第七話:探求の果てに見つけた答え
ルナリス様と私は、彼の鍵である古代魔法の羊皮紙が示す手がかりを追って、王都から遠く離れた古代魔法の遺跡を訪れていた。
彼は、失われた魔法の謎を解き明かすことに夢中で、私は、彼の知的好奇心に触れながら、二人の距離を縮めていた。
遺跡の奥深く、古代魔法陣が眠る広間に入った時、羊皮紙がまばゆい光を放ち始めた。
「そうだ……これだ! これが、僕が探し求めていた、古代魔法の真実だ!」
ルナリス様は、興奮した様子で魔法陣に近づいていく。
しかし、その魔法陣は、強大な魔力を発する罠だった。
ルナリス様は、魔力の奔流に飲み込まれ、意識を失いかける。
「ルナリス様……!」
私は、彼を守るため、思わず前に飛び出した。
私の魔力は、彼の魔力と共鳴し、魔法陣の暴走を食い止めた。
「……なぜ、君は僕を……?」
意識を取り戻したルナリス様は、呆然とした表情で私を見た。
彼の瞳には、「なぜ、君は非論理的な行動をとるのか?」という疑問が浮かんでいた。
私は、彼の問いに答えられなかった。
ただ、彼を守りたいという一心だった。
その時、ルナリス様の持っていた羊皮紙が、強く輝き始めた。
羊皮紙は、彼が探し求めていた古代魔法の真実を記すのではなく、彼の心に隠されていた真実を映し出していた。
「僕の探求の真実……それは、君だ」
ルナリス様は、私を優しく抱きしめた。
「僕は、ずっと完璧な理論と答えだけを求めてきた。だが、君という非論理的な存在と出会い、僕の世界は大きく変わった」
彼の言葉は、震えていた。
「君という謎は、僕の探求心を永遠に満たしてくれる。だから……」
彼は、私の顔を両手で包み、唇にキスを落とした。
「僕の探求の対象は、君の能力ではない。君自身だ。僕の傍にいて、僕を一生、退屈させないでほしい」
彼の「探求」の真実が、私への「愛」へと昇華された瞬間だった。