしい外界から逃げ込み、震えながら私にすがりついて落としていった、無垢で純粋な結晶。



(私と、彼の……子供)



その事実を咀嚼した瞬間、マリーのオリーブ色の瞳から、張り詰めていた糸が切れたように大粒の涙が溢れ落ちた。


嬉しかった。世界中のどんな奇跡よりも、泥の中で生まれた自分という気味の悪い存在が、彼と確かに繋がり、その命の一部を宿しているという絶対的な証が、彼女の魂を甘く、どろりと満たしていった。



しかし。


その純度100%の歓喜は、数秒後には、恐ろしいほど冷徹で透き通った『盤面の見立て』によって、完全に塗り潰されていった。



(……この子は、決して光の当たる場所に出してはいけない。この子の存在が明るみに出れば、彼の玉座は根底から崩れ去ってしまう)



数日後。


分厚いカーテンで完全に外界から遮断された、皇帝の寝室。


深い夜の闇の中、マリーの腕の中で浅い眠りから目覚めたナポレオンに、彼女は一切の感情を剥ぎ取った、硝子のような声でその事実を告げた。



「……私の、お腹に……あなたの子供が、宿りました」



その短い一言が寝室の空気に溶けた瞬間。


ナポレオンの体が、まるで雷に打たれたように激しく跳ね起きた。



「マリー……! い、今、なんと言った……!?」



暗がりの中で、彼の血走った瞳が極限まで見開かれている。


マリーが静かに、もう一度頷くと。


ナポレオンの喉の奥から、言葉にならない、獣のような、それでいてひどく幼い嗚咽が漏れ出した。



「子供……俺とお前の、子供……! 世継ぎだ……! ああ、神よ……!!」



彼は、崩れ落ちるようにマリーの前にひざまずき、彼女のまだ平らな下腹部に、震える両手をすがるように押し当てた。


彼の目からは、大粒の涙がボロボロと止めどなく溢れ出し、豪奢なシーツに幾つもの染みを作っていく。



「マリー! ありがとう、ありがとう……っ! 俺は、俺の血を分けた子供が……それも、この世界でただ一人、俺を愛してくれているお前との間に……っ!!」



それは、「ヨーロッパの覇者」としての威厳など微塵もない、ただ愛する女との間に命を授かった、どこにでもいる矮小で不器用な「凡人の男」の、無防備すぎる歓喜の涙だった。



「すぐに……すぐに手配させよう! ジョゼフィーヌとは離縁する、元々あの女とはもう終わっていたんだ! お前を、お前を正式なフランスの皇妃として迎え入れる! そうだ、文官どもがうるさく言っていた『正統なる世継ぎ』が、これで完全に解決するじゃないか!!」



ナポレオンは、歓喜に顔を上気させ、マリーの冷たい両手を取って熱狂的に口づけを繰り返した。


お前を一番高い場所へ。


誰にも馬鹿にされない、皇帝の妻という絶対の光の中へ。


彼の言葉には、マリーへの純粋な愛情と、この重圧に満ちた帝国を二人で乗り越えていけるという、無邪気で愚かな希望が満ち溢れていた。



しかし。


その熱狂的な凡人の愛を真っ直ぐに受け止めながら。


マリーのオリーブ色の瞳は、春の陽だまりのような微笑みを浮かべつつも、その奥底は完全なる『絶対零度』へと凍りついていた。



「……それは、帝国の破滅を意味します。陛下」



静かな、本当に静かな、一滴の猛毒のような囁きだった。


ナポレオンの歓喜の言葉が、ピタリと止まる。



「……破滅? なにを言っているんだ、マリー。俺とお前の子が、この国の……」



「いいえ、陛下。どうか、ご自身の置かれている状況を、正しくご覧になってください」


マリーは、すがりつくナポレオンの手を、そっと、しかし絶対的な拒絶の意志を込めて静かに引き剥がした。



「私が皇妃になれば、何が起きますか? コルシカの泥にまみれた、血筋も何もない気味の悪い小間使いが、突然皇后の座に就く。……それを、あの血生臭い武官たちや、狡猾な文官たちが、大人しく認めると思いますか?」



マリーの透き通った声が、ナポレオンの脳髄に冷水を浴びせかけるように響く。



「『皇帝は狂った』『卑しい女にたぶらかされた』。……彼らは必ずそう言って、あなたを玉座から引きずり下ろすための大義名分を得ます。暗殺者の刃が、毎晩あなたの寝室を狙うでしょう。あなたがこれまで血を吐くような思いで築き上げてきた、この絶対安全な『分厚い壁』が、私の存在一つのせいで、内側から完全に崩壊するのです」



「ちが……違う、俺は皇帝だ! 誰も俺には逆らえない! 俺が、俺がお前を守る……っ!!」



「守れません」



マリーは、冷酷なまでに完璧な理屈で、彼の無防備な希望を完膚なきまでに叩き割った。



「あなたは、私がいなければ、眠ることすらできないのですから」



その、あまりにも残酷で、絶対的な真実。


ナポレオンは、言葉を失い、喉の奥でヒュッと引きつった息を鳴らした。



「マリー……っ」



彼は、絶望と恐怖に顔を歪め、床に崩れ落ちたまま、すがるようにマリーを見上げた。



「頼む……二人きりの時くらい、その『陛下』と呼ぶのはやめてくれ……っ。俺を、突き放さないでくれ。お前まで俺から離れてしまったら、俺は、俺は……っ」



皇帝という重い仮面の下で、ただ一人マリーにだけ向けていた「ナポレオーネ」という弱々しい青年の魂が、彼女の冷たい敬称によって完全に居場所を奪われ、泣き叫んでいる。


その悲痛な懇願を聞きながら、マリーの胸の奥で、自身の心臓がギリギリと軋み、千切れていくような凄まじい痛みが走った。



(突き放すわけがないでしょう。私が、この世界で一番、あなたを愛しているのに)



本当なら、今すぐ彼を抱きしめて、「ずっとそばにいます」と一緒に泣いてあげたかった。


自分の子供を、愛する彼と一緒に、光の当たる場所で育てたかった。


しかし、そんな『凡人としての幸せ』は、この呪われた玉座の上では、彼を殺す猛毒にしかならないのだ。



「……私は、どこにも行きません。ずっと、あなたの影として、この暗がりであなたをお守りします」



マリーは、一切の涙を見せず、ただひたすらに聖母のような無垢な微笑みを顔面に貼り付けた。



「この子は……私が、故郷のコルシカへ密かに送り、誰の目にも触れない日陰で、静かに育てさせます。皇帝陛下の子ではなく、ただの泥生まれの孤児として」



「そんな……俺たちの子供を、遠くへ……!? 嫌だ、俺は……っ!」



「これが、あなたが玉座で生き延びるための、ただ一つの『正解』なのです。……ナポレオン」



最後に一度だけ、彼が欲しがった名前を呼んであげる。


その瞬間、ナポレオンは完全に崩れ落ち、マリーの膝に顔を埋めて、子供のように声を上げて泣きじゃくった。


己の権力がどれほど巨大になろうとも、愛する女一人、自分の子供一人、日の当たる場所に出してやることすらできない。


皇帝という名の、完全なる無力感と敗北。



その彼の頭を、マリーは静かに、優しく撫で続ける。


彼女の目は、泣き叫ぶ彼を通り越し、見えない未来の情景を、血の滲むような覚悟と共に冷徹に見据えていた。



(これでいい。私がすべての泥を被り、この子を闇に隠す。そうすれば、彼は安全な玉座に座り続けられる。……この子のことは、私が生涯をかけて守り抜いてみせる)



暗い寝室の中。


自らの手で、愛する彼との「凡人としての幸せ」を完全に断ち切った少女は、その腹部に宿る小さな命の鼓動と、泣き崩れる神様の重みを同時に抱きしめながら、誰にも見えない冷たい決意の檻を、さらに高く、強固に築き上げていくのだった。



一八一一年、三月。


春の息吹がパリの街を包み込み始めた頃。


テュイルリー宮殿の陽の当たらない使用人用の狭い部屋で、マリーは誰にも知られることなく、一つの命をひっそりと産み落としていた。



それは、皇妃マリー・ルイズの出産予定日より、わずか数日前のことだった。


冷たい石の床の上、声を殺して耐え抜いた孤独な出産の末に抱き上げたのは、ナポレオンの面影を確かに宿した、美しく健やかな男の子だった。


マリーはこの数日間、いずれコルシカの泥の中へ送る運命にある我が子を、宮殿の暗がりで抱きしめ、ひっそりと自分の乳を与えながら息を潜めていたのだ。



そして、運命の日。


オーストリア皇女であり、フランス皇后となったマリー・ルイズの豪奢な産室。



「……っ、あぁぁぁぁぁっ!!」



獣のような絶叫が、むせ返るような血と乳香フランキンセンスの匂いが立ち込める産室に響き渡る。


マリーは一介の侍女として、汗にまみれる皇妃の額を拭い、血に染まったタオルの交換に奔走していた。



難産だった。


フランス最高の産科医であるデュボワが、青ざめた顔で皇妃の足元に陣取り、必死の処置を続けている。


そして、数時間に及ぶ凄惨な修羅場の末――デュボワの血塗れの手によって、ついに一つの小さな塊が取り上げられた。



しかし。


産室を包んだのは、新しい命の誕生を祝う産声ではなかった。


水を打ったような、完全なる死の沈黙。



「……ああ……あああ……っ。おしまいだ……私の首が、刎ねられる……っ」



デュボワが、床に膝をつき、両手で顔を覆ってガタガタと激しく震え出した。


彼の足元に置かれた銀のたらいの中には、全身が青黒く変色し、ピクリとも動かない、息絶えた赤子が横たわっていた。



完全なる死産。


待望の世継ぎを失ったと知れば、外で待つ皇帝は絶望のあまり狂乱し、立ち会った医師の首を容赦なく刎ね飛ばすだろう。


絶望と死の恐怖が、産室の空気を氷のように凍らせた。



その、誰もが息を呑み、死の淵を覗き込んでいた絶望の密室で。


たらいの中の『死んだ赤子』を見つめていたマリーの特異な脳髄に、まるで天からの雷に打たれたような、あまりにも残酷で、あまりにも完璧な『ことわり』が閃いた。



(……皇帝の世継ぎが、死んだ。このままでは、彼は絶望に狂い、帝国は崩壊する。……けれど)



マリーのオリーブ色の瞳の奥で、カチリ、と運命の歯車が噛み合う音がした。



(私の部屋には今、数日前に産み落とされたばかりの、彼と私の『本当の子供』がいる)



マリーは、一切の感情の揺らぎを見せず、震えるデュボワの背後から静かに声をかけた。



「……先生。新しい、清潔なシーツを取って参ります。どうか、それまで……お待ちください」



デュボワは返事すらできず、ただ首を抱えてうずくまっている。


マリーは産室の重厚な扉を、音もなく開いて外へと出た。



――廊下。


そこには、ヨーロッパ全土を支配する絶対権力者たるナポレオンが、顔面を蒼白に引き攣らせ、爪を噛みながら、まるで怯える子供のようにウロウロと歩き回っていた。



「……マリーか!」



扉から出てきたマリーの姿を認めた瞬間、ナポレオンはすがりつくように駆け寄ってきた。



「どうなっている……! なぜ赤子の声がしないんだ! 主治医のデュボワは、子供が逆子だと言っていた……。もしや、ルイズも、子供も……っ」



ガタガタと震えるナポレオンの肩。


彼は、自分が待ち望んだ「正統な世継ぎ」が、今まさに産室という密室の中で永遠に失われるかもしれないという極限の恐怖に、完全に自我をすり潰されかけていた。



「……ご安心ください、陛下。私は、赤子を包むための新しいシーツを取りに出ただけです。……陛下が待ち望んだ命は、必ず、すぐそこまで来ております」



マリーは、冷たく透き通った声でそう告げ、深く一礼した。



「そ、そうか……。シーツを……。頼む、マリー。俺の……俺の世継ぎを、どうか……っ」



祈るように手を組むナポレオンを廊下に残し、マリーは足早にその場を離れた。


向かった先は、自身の、あの暗い私室だ。



彼女は、寝台の奥で静かに眠る自身の赤子を抱き上げると、用意していた最高級の真っ白な絹のシーツで、その小さな体をすっぽりと、誰の目にも触れないように包み込んだ。


腕の中に伝わる、我が子の確かな重みと、甘い乳の匂い。



この子を手放せば、私はもう二度と、この子を「私の子」と呼ぶことは許されない。


しかし、マリーの胸に湧き上がっていたのは、我が子と引き離される普通の母親としての悲哀や、身を切られるような惜別ではなかった。



「……ありがとう」



マリーの唇からこぼれたのは、花がほころぶような、純度100%の、狂気的なまでの『感謝』と恍惚の吐息だった。



「生まれてきてくれて、本当にありがとう。私の、かわいい小さな神様」



マリーは、シーツに包まれた我が子の柔らかい額に、うっとりとした口づけを落とした。



「私が泥の中で育てるよりも、あなたは世界で一番高い玉座で、光を浴びて愛される。……そして何より、あなたという命が、絶望の淵にいるあの方を完璧に救うのよ。皇帝を救うために生まれてきてくれたあなたを、私は心の底から誇りに思うわ」



己の母性すらも、愛するナポレオンの玉座を永遠に強固にするための『最高の部品』として完全に昇華させてしまった、純粋すぎる狂信。


マリーは、一滴の涙も流さなかった。


ただ、自らが産み落とした命が、これ以上ないほど完璧に帝国の盤面に嵌まり込むことへの、底知れぬ歓喜だけが彼女を支配していた。



マリーは、シーツの束(赤子)を胸に抱いたまま、再び産室へと向かった。


廊下で頭を抱えるナポレオンの脇を音もなくすり抜け、重厚な扉を開けて中へと足を踏み入れる。



産室は、依然として死の絶望に支配されていた。


マリーは、血まみれの床にへたり込むデュボワの背後へと歩み寄り、胸に抱いていた真っ白な絹のシーツを、静かに開いた。



「――おぎゃあ、おぎゃあ……っ!」



シーツの中から現れたのは、息絶えた赤子とは対極にある、赤々と血色の良い、力強く泣き声を上げる元気な男児だった。



「なっ……!? そ、その子は……っ!?」



「皇帝陛下と、オーストリアの血を引く皇后陛下との間に、今まさに無事に産み落とされた……立派な『ローマ王』です」



マリーは、一切の感情を交えない、氷のように冷徹な声でそう告げた。



「先生。あなたが生きたいのなら、あなたの首と名誉を繋ぎ止めたいのなら。……この子を、今すぐ血と羊水で拭い、皇帝陛下の腕に抱かせなさい」



それは、歴史の根幹を揺るがす、恐るべき大逆罪の提案だった。


血統のすり替え。


しかし、恐怖で正常な判断力を失いかけていたデュボワにとって、目の前に差し出されたその赤子は、断頭台から逃れるための「神からの蜘蛛の糸」そのものだった。



「……あ、ああ……っ! わ、分かった、私が取り上げた、立派な男児だ……っ!」



デュボワは狂ったように頷き、震える手でマリーの腕の中から赤子を奪い取った。


マリーの手から我が子の重みが永遠に失われたその瞬間も、彼女の顔には、ただ完璧な計画を完遂した聖母のような、恐ろしくも無垢な微笑みが張り付いたままだった。



デュボワは素早く赤子に処置を施すと、深呼吸を一つして、産室の重厚な扉を勢いよく開け放った。



「――皇帝陛下!! おめでとうございます!! 健やかなる男児、ローマ王の御誕生でございます!!」



廊下から、弾かれたような足音が飛び込んでくる。



「おお……! おお……っ!!」



デュボワの腕に抱かれた、力強く泣き叫ぶ赤子を見た瞬間。


ナポレオンは、その場に崩れ落ちるように膝をつき、赤子を震える両腕で高く、天に向かって掲げた。



「我が息子よ……! 帝国の世継ぎよ!! よくぞ、よくぞ無事に生まれてきてくれた……っ!!」



皇帝の顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになり、彼は赤子の小さな頬に何度も、何度も口づけを繰り返した。


自分が今腕に抱きしめている、待ち望んだその「命」が。


高貴なるオーストリア皇女の血など一滴も入っていない、自分が「日陰に隠せ」と突き放した、泥にまみれた侍女マリーとの間にできた『本当の自分の子供』であることなど、彼は微塵も知る由はなかった。



「……神よ、感謝する! これで我が帝国は、永遠に盤石だ!!」



狂喜乱舞し、歓喜の涙を流して赤子を抱きしめるナポレオンの姿を。


産室の最も深い影の中から、腕を空っぽにしたマリーが、静かに、静かに見つめていた。



(ああ。……良かった。これで彼は、もう何にも怯えなくて済む)



両腕にぽっかりと空いた、我が子を手放した絶対的な虚無感と冷たさ。


それと引き換えに手に入れた、愛する神様を永遠の玉座に固定し、自分たちの血肉でフランス帝国の歴史そのものを完全に内側から簒奪さんだつしたという、背筋が凍るほどの全能感。



「万歳! 皇帝陛下万歳! ローマ王万歳!!」



外からは、新たな世継ぎの誕生を祝う、数万の民衆と将兵たちの狂乱の歓声が、地鳴りのように響き渡り始めている。


その歴史の真実を完全に騙し切った巨大な光の渦の底で。


マリーは、誰にも見えない暗がりの中で、この世界で最も悲しく、そして最もおぞましい、完全無欠の『母親の微笑み』を浮かべていたのだった。


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